『理想的未来人』12ヵ条
『人間尊重の心理学』著/カール・ロジャーズ
昔読んだアメリカの心理学者、故カール・ロジャーズの本に、
とても共感して覚えている、興味深い記述があります。
この博士は「アメリカは日本への原爆投下を謝るべき」
「アメリカの教科書を(戦争について)正直に書き換えるべきだ」
と発言し、ノーベル平和賞にノミネートされていながら
その発言で政府の反感を買い、受賞を阻止されてしまった人物。
ロジャーズが本に書き残した『理想的未来人』
50年以上前の著書のなかにある「理想的な人間像」とは?
未来の世界に住むであろう能力・特性をそなえた人間とは?
① 開かれていること
自分だけの世界にも、外の現実世界にも心を開いている。
新しい経験、ものの見方、新しい生き方、考えを受け入れ認める。
② 真実の希求
ありのままを表現し、嘘のないコミュニケーションを求める。
偽善や、欺き、もったいぶった表現などを否定する。
異性関係にも正直である。
③ 科学と技術に頼らない
自然や人々を操作したり征服する科学・技術などに不信をいだき
バイオフィードバック(自己治癒力・自然回帰)を支持する。
④ 全体性への希求
肉体と精神、理性と感情、個人と集団、正気と狂気、仕事と遊び
が区別されるのを嫌い、全個人エネルギーで生きれる世界を探す。
⑤ 生存共同体
今までにない、共通目標をもつ仲間をさがす、求める。
以心伝心、感情を豊かにうけとめあう共同体を作る。
⑥ 行きどまらない個人
人生で大切なのは「変化」であると見抜いている。
変化する生き方に向かって進み、力いっぱいそれを味わう。
⑦ 思いやりをもつ
必要なときに躊躇なく他人を助ける。モラルに縛られず
常識や評価を気にしない思いやりを他人に示せる。
⑧ 自然を愛する
「自然」に親しみ、自然の力と協力しあうことに喜びをおぼえる。
⑨ 反制度的である
組織化された融通のきかない制度に反対である。
制度は人々のためにあるべきであり、その逆ではないと知っている。
⑩ 権威への反抗
自分の道徳的判断・経験を信じ、ふりかざされる権威・不正には
深く不信をいだき反抗する。
⑪ 物質的な依存をしない
基本的には物質的な豊かさや報酬に無頓着である。
お金や地位は目標とはならない。
⑫ 精神性への憧れ
これらの未来人は、探求者である。
「個」を超えて存在する力や価値を尊重する。
「個」に執着しない人生の意味や目的を見つけたいと願う。
「心」が平和で安定した世界を望む。
変性意識状態のなかで、宇宙の調和を経験している。
(注:著書の日本語訳をさらに易しく砕いた文にしています)