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面白いと思ったサービスを発表する会

アストロラボ株式会社では、月に一度の社員定例会で、持ち回りで発表をします。

2021年3月の定例会からは、「自分がいけてると思った、人に薦めたいサービスの紹介(リアルでもオンラインでも、ビジネスでもゲームでも、かたちやカテゴリーの制約は無し)」を発表のテーマとしています。

複数の自社サービスをローンチして、まわりはじめてきた段階。
いかにサービスを良くし続けていくか、ユーザーの満足を実現していくかをスタッフ全員が考え、自分ごととして意識を共有することを目的としています。

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「自分がいけてると思った、人に薦めたいサービスの紹介」
(リアルでもオンラインでも、ビジネスでもゲームでも、かたちやカテゴリーの制約は無し)
・なぜ注目したか
・どこがすごいか
・サービスを作った人の想いの紹介
・それがどうサービスに透けて見えるか
・このサービスをさらに良くする担当になったとしたら、自分だったらどうするか
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久保が発表したスライドを、トーク内容と合わせてご紹介します。

下記Slideshareにもアップロードしています
https://www.slideshare.net/ShinsukeKubo/ss-246987692

自分がいけてると思った人に薦めたいサービスの紹介

スライド1

突然ですが…

スライド2

みなさん、お鮨すきですか?

みなさん、おすしすきですか?

「「「はーい!」」」

はい、おすし、お好きなひと多いかと思います。

スライド3

いいですねー
こんなところに食べに行ってみたいですね
引用元に「銀座久兵衛」ウェブサイトよりって書いてありますね

スライド4

自社サービスがんばりましょう!

社員思いのCEOとかが連れてってくれるかもしれません

スライド5

こっちです 

はい、きょうは、まわるほうです

スライド6

スシテック SUSHI-TECH

みなさん、“スシテック”って聞いたことありますか?

スライド7

〇〇テックとは

業界の垣根をも超えて既存の業界に最新のテクノロジーを組み合わせ、新しい価値を生み出すサービスや取り組みのこと。

ITにかかるコストの低廉化やクラウドの普及、スマートデバイスの普及、データ処理能力の向上などを背景に、近年フィンテック、リーガルテック、メドテック、アグリテック、エデュテック…さまざまな分野でDXが進み、どんどん〇〇テックが増えている

総称して「X-Tech(クロステック、エックステック)」と言ったりもします

スライド8

すなわちスシテックとは

AIやセンサー、画像認識やビッグデータ、スマートデバイスなどを活用して回転寿司業態における省人化・利益の最大化を目指す取り組みのこと。

セルフレジ、自動案内システム、テイクアウト受取用自動ロッカーなど、さまざまなソリューションが登場している

フィンテックとかにくらべると、なんかやけに範囲が狭くない? っていうのはおいといてください

スライド9

ご紹介したいのは

今日みなさんにご紹介したいサービスは…

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「ビッくらポン!」
お皿5枚で1回ゲーム!

「ビッくらポン!」です

はい、ご存知のかたいますか
あーけっこうみなさん知ってるみたいですね。
知らないかたのためにも、どんなサービスなのかみてみましょう

スライド11

ビッくらポン! とは

回転寿司業界第2位のくら寿司の各席に設置されているミニゲーム。空いた皿を5皿投入するごとに1回ゲームに挑戦でき、あたりがでると景品がもらえる。

景品はオリジナルグッズのほか、人気マンガなどとのコラボレーションも多いため、マニア的な人気も博している
実は最新テクノロジーを活用したスシテックというほどでもない

じっさいの利用の流れをみてみましょう

スライド12

食べ終わった皿を5枚、回収ポケットに入れる

ミニゲームスタート

“あたり” がでたら景品ゲット!何が入っているかはお楽しみ

各座席のテーブルの端っこに、お皿回収用の穴があいています。
食べ終わって空いたお皿をここに入れていきます。

5枚投入した時点で、座席に備え付けられているタッチディスプレイ、注文もできるものですね、ここで唐突にアニメーションがはじまります。
短い動画のあとで、「あたり」か「はずれ」が表示されます。

「あたり」だったら、この座席の上に設置されているタワーから、おもちゃのカプセルがころころとひとつ落ちてきます。カプセルの中に何が入っているかは開けてからのお楽しみです。

という流れになっています。

ビッくらポンのスゴいところ

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ではいったい「ビッくらポン!」の何がスゴいのでしょうか

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ビッくらポンのスゴいところ その1

片づけの手間が省ける!

通常、セルフサービスではないレストランでは、食べ終わった食器を片づけるのは店員の仕事です。
テーブルに備えつけられた回収ポケットに、客が自ら皿をガンガン放り込んでくれますので、片づけをする店員の人件費を減らすことができます。

1つめ。
片付けの手間が省けます。

混雑時の行列に並んでいるときに、明らかにもう空いているテーブルはあるのに、片付けが済んでいないために待つことってありませんか?
「ビッくらポン!」だと、客が自らすすんで回収ポケットにお皿を入れていってくれるので、店員がするのは残った小物の片付けや拭き掃除くらいです。

片付けにかかる店員の人件費を抑えることができますし、早く片付けが済むので、それだけ次の客を早く席にとおすことができ、回転率も上がります。

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ビッくらポンのスゴいところ その2

自動で正確に集計!

回転寿司でよくあるのが、食後に積み上げられた皿を、店員が種類(プライスラインで色を変えてある)ごとに数え、金額を算出する方法です。
回収ポケットに放り込まれた枚数は自動で集計されるので、食べ終わったときにはもう金額がわかります。数え間違いもありません。
ここでも数える店員の人件費を減らすことができます。

つづいて2つめ。
回収ポケットでお皿の数をカウントするので、自動で集計できます。

よくあるのが、食べ終わった後にテーブルに積み上げられたお皿を、店員が目視で数えて金額を計算するやりかたですね。赤のものは100円、青のものは200円、ゴールドのは600円、など金額ごとにお皿の色などが変えてあって、それぞれの枚数を数えます。

「ビッくらポン!」だと集計ミスも起こりにくいし、食べ終わった時にはすぐに金額がわかります。もちろん食べている途中でも、いまいくらになっているかなーと確認できます。

ひとつめのスゴいところと同様、ここでも数える店員の人件費を省くことができます。

ところで、一体として提供していたサービスの構成要素の一部を外部化してコストを削減するというのは、ほかの業態でも見られます。
例えばIKEA。倉庫からのピックアップや家具の組み立てといった、事業者側が提供していた部分を客自身に分担してもらうカルチャーを作り上げることでコストを抑え、そのぶん安い金額で商品やサービスを提供するとに成功しています。

スライド16

ビッくらポンのスゴいところ その3

「もう1品」で客単価アップ!

ゲームに挑戦できるのは“5枚ごと”です。
放り込んだ皿の端数が4枚だったら、「もう1つなにか頼もうかな」と、 “キリのいい”品数まで注文を増やす誘因となり、客単価が上がりやすくなっています。
注文しやすい110円の商品や食後のデザートも豊富です。

それから3つめ。
客単価アップのための「もう1品」

ゲームに挑戦できるのが「5枚ごと」っていうのが、けっこう絶妙なんじゃないでしょうか。投入済みのお皿の枚数が13枚で、ワサビやガリをよそうのに使ったのが手元に1枚ある、とかだったら、「あと1枚でもう1回できるのか…だったらなにか頼もうかな」となりそうですよね。注文が増えて、客単価が上がりやすくなっています。ちょうど注文しやすい110円の商品や食後のデザートも豊富です。

店員のほうから「なにかデザートなどいかがですか、一緒にコーヒーもお持ちいたしましょうか」なんてすすめなくても、“キリのいい”枚数まで、客が自ら、注文するもの(本来は要らなかったかもしれない)を探そうとしはじめるんです。

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ビッくらポンのスゴいところ その4

家族連れがリピートする!

とくに小さな子どものいる家庭にとって、外食先の店選びはかなり子どもドリヴンです。
ビッくらポン!はスキルが必要なゲームではないので、子どもが楽しめます。射幸性もあります。
子どもが来たがれば客の胃袋の数は親のぶんもです。客数・頻度もアップする。サイフは親ですが、親を射んとせば先ず子のハートを射よ、です。

さらに、4つめ。
家族連れがリピートする動機になります。

小さいお子さんがいるご家庭のかたなんかは共感してもらえると思うんですが、週末なんかの外食先のお店選びの基準は、どうしても子ども中心になります。子どもが少しくらい騒がしくても大目にみてくれそうな店、ということもありますし、なにより子どもが行きたがらないところに行くことはありません。

「ビッくらポン!」はスキルが必要なゲームではない、というか“ゲーム”とはうたっていますが、実際のところはただのくじなので、小さな子どもでも楽しめます。ギャンブル的にムキにさせる射幸性もあります。

子どもが行きたいといったら当然保護者もついてきますので、客数は家族ぶんです。また行きたいと言えば頻度もアップします。“親のサイフを射んとせば先ず子のハートを射よ”ということですね。

だいたいですね、子どもはちゃちなおもちゃごときでかんたんにハートを射られすぎです(そのくせ帰ったらそのおもちゃには見向きもしなかったりします)、もう。

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ビッくらポンのスゴいところ その5

バズって宣伝になる!

ビッくらポン!の景品で何をもらったか、人気のマンガとコラボした限定グッズがどんなものか、SNSなどでたびたび話題になります。
ソーシャルでの高い宣伝効果を狙えます。

なんと! まだある、5つめ。
バズって宣伝になる。

人気マンガとのコラボ企画などもある、と先に言いましたけども「こんなのが出てきた!」と写真や動画をアップしたSNSの投稿をたくさん見つけることができます。客がソーシャルで勝手に宣伝してくれています。

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客に仕事を分担させることでコストを抑え、 
でもお願いじゃなくて客が自らそれを喜んでやるようにして、
さらに販売促進と宣伝も。

なかなかうまく行動をデザインしたしくみではないでしょうか

いかがでしょうか。

客に仕事を分担してもらってコストを抑える、さらに販売促進と宣伝活動も。それも強制やお願いをするのではなくて、客が自ら率先してそれをやるように仕向けるなんて、巧妙ですよね。

人の行動を、そうして欲しいほうに自然と促して誘導する、なかなかうまくできたしくみと言えるのではないでしょうか。

スライド20

ちなみにくら寿司は、店舗によるみたいですが、そのほかスマートフォンでの来店予約や、セルフ案内、自身のスマートフォンからのモバイルオーダー、セルフ会計など、いろいろタッチレス/店員レスを促進するスシテック(フードテック)を導入しています。このセルフ案内のタッチパネルはタッチしなくていいんだとか。なんだか変な言い方ですが、直接接触しなくて少し浮かせた状態で操作できるようです。

このサービスをもっと良くする担当に自分がなったとしたら?

スライド21

では、このサービスをもっと良くする担当者に自分がアサインされたら…
他のデバイスやシステムと組み合わせたソリューションとしてはおいておいて、「ビッくらポン!」単体でかんがえてみました。

スライド22

現在もの足りないと思うところ

ゲームと言っても操作することはなく、短いアニメーションが流れたあとで“あたり”か“はずれ”が表示されるだけなので、正直つまらない。

1回ごとで完結するものなので、何度も(なんならまた来店して次回も)挑戦してみようという動機づけにはなりにくい(コラボグッズをコレクションしたいようなのはべつとして)

正直、現在の状態では物足りないなーと思うところ。

“ゲーム”とはいっても実態はただのくじなので、それ自体が面白いわけじゃないですし、何回かやったら飽きてきます。小さな子どもはムキになったりはしますが、べつに「面白い」ってわけじゃないんだと思うんですよね…

それから、ゲームは1回ごとで完結するもので、次の挑戦となにかつながりがあるわけではありません。続けて、つなげて楽しんだり、集めたりしたいといった、何度も挑戦してみようという動機づけにはなりにくいかなーと思います。人気マンガなどとのコラボグッズをコレクションしたいというようなのは別であるかもしれませんが、正直グッズもそこまでリッパなものでもなく…(予算の制約とかいろいろあるでしょうけども)

ということで、たとえばこういうのはどうでしょう?

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こういうのは?

5枚投入するたびに…

ストーリームービーの続きが観られる(続きが気になる! でも毎回ちゃんとヤマがある)

ショートコメディ作品がランダムに流れる
(他のネタも観たい!)

新しい手がかりをもらえる推理ゲームになっている(けっこう入店待ちが長いので待合スペースやスマートフォンでゲームの謎かけ導入部分が観られる)

座席のタッチディスプレイで再生されるショートムービーが、5枚入れるごとに続きが見られるストーリー仕立てのものになっている…とか

続きが気になるからもう1回!
でも1回ごとでもそれなりに楽しめるヤマ場があるような… 「ビッくらポン!」発のヒット作品なんかが出てきたりしたら面白いかもしれません。

それから、

5枚入れるたびにランダムでショートコメディ作品が再生される…とか

なにコレ! 面白い ほかのも観たい!
タイトルリストはあらかじめ公開されていて、そのうちどれが再生されるかはその時ごとのランダム。リストではその存在だけが記されているシークレットタイトルなんかもあると、コレクション心を刺激するかもしれません。

さらに、こんなのはどうでしょう?

5枚ごとに新しい手がかりがもらえる推理ゲームになっている…とか

ちょうどいま(2021年3月当時)、『名探偵コナン』の新作映画とコラボをしています。登場キャラクターのグッズが景品になっているだけなんですが、どうせだったら「江戸川コナンに挑戦!」的な謎解きゲームみたいになっていたら面白いかな、と。

くら寿司、とても人気なのでけっこう入店待ち時間があります。待っている間はだいたいスマートフォンで何かしてますから、待合スペースのディスプレイや、スマートフォンでゲームの導入部分の謎かけをムービーで流しておいて、いざ順番が来て席に案内されたらゲームをスタート。ビッくらポン!で手がかりを得ながら謎を解いていく…みたいな。

ちょっと小さい子どもには難しそうなので、通常の景品のビッくらポン!とどちらか選べるようになっていてもいいかもしれません。

あるいは、ここをひとつの放送枠として捉えると、いろいろと展開ができるかもしれません。子どもに人気のYoutubeによるお食事マナー講座動画とクイズ、とか。

スライド24

以上で発表をおわります。ありがとうございました。

みなさんも近くにくら寿司があったら、ぜひ「ビッくらポン!」やってみてください。

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こんな内容の発表でした。みんなそれぞれの視点で面白いサービスを見つけて発表してくれるので、とても刺激になります。


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くら寿司 オフィシャルWebサイト

画像をお借りしました
「銀座久兵衛」Webサイト
YouTube きよたく
神楽坂deかぐらむら

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