66号線
私は、曲に対する考察というものがとても苦手である。
自分の意見が、考えが、誰かに否定されてしまったらと思ったら、と考えるとそれはそれは恐ろしいことこのうえないからである。
だけど、曲を聴いて抱いた感想を綴り置くのなら、許されるんではないか。
いや、本来許す許さないの話ではないはずだけれども。
さて、今回話をするのは【66号線】という歌である。
根強いファンが多いこの歌が【BUMP OF CHICKEN】の楽曲だとわかる方も多いと思う。
私とバンプの出会いは、ごくありふれたものなので割愛する。
ただ、思い出の曲としては【supernova】だと声を上げて言いたい。
しかし今回語るのはあくまで【66号線】だと声を大にして言いたい。
この曲を初めて聴いたとき、歌詞に触れずにはいられなかった。
そして思った。
「ああ、これは藤原さんにしか創れない歌だな。」と。
言葉の一つ一つが、すべて藤原さんに起因しているようにしか思えなかったからだ。
優しくて、暖かくて、けれどとても誰かに対する感謝の気持ちで溢れている歌だと思った。
曲を聴いて思った感想の数だけ解釈が生まれると、あるアーティストが言っていたが、それが許されるのであれば。
私にとってこの歌は、久しぶりにバンプを耳にするときの1曲目である。
どこか遠くで、なんだか不思議な感覚で
「おかえり」
が聴こえてならない。
バンプの歌には、物語がある。
現実味を帯びたもの、少しだけ非日常なもの、とても遠い国で起きた不思議なもの。
この【66号線】は
現実味を帯びているようで、どこか不思議な言葉で飾っている。
この歌を聴くたびに、こんなに誰かに対してのありがとうを抱けるだろうか。
好きでいてくれるか?と問えるだろうか。
彼はきっと真剣に尋ねたに違いない。
「それでも好きだと言ってくれますか?」と。
それでも予防線を張る辺り、やっぱり聞くのが怖いんだなと少し微笑ましく思ったのは、ここだけの話として【66号線】の感想を終えようと思う。