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SUNABACO DX人材育成講座 第4回「データの取り扱いとEBPM」

🧑‍⚕️「データだけはあるんで、それでなんとかできないですか?」
平手打ちしてよし!

意図を持って収集していないデータには意味がない!

今回はデータの取り扱いとEBPM(Evidence Based Policy Making)
EvidenceーBasedって、我々医療従事者はよく聞く言葉ですね。EBM(Evidence-Based Medicine)ってやつです。

EBPMは
政策の企画立案に際して、経験や直感ではなく、データや合理的根拠(エビデンス)に基づいて行うものです

政策に限らず「意思決定」には経験や直感ではなく「データによる合理的根拠」が必要

「お気持ち」「私の経験」でやることに警鐘を鳴らし、確実なデータをとって「意思決定」するお話


如何にソリューションを使ってもらうかを評価する→AARRRモデル

質問:サービスを作るときに、入り口、継続それぞれでインターフェイスやプロダクトを切り替えた方がいいのか?

AARRRモデルを考えよう。
獲得(Acquistion):そのソリューションを知る
活性化(Activation):入り口で購買してもらう
継続(Retention):継続的に受けると得するような方法を
紹介(Referral):紹介率はどこでか?
収益(Revenue):それがどれくらい収益になるのか?

どこにボトルネックがあるかを考える必要がある。
場合によっては、それぞれのフェイズによる評価や、サービスの見え方の違うものを考える。

デザインの敗北

ユーザー体験を無視したデザイン。デザインがうまくいかずに、どのボタンを押していいかわからない→結果テプラで追加ボタンを必要としてしまう。

デザイン思考とは、「相手が望んでいるものが何か」を洗い出し、それを解決するために、自然と本人が行動してしまうようなデザインをすること。

EBPM DXとその先

VUCAの時代。人口減少もあり、今までと同じことをしていては、正比例の成長は見込めない。より計画的に成長するように、高い確率で効果のある施策を行うには「データに依存した」意思決定が必要となる。

ヒューリスティックによる意思決定から、
現実に即した合理性のある意思決定へ

📡ヒューリスティック
経験則や先入観に基づいて直感的に正解に近い解をえる思考法や手法
事実に基づかない、認知の歪みがあり、思い込みの原因になる

<バットボール問題>
バットとボール合わせて1万1千円ですバットはボールより1万円高いです。ボールはいくらですか?
ぱっと見経験則で1000円と答えたくなるが、実は計算すると・・・
バット10500円、ボール500円となる

ヒューリスティックが悪いわけではないが、合理的な判断が必要な場合がある。

EBPM (証拠に基づく政策立案)

因果関係をちゃんと推論しましょうという話

ゴミ集積所に不法投棄で困っている
隣町では不法投棄のゴミ集積所にライトが設置されている
→ライトを設置すれば、ゴミの不法投棄がなくなるのか?
よくよく調査すると、隣町はゴミの不法投棄を防ぐための活動が活発で、積極的に広報していた。その一環としてのライト設置だった?
どれが、最終アウトカムに影響しているかの因果関係を推論すべき

因果関係なのか、相関関係なのかしっかり判断するには、現場の意見も重要になってくる。

この辺は医療でもよく議論されるところですよねー
偶然の一致か、因果関係があるのか。現場の肌感あって初めて相関関係が因果になる。大規模データで相関関係だけだし、因果がある!ってデータ屋が一時期流行りましたね(最近は動向を見ていないので、どうなっているかは分かりませんが)

ニコラ・スケイジの映画出演数が増えると、プールで溺死者が増える

相関関係と因果関係はしっかりと区別しなければならない
マスコミの凶悪犯罪者がアニメ好きだった!
アニメを見るのは凶悪犯罪者の予備軍だ!
って昔言ってたやつですねぇ

因果関係なのか!
相関関係なのか!
RCTを用いて判断する!

RCTは簡単にできる!

Amazonの商品購入画面を比較している画像
同じタイミング、同じ商品の画像。デザインが違うのはどうして?

AmazonがAB比較実験をしている。
どちらのデザインが、より購買を誘うかをRCTしている。

デジタル業界TwiterやSlackでも行われている。別アカウントで見たら違う見た目をしていることがある。
実験しながら、それをより良い結果が出るように「データをとる」RCT手法。

医療業界でRCTというとデザインとかめっちゃ準備して、ヨーイドンするけど、結構欠落データでて大変なイメージだったが、デジタル業界では日常的に行われている模様。
同じ個人情報を扱う業界として、この違いはどこにあるのか?
根深い問題がありそうだな。という感想。

アメリカの大統領選でも!RCT!

バラクオバマは寄付金を集めるメールマガジンの表紙でABテストを行った。
異なる表紙
異なるボタン
動画の切り抜き

などいくつかのパターンを準備し、どの表紙やどのボタンの時に最も寄付をしてくれるか調査した。

専門家は「カラフルである」「動画がある」「オバマの勢いのある」表紙が最も効果があるのではないかと予想したが
統計学的に問題ない数まで実験した結果・・・

このシンプルな家族写真。Lern Moreのボタンが最も効果的であったとデータが示した。

どんな専門家のヒューリスティックな意見よりも「データ」が、結果を出した。

元のデザインと比較して、

メール登録者1.4倍
メール会員数288万人
寄付金6000万ドル増えた

とりあえず小さく出す→そこからデータを拾ってくる→どう言ったものが必要かデータに基づくエビデンスを出す!

僕の作ったアプリは、業務改善ツールではあるが、データの蓄積ができていない!(ヤバイ)
これでは、データに基づいた改善ができない。
ということに気がついた。そういう背景のサービスばかりが慰労従事者の手元にある。
医療業界は自分の仕事量や質の定量化がなされなさすぎる。そのデータを確実に取れる、かつ「業務改善になる」を両立するサービスの準備が必要。

WebサイトのABテスト(RCT)を無料でできるサイト

コピーライトを何パターンか作ってどれが一番アクセス数が多いかを比較すすることができる。どのパターンが優位なのか評価して教えてくれる。

ヒートマップや、マウスの動きなどを追跡することでそこを見ながらABテストをすることもできる!

「意思決定」とは何か?

データをとってくることができるのはわかった。データが大事だってこともわかった。
それでは、そのデータをどのように「意思決定」に使うのか?

【意思決定】
ある目的を達成するために、複数の選択可能な代替的な手段の中から、最適なものを選ぶこと。

広辞苑
エビデンスベースの意思決定とは!

選択するには基準(データ)がある
選択の基準を可視化し、数式化して比較検討する
データをもとに因果関係を明らかにする
「誰がやっても同じ結果を出す」

人間(経験値)が出すより高い精度で結果を出すことができる。

エビデンスベースの意思決定ができることにより、業務の属人化を減らすことができる!(新人でもAIでもできる)

最終目的は「意思決定」の改善である
思いつきのアイデアはヒューリスティックになりがち

例:地方の人口減を止めるにはどうしたら良いのか?


出生率を上げる政策が大事?出生するとお金をあげる?
女性の流出が直結するとのデータがある。
では女性の流出を止めるには?
データを調べてみると、「地方の賃金が上がる」が最も因果関係が強い

データに基づいた「意思決定」!

EBPM=定量的なデータ・ドリブン+定性的な調査と分析

オープンデータ:公表されている公的なデータ
ビッグデータ:パソコンやスマートフォンなどのデバイスから得られる膨大な情報で、従来のデータベース管理システムでは記録・保管・解析が難しいデータ
パーソナルデータ:個人情報、iPhoneなどにあなたの行動が蓄積されている、パーソナルデータがあれば、よりあなたにフィットするソリューションを準備できる

データを掛け合わせて考えることが必要なのだが!
その実は!データはサイロ状になっていることが多い(残念)

サイロ:デジタルデータをそれぞれ独立して立っている状態、統合的に扱うことができない
サイロごとに収集の仕方すら違うので、それを統合することができない。

病院ごと、それぞれの科ごと、職種ごと
同じデータである可能性もあるのに、サイロ状に情報収集しているから、情報収集の重複や無駄が大量に発生し、さらに横のつながりもないという・・・(よくみるやつ)

「すぐ作れる」→「すぐ潰せる」


サービスは思った以上に早く使われなくなる。
しかしデータは価値が残る。

それをもとに新しいサービスを提供する

最後に

「簡単に作る」「簡単に潰す」
そして、そこにデータが残る。その結果
EBPM:データに基づいた「意思決定」により新しい「価値創造」ができること
業務改善により、機械に任せる仕事が増える。
最終的に人の手が空くようになり、「可処分時間」が獲得され、次の新しい「価値」を生み出すサイクルになる。

受講しての感想

EBPMを考える。
今まで僕が作っていたサービスはただの業務改善(独りよがり)だった😭。独りよがりかもしれないが、周りの人間には刺さって見てもらうことができていた(これは少しの因果関係がある)。
今後おそらく「簡単に潰す」フェーズがくる。その時に「データが残り」次のサービスを作るときの指標になるようなソリューションに形を変えられるような準備が必要。

AIを用いることで、簡単にサービスが作れる。その先AIを用いたデータマネージメントができれば、次の新たなサービスで求められるデザインを考えられるようになる!



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