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「月曜日が、死んだ。」レビュー

 独身サラリーマン(ゲーム会社勤務)26歳の主人公・中垣は日々の労働生活に疲れ切った男である。そんな彼は、以前から憂鬱たる月曜日を憎んでいた。
 だがある朝目覚めると、その「月曜日」が突然消え去るという珍事に見舞われる!

 自宅のカレンダー上からはもちろん、世間でも月曜日が消えていきなり火曜日になったと大騒ぎ。しかも週六日になった分、仕事はかえって大忙し。その上、時間経過とともに月曜日が存在した事実すら、人々はなぜか記憶を失くしていく。
 さらに中垣は、大学時代の元カノ・中里(新興宗教の巫女さんで、バツイチの母が女教祖)の過去の言葉から、これから全ての曜日が消えていくことを予見した。人類大ピンチ!

 焦った中垣は高校時代からの悪友達、ロックンローラーのパイロット武藤、漫画好きホテルマン田才、彼女持ちマッチョ消防士刑部、同人屋ニート越智田の4人を集め、月曜日復活作戦に動き出す。
 しかしその前には、元カノ・中里のいる月曜崇拝の宗教集団「七曜の会」や月曜日排斥集団「月滅会」、黒服官僚軍団こと国の「月曜日消失対策委員会」が、それぞれの思惑を持って立ちふさがるのである。

 この四つ巴対立の中、中垣ら悪友メンバーズは、月曜日=月読命(女神)と一体化してしまった月呼び巫女・中里と月曜日そのものを救うため、神無月を迎え神々が集う聖地・岡山県出雲大社へと急行するのだった(ちなみに少彦名と月読命くらいしか神様出ない)

 果たして中垣のラブは、月曜日と元カノを救えるのか!?という本作。
 鬱で怠惰な毎日を過ごす現代社会人に熱いメッセージを送る、令和発の快作であります。というか、一人称なんだけど文章センスが抜群で面白い。
 主役が元オタクなんで、サブカルネタも豊富でサクサク気楽に読めます。



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