救急医療の逼迫から、医療従事者自ら立ち上がれ!AI音声入力アプリで救急医療DX!
「救急最前線の救急医が、救急外来で使うAI音声入力アプリを自分で作る。
そういう物語」
深夜、救急車のサイレンが鳴り響く。しかし、その先にはもう適切な病院がないかもしれない。これが日本の救急医療の今の姿です。
コロナ禍を経て一時的に減少した救急搬送件数は、再び増加の一途に逆戻りしています。毎日のように「搬送困難」や「たらい回し」の事案が報告され、救急医療システムはもうすでに限界近い。
さらに、医師の働き方改革や、急性期病院を限定するような診療報酬改定が重なり、ますます救急を支える環境は悪化してきている。
働き方を変えていかなければ、今の救急のままでは、「救急患者」「救急医療従事者」共に沈んでいく可能性が高い。
「変わらなければ、生き残れない!」
日本の救急医療はもう崖っぷち
総務省令和5年のデータを見てみましょう。救急隊が患者に接触してから病院収容までの時間は年々延長しています。
現場到着の所要時間が増えているのは、もうすでに救急搬送件数に対する救急車の数が足りていないため、すぐに出動できていないということです。
病院収容所要時間が延長しているのは、受け入れ病院を探すのに時間がかかっている現実に他ならないのです。
「救急搬送困難事案」とは、救急隊による「医療機関への受入れ照会回数4回以上」 かつ「現場滞在時間30分以上」と定義されています。
救急隊が病院を選定するときに、受け入れ先がすぐに見つからない指標にもなります。
これもコロナの流行により上下はありますが、右肩上がりに増加しています。
以下は病院が救急搬送受けれに至らなかった理由の詳細です。
受け入れ困難のトップ3は「処置困難」「ベッド満床」「手術中・患者対応中」です。
「処置困難」は当直医が別患者を対応中もしくは、対応するための病院のリソースが足りないという状態です。
「ベッド満床」に関しては、いくつかの解釈があります。
病院全体の「ベッド満床」であれば、業務の安全性がたもてないので、入院する可能性のある患者を受け入れることができません。
実は、その地域の事情や季節にもよりますが、病院全体のベッドが満床になることはあまり多くありません。
その疾患の主治医科になる対象のベッドがない
救急外来で処置、観察するベッドがない
発熱患者を隔離するベッドがない
なども全部まとめて「ベッド満床」と表現されています。
さらに3番めの「手術中・患者対応中」こちらは、実際に手術中では患者を受け入れることができませんが、患者対応中に関しては、診療を担当する医師のキャパシティがあります。
一度に救急車を一台しか診れない医師もいれば、複数同時に見ることができる医師もいます。
いずれにしても一人の患者を診るために必要な時間の効率化が重要です。
なんか似たような内容が被って表現されていますね。
実際中身を詳しく精査した報告はありませんが、要するにこのトップ3は「普段は診れるんだけど、今診れない」といった表現と考えられます。
救急医療の逼迫を解決するために、業務を効率化することで、ここのキャパシティに切り込む必要がある。
ワークフローを見直して、業務を効率化することで、この「処置中」「ベッド満床(救急外来の)」「患者対応中」を減らすことはできないだろうか?
効率よく患者を診療することで、新たな患者受け入れが可能になるのではないでしょうか?
働き方改革と診療報酬改定で、救急をがんばれる病院が減る
救急搬送困難例の増加に加えて、さらに追い打ちをかけるのは「医師の働き方改革」と「診療報酬改定」という二つの大きな変更です。
「医師の働き方改革」により、これまで当たり前のように行われてきた36時間連続勤務などの過酷な労働環境が法律上不可能となりました。
この改革自体は医療従事者の健康を守る上で重要ですが、その影響は計り知れません。
夜間救急の受け入れ体制を維持できる病院が激減してきているのです。
さらに追い打ちをかけるのが、2024年の診療報酬改定。この改定で急性期病院の要件が厳格化され、多くの病院が急性期医療のためのリソースを準備できなくなってきています。
厚生労働省は、急性期のベッドが余剰し、非効率に分散していると以前から指摘しており、財政的な観点から病院の機能集約を推し進めようとしているのです。
集約化がもたらす矛盾:患者が集中する「医療の戦場化」
この流れは、今後診療報酬改定を通じた急性期病院の選別と、病院の統廃合へと向かいます。その結果、夜間・時間外の救急医療はますます一部の大規模病院に集約されることになるでしょう。
しかし、この集約化は新たな問題を生み出します。限られた病院にのみ患者が集中することで、それらの病院は極度の過負荷状態に陥ってしまうのです。
「ここしか受け入れ可能な病院がない」にもかかわらず、「忙しすぎて対応できない」という矛盾した状況が各地で発生してくるのは間違いありません。
集約化の先にあるのは、集約化された病院の「戦場化」に他なりません。
待ったなしの危機:解決への道のりは険しい
業務効率化、働き方改革、救急搬送の増加。
これらの要因が複雑に絡み合い、今後日本の救急医療は未曾有の危機に直面していきます。
集約化という「解決策」が、皮肉にも新たな問題を生み出すという悪循環に陥ると思います。
この危機的状況を打開する道のりはかなり険しいと思います。
単なる制度の微調整や、局所的な対策では太刀打ちできないでしょう。
抜本的な医療体制の見直し、テクノロジーの積極的活用、そして何より医療に対する社会全体での問題意識の共有が不可欠ではないでしょうか。
医療従事者は、働き方を変えなければならない
驚くべきことに、多くの病院ではいまだに旧態依然とした業務環境が続いています。
例えば:
連絡手段の主力はいまだにPHS、チャットは使用不能
複写式の紙伝票が現役で大活躍
ネットでの情報共有が制限されている
救急外来のワークフローは、電子カルテのオーダリングが導入された20年前とほとんど変わっていない
この状況を打破し、一人一人の生産性を向上させるためには、医療DXは不可欠です。
しかし、現実問題は、その制約よりも医療従事者の「変わりたくない」「変わりたくないけど楽になりたい」という矛盾で自ら首を絞めているという現実があります。
結果的には新しい働き方に変わることができずに、人海戦術に頼らざる終えなくなり、その作戦はすでに限界を超えています。
さらに、与えられた働き方しか知らない医療従事者は、医療DXベンダーの言いなりで、本当に必要な改革を自分で考えることができなません。(医療知識とケアに全振りしているので、効率化やITについての知識が乏しい)
これからの医療を変えるためには、自ら前に出て、変革を起こしていく必要があるのです。
AIを背景とした音声入力アプリを、救急医自ら作成した。
この危機的状況を打開するため、私は行動を起こしました。
救急医としての日々の診療を続けながら、生成AIを用いて自分が欲しいソリューションを作成しました。
これは、会話のようにテキストを入力するだけで、AIによりカルテが自動に生成されるアプリです。
アジャイル開発の手法で開発し、自分で実際に使って改善を繰り返し、現場で使える間違いのないアプリになりました。
このアプリは単なるソフトウェアではありません。
現場を最も熟知している医師が監修し、各医療機関の実情に合わせたカスタマイズと、現地での運用サポートまでを一貫して行う、真に医療現場に寄り添ったソリューションなのです。
予想外の効果:AI活用が生み出す新たな体験
このAI音声入力システムがもたらした効果は、私の予想をはるかに超えるものでした。単なる記録時間の削減だけにとどまらなかったのです。
救急外来での診察は、マルチタスクの集合であり、時には自分のペースでの診療ができません。診療の中断や取捨選択が迫られる場面もあります。
このAI音声入力を用いることで、「記録のための記憶」「記録のために考える」を削減することができます。
さらにこれらの情報が一元化することによって起こるのは、
「脳のキャパシティの拡大」
です。
これは実際に体験していただきたい。
音声入力した時点で、記録という呪縛から全て解放される。その後は記録のことを忘れて次のタスクに従事できる。
これにより、全く新しい働き方になりました。
変革の波を起こす:デジタル時代の医療イノベーター育成
変化は容易ではありません。しかし、現場の医療従事者自身が変革の主体となり、新しい技術に積極的に挑戦することで、必ず道は開けると考えています。
私は、デジタル時代の医療イノベーターを増やし、恐れずに新しい技術に挑戦する文化を創出したいと考えています。
生成AIの登場はそれを可能にしました。
私自身生成AIの登場前は、PCの使用経験は人並み程度、アプリの作成どころか、コードを書くこともできませんでした(今もできません)。
しかし、生成AIの登場によって、自らが望む効率化を実現することができたのです。
医療従事者自らがAIやデジタル技術を駆使して医療の未来を切り拓いていかなければなりません。
音声入力AIから始まった私たちの挑戦は、まさに始まったばかりです。共に、医療の新時代を創造しましょう。
救急医療の未来は、私たち自ら創り出していくしかない!
この危機的状況を打開するため、私は行動を起こしました。医師としての日々の診療を続けながら、AIを用いた医療支援システムの開発に着手したのです。
その中核となるのが、音声入力AIを活用したカルテシステム。現場のニーズを熟知した医師である私自身が、アジャイル開発の手法を用いて開発を進めました。
このシステムは単なるソフトウェアではありません。現場を最も熟知している医師が監修し、各医療機関の実情に合わせたカスタマイズと、現地での運用サポートまでを一貫して行う、真に医療現場に寄り添ったソリューションなのです。
予想外の効果:AI活用が拓く新たな地平
このAI音声入力システムがもたらした効果は、私の予想をはるかに超えるものでした:
1. 脳のキャパシティの拡大:
医療従事者が患者との対話に集中し、より深い思考や分析に時間を割けるように。
2. チーム医療の強化:
情報共有の円滑化により、複雑化する症例に対してチーム全体で迅速かつ適切に対応可能に。
これらの効果は、単なる時間節約を超えた価値があります。医療従事者の心の余裕を生み出し、より質の高い医療の提供を可能にしたのです。
未来へ向けて:医療DXが切り拓く新時代
音声入力AIを起点とした私たちの取り組みは、医療DXの可能性を明確に示しています。今後の展開として:
1. AI活用医療支援システムの全国展開
2. 医療データ分析のための、AIプラットフォームの構築
3. 市民向け医療ナレッジ共有アプリの作成
これらの取り組みにより、医療従事者の労働環境改善、医療の質向上、医療費削減、そして救急搬送の最適化が実現可能となります。
変革の波を起こす:デジタル時代の医療イノベーター育成
変化は容易ではありません。しかし、現場の医療従事者自身が変革の主体となり、新しい技術に積極的に挑戦することで、必ず道は開けると考えています。
私は、デジタル時代の医療イノベーターを増やし、恐れずに新しい技術に挑戦する文化を創出したいと考えています。医療従事者自らがAIやデジタル技術を駆使して医療の未来を切り拓いていかなければなりません。
音声入力AIから始まった私たちの挑戦は、まさに始まったばかりです。共に、医療の新時代を創造しましょう。救急医療の未来は、私たちの手の中にあるのです。そこで、救急外来で使用するAI音声入力アプリを「救急医」自ら開発することにしました。
救急外来のワークフローに一番詳しい「救急医」こそが、改革するツールの要件定義を決めることができる。そう確信し、生成AIを用いてアプリを作成した。
AIを用いることで、従来の煩雑なプロセスが大幅に簡略化されます。
これにより、医療従事者の負担が軽減され、本当に重要なタスクに集中できるようになります。
実際に使ってみてわかった、音声入力の最大の利点:脳のキャパシティの増加
最初は「音声入力で、タイピングによる記録時間の省略」そういうものを作ったつもりでした。
しかし実際に使用してみて、出来上がったものの効果はそれ以上だったのです。
情報の一元化による「脳のキャパシティの拡大」と、「ストレスフリーなタスク管理」の実現でした。
これは、今までにない働き方の大きな変革でした。
元々の医療記事作成のフロー
情報収集する→記憶する→書くために考える→タイピングする
という過程から
AI生成による医療記事作成フロー
情報を収集する→選ぶ→修正する
に変わり、「記憶する」「考える」という脳のキャパシティを占める業務から解放されます。
このアプリは単なるディクテーションツールではありません。従来のワークフローの中で、大幅に業務を効率化するものになったのです。
リアルで運用するためのUIにこだわる
「使用感にこだわった。」
今までの医療DX機器は、現場の働き方がわからないので求められた「機能」を強化します。
医療側の要求だけを聞いたDXでは、医療側の働き方を変えずに、正確なAI、正確な記録、正確なデジタル化を突き詰めてきます。
その結果仕事量が増える、タスクキルができず逆にタスクが増えていく。
そういう機器をたくさん見てきました。
今回のアプリ開発では、作業の手数を減らすUIにこだわって作成した。
ゲームと同じで、一度使えば説明が不要。画面をほとんど見ることなく運用できるようになっています。
導入するためには、少しだけワークフローを変更する必要があります。
しかし、その一点のみをクリアすれば、「タイピングの労力からの解放」と「脳のキャパシティの拡大」が手に入るのです。
急性期医療に関わる全ての医療従事者に届けたい
医療DXで必要な考え方は
「情報の解像度を上げる」
「情報の一元化」
です。
「情報の解像度」
医療の働き方のワークフローをしっかりと解析することに他なりません。今までの慣習的な働き方を踏襲するのではなく、複数の部署にまたがる業務を、「解像度を上げて」解釈することから始まります。
「情報の一元化」
これは、チャット文化が根付き、AIが登場した今こそなされるべきポイントです。今までバケツリレーで渡されていた情報を、「一元化」して集約することが重要です。
さらに、AI解析を加えることで、「一元化」のための労力削減も可能です。
働き方改革という名ばかりの改革ではなく、自らが変わるための対策を自ら考えていきましょう!
「あなたの」
働き方を
「あなたが」
変えていくことが重要です。
僕が作ったアプリが、そのきっかけになることを願っています。
さぁ、働き方が変わる新しい体験を!