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ろくでもない兵庫県民
2024年秋の兵庫県知事選挙で起こったことを考えると、1994年の松本サリン事件や、2004年のイラク日本人人質事件との類似を感じてしまう。
1994年の松本サリン事件では、被害者の一人が、容疑者とされ、警察から拷問に等しい尋問を受け、報道機関で犯人として報道され、自宅に脅迫電話や嫌がらせの手紙が殺到した。
2004年のイラク日本人人質事件では、人道支援活動家・報道記者・旅行者の3人が、武装した人々に捕らわれたことが報道された直後、「ヒミツの大計画」なる投稿が2ちゃんねるに載り、自作自演説が広められた。Yahoo掲示板には、人質と、その家族に対する、非難の投稿が、殺到した。知識人や政治家を含め、多くの有名無名の人々が、人道支援活動家・報道記者・旅行者の3人を、非難し、罵倒した。当時のイラクでは、日本人の人質の後に続いて、次々と、諸外国のジャーナリスト等が人質にされたが、Yahoo掲示板では、外国の人質に対する同情と、日本の人質に対する非難とが溢れた。
2024年秋の兵庫県知事選挙では、立候補者の一人の立花孝志氏が、自分には投票しないでくれと断わって、もう一人の立候補者の斎藤元彦氏を応援した。立花孝志氏は、斎藤元彦氏が前任の知事だったときに懲戒処分にした県庁職員を、同僚と家族に対する乱倫を極めた人物だったと演説した。また、この県庁職員が公益通報者として百条委員会で証言する前に自死したことを追悼した委員長を、立花孝志氏は脅迫した。百条委員会の委員長の自宅前に押し掛け、拡声器で脅迫し、立花孝志氏と群衆とが共に嘲笑し、その状況をyoutubeで中継した。知識人を含め、多くの有名無名の人々が、元県庁職員と、百条委員会の委員長の県会議員とを、嘲笑した。112万人の兵庫県民が立花孝志氏に喝采を送り、111万人の兵庫県民が斎藤元彦氏に投票し、斎藤元彦氏が後任の知事に再選された。
このままでいいのだろうか。ろくでもない兵庫県民が、少しでも、ましになるために、なにか、できることはないのか。
*参照
河野義行氏(元長野県公安委員・松本サリン事件被害者 (R・S・C顧問)基調講演
ヒミツの大計画