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Rー18 転生してバリカンになった女の話(第3話)

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〜2月22日 11:00

第3話 暗殺者サリバンの末路

この作品は過激な描写を含んでいるのでRー18でお願いします。
シリーズものですが、作品単体でストーリーを完結させているので、お楽しみいただけます。

§1  欲求不満

ひとことで言うと欲求不満である
ヒュウの時もミランの時もあともうちょっとで髪を全部剃り上げることができたのに
2人ともちょっとだけ髪を残した状態で電源が落とされて私の役目は終わり

なんで全部やらせてくれないのよ?
カミナキは剃髪より相手の心を砕くことに強い興味を持っているようだ。
そこらへんで彼女の性癖と一致しない。
私はバリカンの外に出て自分の姿(バリカン)を見渡した

(いかついなぁ私って...)

カミナキの小さな手のひらでは少し持て余すくらいの太さと長さだ。
黒光りする漆黒のボディには大きくて赤い魔石が埋め込まれている。

そして女たちの髪を刈り取る刃先。
銀色に光る小さなギザギザの刃が鈍く輝いている。
(あぁ…ここが一番私が感じちゃう部分…)
バリカンの自分にとって、刃先は性感帯。
擦れ合う刃先、髪を切り裂く感触…人間だった時よりもすごく感じちゃう。

女たちの髪を問答無用で刈り取っていくあの興奮が蘇ってきた。
すごくエッチな気分になってくる。

(あーんたまんない)

早く仕事という名の快楽を得たいと思っていた頃

「バリ子ちゃんこんにちはー❤️」
カミナキがやってきた。

「バリ子ちゃんって完璧主義だから髪の毛のちょっと残しって嫌なんだ?」

彼女は私の心を読める。

「そうよ?あんたみたいに中途半端に残して相手の心を折るなんて趣味ないの」
恥ずかしくて私は反抗するように答える。

「そう。あんたもなかなかねぇ…わかったわ。次の女はご希望に沿ってぜーんぶツルツルにしちゃいましょうね❤️ だけどその前に、少しだけメンテナンスをさせてね」

カミナキは私をテーブルに置くと魔法陣を展開して

「ahdieniiikkk......gaywjsjshhhh.....」と呪文を唱えた。

すると私の身体の魔石が鈍く輝き、ふわっと少し身体が軽くなった。
私は魔石から顔を出して全身を確かめてみたけど、何も変わらない。

「カミナキ。私に何か変なことしたでしょ?」
ドSの彼女のことだから私にとんでもないいたずらをしていても不思議ではない。

「うん?何をしたかは教えないわ。後でのお楽しみ❤️」

彼女はこの仕事を心から楽しんでいる。
まだ20歳にも届いていないのに大したタマだ。

白装束にダイヤモンドのような魔石をあしらった銀色のティアラを身につけて、カミナキが玉座に座ると、程なくして魔法陣が現れて両手を前で縛られたフード付きの黒いマントに身を包んだ女が現れた。

「あなたが暗殺者のサリバンね。こんにちは」

カミナキが挨拶をするが、サリバンという女はフードを被って下を向いたまま黙って俯いている

「黙っていちゃあ何もわからないから、とにかく顔を見せてよ」
カミナキはそう言うと

「開放」と詠唱し、サリバンの手錠を外した。

自由になったサリバンは黙ってフード付きのマントを脱いだ。
その中に着込んでいたのは全く逆の極彩色のアオザイのようなドレス。
顔を見ると、年齢はカミナキと同じくらいで目鼻立ちがしっかりした美女だ。

フードで隠れていた黒髪もパサリと垂れ落ちた。
絹のように黒くまっすぐな髪は腰に届くほどある。

「あらぁきれいな顔ねぇ❤️だけど大変なことしちゃって」

彼女は数々の要人を謎の手口で暗殺し、内乱を勃発させた罪がある。
即刻死刑でもおかしくない罪なはずだが、ここに来たのは何か理由があるのだろうか。私にはわからない。

「そんなに美人なら色仕掛けでも使ったのかと思ってたんだけど、それも違うって言うし、一体どんな魔力を使ったのかなぁ?」

カミナキも正しく彼女の犯行やスキルを十分に理解していないようだ。

「とりあえずおしゃべりしてもらえるようにいじめちゃおうかな❤️」
カミナキは私を手に抱いてサリバンに近づいた。

§2  強い匂いの正体

玉座から立ち上がってサリバンに近づくと、今まで嗅いだことのない妖しげな香りが強くなる。
サリバンがマントを脱いだ時からなんとなく匂ってきてはいたが、これは香水なのだろうか。
正直いうと苦手な類いの匂いだ。

驚くべきことだが、この世界の人たちは毎日お風呂に入る習慣がない。
だから女たちは、みな強い体臭を消すために香りに気をつけている。

神殿で働いていて、身を清めることが必須のカミナキでさえも毎日清拭はしているが、風呂には3日に1回程度しか入っていない。髪も週1程度しか洗わないようだ。
彼女も体臭をごまかすために相当気を使っている。
部屋ではいつもお香を炊いて装束や髪に香りを染みこませている。

サリバンが香りをまとわせていても別段おかしくはない
しかしかなり独特というか強烈な香りだ。

カミナキもサリバンの匂いが不快なようで、装束の袖で鼻や口を押さえながら話かけた。

「ねえ?ちょっと匂いが強すぎない?あなたそんなにお風呂に入るのが嫌いなの?」
彼女はすまして答えない

「ねえなんか動物っぽい臭いもするんだけど大丈夫?」

カミナキはデリカシーのない言葉をぶつけるが、サリバンは安い挑発だと思っているのか全く反応しない。
ただ実際に、カミナキが言う通り香水の匂いの隙間からサリバンのかなりキツめの体臭が漂ってくる。

「とりあえずこれからあなたのご自慢の髪をぜーんぶこれで剃り落としちゃうから❤️」

そういうと、カミナキは私のスイッチをオンにしてサリバンにさらに近づいた

(長い髪を一気にツルツルにできるのはうれしいけど、この臭いはちょっと嫌だなぁ)

長い黒髪を全部剃り上げられる喜びと、彼女の体臭に躊躇を感じながら私はモーター音を鳴り響かせる

「さあ。やっちゃうわよ」カミナキがサリバンの髪に触れた時だった...

ずっと俯きがちだったサリバンが急に顔をあげて、目を大きく見開いた。
二重瞼の中にある丸い瞳は燃えるような赤に変わっている。

「そろそろ効いてきたんじゃなくって?」

とカミナキを睨みつけながら静かに言った。

カミナキは少し驚きながら、自身の違和感に気づき始める
「あら?私どうかしたかなぁ...」

彼女はバリカン(私)をギュッと握ったまま、腕をダランと下げて立ちすくんだ

サリバンが立ち上がった
サリバンはかなりの長身でスラリとしたモデルのような体型をしている

目を赤く輝かせているサリバンは
「ねえカミナキ。お前さあ。好き勝手に私の悪口言ってたねぇ?」

「あ、あら..でもあなたの体臭が臭いのはじじ、、っっz」
カミナキはボーッとし始めているが口は減らない

「うるせえっ」
上品そうなサリバンから信じられないような感情的な言葉を吐き、カミナキの鳩尾にパンチを一発見舞った

「ぶホァ」
カミナキは私を掴んだまま両ひざを付いて苦しむ

「私が気にしていることをズケズケと言ってぇ。だけどこれもワナなんだよぉ」

「ワナ?」

「この香水は臭い消しじゃない。これを嗅いだ人間は意識が朦朧として動けなくなる成分が入ってるのよ。あとは私の能力で思い通りに操るだけ。カミナキ、お前は今単に動けなくなっているんじゃなくて、私が動かないようにコントロールできるくらいまでになっていることに気が付いているか?」

カミナキはここで動けない理由を理解してハッとしたが、もう遅い

「お前が持っている神具のバリカン。私は知っているぞ。これで頭を刈ってしまうと永遠に髪が生えなくなるんだってなぁ」

「そ、それは...」

「これを使ってお前の髪を剃り上げたらどんな気分になるかなぁ?」

「。。そ、それは。。ちょっとい。。やかな」

「ハハッ。いやでもなんでもやることは変わらないけどね。聞いてみただけよ」

そう言うとサリバンはカミナキのお腹を蹴り上げた

「ウボオぇ」
可愛らしいカミナキの口から信じられないほど野太い悶えた呻き声が漏れた。

さっきのパンチよりも絶対にダメージが残りそうだ
カミナキは必死で立とうとするけど、なかなか立ち上げれない

(大丈夫?カミナキ。しっかりしてよぉ〜)
私は大ピンチのカミナキに心の中で話しかけるけど、答えが返ってこない。

「さそろそろ私の思い通りにお前の身体を支配できる頃ね?」

ぼーっとして返事もしなくなったカミナキに目を赤く輝かせてサリバンが命じた。

「カミナキィ。そのバリカンで自分の髪を剃り落とせ」と..

§3 カミナキの剃髪


ブイィィィィン....
カミナキが殴り倒されている間も私のモーターは唸り続けていた。
すっかり火照ってしまった身体。
早くサリバンの髪を刈り取ってやりたいのに、ここで突然カミナキの髪に私の刃先が向いた。

(いやだ。やめて…お願いだからぁ...)

私は必死になってサリバンに許しを乞うが、当然彼女に私の声は届かない。

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