新潟県 縄文土器先生に会って来た
新潟県唯一の国宝
我が家の朝は、必ずNHK教育テレビ・Eテレで始まる。
最近のお気に入りは、『MIXびじゅチューン』という番組で、始まると朝の用事もいったん手を止め、TVの前に座り込む。国宝級の美術作品を独特の手法で紹介、ユニークでわかりやすく、堅苦しい解説は抜きに、気軽に観に行こうと思わせてくれる。番組MCの《縄文土器先生》も大好きなキャラ。
ある日、この《縄文土器先生》のモデルになった【火焔型土器】の紹介があった。収蔵先は《十日町市博物館》とある。
「え? とおかまち、十日市町?、十日町いち…ってどこ!?」と調べることから、「ようし、行って見よう!!」となった。
正確に十日町市(とおかまちし)と読めるようになるのに少々てこずった。
新潟県なんだ…越後湯沢の駅には降りたことがある。学生時代に旅行するとよく乗換駅として通った糸魚川も新潟県。そして、次回は行ってみたい佐渡ヶ島。ただ、『新潟』ときいてまず思いつくのは《こしひかり》ですかねぇ(≧◇≦)
調べると、この【火焔型土器】が、県内唯一の国宝なんですって!
《縄文土器先生》は新潟県のヒーローなんだな。
あったかいご飯を想像してしまう ほくほく線
十日町市に行こうとすると、JR飯山線と、北越急行ほくほく線の二つの駅が出て来る。新潟⇒おいしいお米⇒あったかいご飯🍚 と想像してしまう私としては、ここはどうしても『ほくほく線』なるものに乗ってみたい。
という訳で、越後湯沢駅からほくほく線の乗り場を探す。
すると…
あらら!何やらこの沿線で、ARTのイベントをやっているのね!?(このバナーを見るまで知らなかった💦)
そして乗り換えのホームはこちら。
柱にある時刻表によると、そんなに本数は多くは無い。でも、せっかくの出会いなので、【大地の芸術祭】にも行って見よう。
調べると、十日町駅のもう一つ先、まつだい駅に『農舞台』があり、いくつかの作品展示が見られそう。そして、地元食材をふんだんに活かした《里山食堂》なるものも😍
いそいそと列車に乗り込み、しばらく走るとこんな看板が目に入った。
「え、え、この列車がそうなん?!」と、トンネルに入る度にドキドキわくわく(≧◇≦) うろ覚えの記憶で、トンネルの壁に何か映像が流れると思い、キョロキョロ。 「あれ?ここは何も起きなかった。じゃあ、もっと長いトンネルの中かな?」 「ここも違う。」次々とトンネルを抜け、そのうちに他の乗客も全く知らんぷりの様子なので、「あれー、やっぱり勘違いだったのかな。」
調べて納得。シアター・トレイン【ゆめぞら】は、毎週日曜日に4本。そして2両編成のうち赤いラインの車両のみ、天井にCG映像が広がって、「うわぁ~」となるらしい。残念。
シアターは見られなかったが、沿線にひろがる田園風景は美しかった。
まさかここで草間彌生作品に出会えるとは
まつだい『農舞台(たぶん能舞台の引掛け)』の周辺には、周辺の棚田を活かしたアート作品が多数。
この『農舞台』の周りだけでもかなりの数の作品が見られたが、この芸術祭の会場はとにかく広範囲に渡っていた。
この赤とんぼ辺りの一帯が、『農舞台』エリアとは別の『赤トンボエリア』になっているのだが、それらを併せても、会場の六分の一ぐらい。作品を巡るスタンプラリーもやっていたが、全てを見ようと思うと、とても一日や二日で回り切れないのではないかしら?そして、かなりの健脚が必要。
私は、恐らく頭の部分だけ見えているのであろう赤とんぼ作品を、遠目に拝むだけで駅に戻った。
今年9回目を迎えるこの【大地の芸術祭~越後妻有アートトリエンナーレ】は、秋までやっている。ART好きの友人たちにぜひ教えてあげたい。
本日のメイン 《縄文土器先生》に会いに行かなきゃ!
先月が長文だったので、今月はさくっと写真も少なめに、と思っていたのに、思わぬ寄り道で時間とスペースを割いてしまった。でもそれも嬉し愉し。
本数の限られた《ほくほく線》列車に飛び乗り、いよいよ十日町駅へ。
JR飯山線とは改札も一緒。駅の案内所で街中の地図をもらい、博物館を目指す。
教えられた道を行くとすぐ、きれいに整備された《十日町市緑道》に行き当たり、道脇に置かれている数々のモニュメントも気になりながら、帰りの電車時刻が気になって急ぎ足で通り過ぎる。案内標識もあって、10分ほどで迷わず博物館に着いた。
そしてまたラッキーなことに、夏季企画展として【すべて見せます!国宝の土器】をやっていて、普段は、国宝の土器を入れ替えながら、その一部のみを常設展示しているのだそうだ。
ここへ着くまで、私の認識は、「国宝の火焔型土器はたった一つ」と思い込んでいた。ところが実際には、火焔型土器を含む笹山遺跡出土の57点と付属の出土品が国宝だと知ってびっくり! でもやっぱりひと際形よく整っていて、細かな文様を携えたコレが《縄文土器先生》だと思う。
火焔型土器の3D映像をクルクルと回転させて、中や底面も見られるようになっていて面白い。博物館のHPでもできるのかな。
また、この地域の冬の厳しい暮らし、暴れ川といわれる信濃川との共生などの紹介もされている。《世界有数の豪雪地帯》だそう。
雪国ならではの自然豊かな暮らしぶりもある。
世界中から、アート作家が集まるのも、その自然に魅力を感じるからこそだろう。
グッズ売り場には、火焔型土器のレプリカや模ったペンダント、土器文様の靴下などが売られていた。無難なところで、クリアファイルと絵葉書、土偶柄の手ぬぐいを購入。
まだ他にも見たい、行きたいところはあったが、お天気も怪しくなってきた。今回は日帰り(先月は先月は2泊したし、今回お盆のハイシーズンでお宿も取れない)、電車を逃すと帰れなくなるのと、どうやら越後湯沢辺りは雷雨になっているらしい。十日町駅へと急ぐ。
駅に着くと、「ほくほく線は、雨のため遅れております」とのアナウンス。仕方なく駅構内をウロウロしていたら、案内所にタペストリーのように掛けられている手ぬぐいが素敵すぎて!! 黒地に縄文土器先生のお姿がキラキラとラメ風に輝いており。思わずまた、もう一枚買ってしまった。
30分遅れ、と言っていたのが、結局、一時間ほど遅れたが、越後湯沢まで着いたら、まだ新幹線は大丈夫。以前来た時の記憶をたよりに、手打ちそばを食し、魚沼産コシヒカリと小さめの日本酒をお土産に。購入前の利き酒で良い気分で帰路に就いた。
まつだい農舞台の里山食堂にて
別注文した紫蘇ジュースも、食後に飲んだ〈さと雪のさるなしジュース〉も美味しかった! 〈さるなし〉は、キウイみたいな味でした。
令和6年 8月の旅。