この世と出会い直す
本というものを読むときに、
読書が好きな人なら解ってくれると思うのですが
何の本かというジャンルやカテゴリーには関係なく
さらにはその部分の記述が言わんとしている意味すら差し置いて、
エモーショナルにグッとくる、ハッとする言葉・文章というのがあります。小説ではなくても、参考書や写真集や取扱説明書でも。
その部屋でそのソファで、いま、
内容を追って読んでいる自分から離れてしまうというか
その文中の1節を読んだとたんに軽い興奮を感じてきて
視界がクリアになる、胸を打たれる言葉。
それがあると、しばらく先は読めなくて一旦本を置き
啓示を受けたかのような瞑想状態に入ってしまう。
別の世界のストーリーや、哲学的な思想や、もしかすると
前世の記憶のようなものに想像力を奪われてしまう。
いま冷静にこうして説明していると、
人をそんなふうにさせるなんてやっぱり言葉のプロなんだな、
とか思ってしまうけど、なにしろ内容には関係ない場合もあるので
わたしの個人的な癖(へき)かもしれない。
たった1節から広がる瞑想、あの空気を味わう時間は、
今も昔も自分の涵養の源です。
占いやセラピーをするときにも、具象や抽象、主観と客観、
共感と普遍のバランスをうまく保たせてくれる要となっているようです。
そんな言葉・一節の文を、
いっさい脈絡なく書き連ねてみたい。
わたしが想う、遠いあの場所に似た何か、です。
ご興味があればもちろん書籍を読んでみてくださいね。
この世と出会い直すために
(ハイデガー=存在神秘の哲学/古東哲明)
中心をはずさずに ただ そこにいる
(哲学者/ジョン・ペリー)
知性をともなう野生への希求心
(人間尊重の心理学/C・ロジャーズ)
必要なのは時計ではなく羅針盤
(忘)
使った力は本人にしか消せない
(天は赤い河のほとり/篠原千絵)
「自分」から遠ざかるな!
(芸術家/岡本太郎)
生死ではなく、生滅。生まれ、滅びる、である
(僧侶・教誨師/渡邊普相)
誰も 彼の変化に気づく必要はない
(哲学者/ルドルフ・シュタイナー)
もっと列挙したいけれど「またこんど!」(←平沢進)
そして
わたしは現在、占い師と箱庭セラピストをどちらも
真面目にやっているのですが、セラピールームのほうの
リーフレットに引用している一説も紹介させてください。
『卵は自分で割ると生命になるが
他人に割られるとただの目玉焼きである』
(社会学者/キム・ナンド)
『失敗とは転ぶことではなく
そのまま起き上がらないこと』
(女優/メアリー・ピックフォード)
『世界は劇場。人生は演劇。人間は役者』
(劇作家・詩人/シェイクスピア)
『タブラ・ラサ すべてのものはもともと白紙』
(ラテン語)
鼻炎が治ったみたいに本日も脳がスッキリしました。
タロット占い師と箱庭セラピストを
どちらも真面目にやっています。
よろしくお願いします。