「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」レビュー
実写映画化で有名な小説だと思うんだけど、「SFラブロマンス」とでもいうような、不可思議な40日間の物語(過去の章もあるが)
舞台は京都。イラストレーター志望の美大生二年・高寿と美容専門学生の愛美(互いに二十歳)。この二人の出会いと一目惚れナンパから、序章が始まる。
まあタイトルで既にネタバレなんで、簡単に言うと、時間の流れが逆方向に流れるパラレル世界の女性との恋愛モノ。
だから最初の出会いと最後の別れがお互いに逆方向で展開していく、というアイデアが時間SFのようで素晴らしい。
ヒロイン愛美の会話シーンも「なんだい?」「おう」「だね」等、砕けた現代調なのも好印象。わりかし「潤い」に拘る女である。
一冊だけで終わるんで、愛美から中盤あっさり種明かししちゃうのは肩透かし気味だが、終盤は別れの期限(世界のルール的な?)が迫り、どんどん切なくなっていく。イメージで説明すると、ヒロイン側が時間方向の異なる世界から、不定期に行ったり来たりしてる感じかなあ。
愛美が最初の出会いで高寿に残す「また明日ねっ!」そして、高寿が15年後に愛美に残すことになる「また会えるよ」が非常にグッと来るのです。
あ、あと何気にたこ焼き買い食いのシーンが好き。ヒロインの食べっぷりが美味しそうでw(猫舌?)