医療DXを深掘り!医療政策DX・医療業務DXに分けて考える。医療業務DXは自らが主導して行わなければならない!
「医療DX」他の業種より10年は遅れていると言われていますね。
これだけ生成AIが発達してきている昨今、そろそろ医療従事者は
🧑⚕️「AIを使った医療DXで、僕らの仕事が楽になるかなぁ」
なんて思っているんじゃないでしょうか。
残念
「そのままでは、楽になりません」
白馬の王子様が、現れて
🤴「お姫様。あなた達は、真摯に医療に向き合ってますね、ご褒美に医療DXをあげまあしょう。今までの働き方は変えずに、AIが魔法のようになんでもやってくれます。お給料もそのままです。いつもありがとう」
なんてなるわけがないじゃないですか!20年働き方変わってないんですよ!
PHSがスマホになった病院も多いはず。それ、電話が大きくなっただけじゃないですか?
🧑⚕️「でもでも、国としてマイナンバーカードやPHR、統一電子カルテやるって言ってるじゃん!それがきっと僕たちの仕事を楽にしてくれるはず!」
「してくれません。」
どこかに明言しているわけではありませんが、国が推し進める医療DXと、医療従事者が欲している医療DXには、明らかな違いがあることに気づくべきです
国が進めようとしている医療DXと
医療従事者が求める医療DXは、全くゴールが違う
とぼくは考察します。
今日はその話をしましょう
医療DXを「医療政策DX」、「医療業務DX」の二つに分けて考える
医療DXという、なんとなくざっくりした言葉だけが一人歩きしています。何よりも、中の医療従事者がふんわりとしか理解していないのも問題です。
二つに分けて考えてみましょう。
なんでそこで分けるのか?
マイナンバーカードの普及、デジタル処方箋その辺には、診療報酬が付きましたよね。
Web問診やAIによる診断向上のアプリにはつきませんよね。
明らかな違いがあることに気づくべきです。
「医療政策DX(国)」が推し進めているもの
まずは厚生労働省のHPから
以下、厚生労働省のHPから引用
医療DXは、医療分野でのデジタル・トランスフォーメーションを通じたサービスの効率化や質の向上により、
①国民の更なる健康増進、 ②切れ目なくより質の高い医療等の効率的な提供、③医療機関等の業務効率化、
④システム人材等の有効活用、 ⑤医療情報の二次利用の環境整備の5点の実現を目指すものであり、我が国の医療の将来を大きく切り拓いていくものです。
医療DXの実現に向け、「医療DXの推進に関する工程表」に基づき、①全国医療情報プラットフォームの創設、
②電子カルテ情報の標準化等、③診療報酬改定DXを3本の柱とし、取組を進めています。
引用ここまで
前半には、医療機関等の業務効率化とは書いてありますが、三つの柱
「全国医療情報プラットフォームの創設」
「電子カルテの標準化」
「診療報酬改定DX」
あれれー?おかしいぞ?
柱の中には、医療機関の業務効率化が入ってないではないですか。
さらに、先ほど提示した画像
「医療DXは、地域として医療情報を連携しましょう」
ですよね。
そして全体の工程表はこちら
さぁ、国が目指しているものはなんでしょうか?
そう、
医療の連携、患者情報の共有、国によるデータの集約
国は医療情報を「国が、国のために統一的に管理」するためにDXを進めている。これにより、不正受給、薬の重複、適切なレセプト管理ができる。
これを目指すのが「医療政策DX」と考えます。
もちろん、これにより患者情報の収集という意味では楽になるかもしれません(適切なUI/UXが提供されて業務が楽になるかは別の話)
「医療業務DX(医療従事者)」が求めるもの
でも、それ、実際に働く医療従事者が望んでいるDXですか?
LINEなどで電話のほぼ必要ななくなった生活、画像もすぐに共有できる。
レンタルビデオ屋はなくなり、音楽も動画もサブスクに、待ち合わせですれ違うこともなくなり、電車で切符を買うときに行き先を探すことがなくなった。手元に地図があって道案内をしてくれる。
生成AIが会話でなんでも教えてくれて、技術的な問題も大きく解決するようになってきた。
病院にPHSが導入されてから、PHSが滅びゆく現在2024年までに起こった簡単な日常生活の変化です。
時代の転換点はいくつもありました。PCの個人使用の拡大、スマホの普及。変わるためのチャンスはいっぱいありました。大きく働き方は変わりましたか?
ついに現れた「生成AI!」なんでもやってくれるんでしょ!?
なぜ、これらの便利を享受できないのか?
それは、
自分でやらないからです!
自分たちの働き方は、自分達で変えていかなければなりません。
他の業種のことはわかりませんが、DXして国がお金を渡してくれましたか?
国の主導でDXしてる業界ありますか?
DXの教育までは補助金が出ています。
それは、自分たちでやれ!というメッセージではないでしょうか?
医療補助作業員(MDC)を雇ってAI管理とかやらせたらいいんじゃない?
医療の最大の問題は、効率化しても収益を大幅に増やすことができないことです。診療報酬によりメニューの値段が決まっている上に、光熱費などの固定費は物価上昇でどんどん上がります。できるとすれば、人件費の削減になります。
病院の出費の50−60%は人件費です。これらは、仕方がないのでしょうか?
看護師は必要度のために数を揃えなければなりません。
医師はキャッシュポイントなので、大きく削ることはできない。
医療業務DXの先にあるのが、病院の財政改善であるならば、AIが仕事を奪う先は、事務員の削減につながることが最終的なゴールになるかもしれません。
そうすると、医療事務にタスクシフトは今後は困難になってるでしょう。
物価上昇に見合わない医療の収益低下に対して、給料が安い事務員が募集に来ない、そもそも削減対象になってきます。
ますます雑用が、医師・看護師の仕事となっていくのは目に見えてますね。
少なくとも、地方の赤字公立病院にはその未来しかないですよ
白馬の王子なんて来ない。魔王の城からの脱出は、自分で魔王を倒す手段を見つけることから
国は別に医療従事者の働き方がどうなってもいいと思っています(憶測)。
医師の働き方改革をみてもわかるでしょう。
自分たちの働き方は自分たちで変える。
👸「僕たち頑張ってきた。医療だけ真摯にやってきた。だからそれ以外の業務は誰かが代わりに僕たちが働きやすいように作ってくれる」
と白馬の王子様が颯爽と現れて、救ってくれると思ませんか?
その上、王子様が持ってきた果実(医療DX業者のソリューション)を口に合わないと投げ捨ててませんか?
もちろん、ダメなソリューションもありますが、その前に自分たちがどうしたら業務改善できるかを定義できなければ、
何をやっても「おいしくない」
って答えになりますよね。
「なんで僕たちのことわかってくれないの!?」
いや、あなた達自分たちのどこがまずいか、何を求めているか説明できてますか?
「辛いものが食べたい」だけ要求したら、
麻婆豆腐や、トムヤムクンが出てくるあもしれません
本当はカレーが食べたいのに。
自分たちの働きのどこに、何を変えたいか。具体的なイメージができなければならないのです。
要件定義ができないから、中途半端なものを導入し、コストと手間だけ増える。結局役に立たない。となっているもの、病院にたくさんありますよね。
真に働き方を変えたいのであれば、
「魔王をグーパンで殴れる姫」(AIを使った業務改善を自ら行う)
にならないといけません。
それはいいすぎか。
「どうやったら倒せるか説明できる姫」(具体的な要件定義ができる)
になりましょう。
白馬の王子様が来た時に倒せるように。
なぜなら、働き方を知っているのは自分たちだけだからね。
生成AIでなんでも作れるようになった今こそ、簡単なプロトタイプは自分で作れて、さらに実際の現場で試す、PDCA回すことができるのです。
さぁ、今からやろう!
自分達主導の医療業務DXを成し遂げるために。