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「ゆめにっき あなたの夢に私はいない」レビュー

 有名フリーゲーム「ゆめにっき」を原作とした、ノベライズ版です。原作ゲームは意図的に、曖昧で正解のない夢の中を彷徨うゲーム(アイテム収集系)らしくて、この小説は著者の独自解釈に基づき、「ゆめにっき」にある種の解答を与えたもの。

 前半は表紙の女の子「あなた」が、樹海や雲上などの不可思議空間で、内臓人間や鳥顔女ら奇怪なものたちが蠢く、謎の夢の中を放浪する。
 しかし中盤からは、第二の主人公「わたし」が登場し、主人公がいきなり交代。「あなた」を追いかけて、「わたし」が夢の世界を彷徨う物語へと急変していく。
「わたし」とは一体誰か? 「あなた」の正体は何なのか?

 全く捕まえられない「わたし」を追跡しつつ、やがて帽子&マフラーの透明な女の子や白黒着色の姉妹らと邂逅する「わたし」。ついには夢から一時覚醒し、ベッドの上で精神科の医者との夢診断まで経験する。
 その過程で少しずつ明らかになっていく、「あなた」にまつわる死の情報の断片。「あなたは」落ちて、流れて、死んだのか?
 
 そして終盤、またしても「わたし」は夢の中へ。過酷な一人旅の中、たどり着いた高山の火口地下で、ついに夢の深奥へと達した「わたし」は、「あなた」の隠されし真実を知る。
 小説の最後の最後で、予想外の大逆転が待っています。この締め方、悪くないネ☆ お話のテーマは「母と娘」


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