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鉄道研究部は本当に研究部? 後篇

鉄研を辞めた後、鉄研に所属している時はあまり気にならなかった事やどうでもよかった事が見えてくる。その中で問題点も当然見えてくる。鉄研に、というより文化部に所属していると陥りがちだと思う問題点を幾つか挙げる。

①他者とのコミュニケーションに難あり

②他校と交流が少ない

③活動が自己満足になりがち

まず①について。鉄研(に限ったわけではないだろうが)部員には(部内外問わず)他人の話を聞かず、自分の考えを押し付けるケースが散見された。自分が鉄研を辞めるきっかけの一つとして、先輩と話が通じないという事も要因であった。この事は自分の知識や経験でマウントを取るといったことに主眼を置きがちで他人の話を聞くのが苦手であったり、異なる考えを受け入れられないという事がありがちなのだと思われる。

②について。これは他の文化部に言える事かもしれないが、他校と交流する機会は限定的である。その限定的な交流機会でもあまり積極的という感じではなかったと思う。その結果、狭い世界に閉じこもり、③の問題にも繋がると思われる。自分自身も先日記したように遊びの延長という節はあったので結果的に、楽しければいい的な感じで参加してそれこそ自己満足で終わっていたのかなとは思う。自己満足で終わってしまうと、視野が狭いままで寛容、多様性を受け入れにくくなってしまう。

まぁ一応これらの事は当時、既に顧問が問題視しており、あれこれ対策を講じて私が辞めた後になってから他校との交流が増えたりはしているようなので今は一概に上記のような問題を抱えていると断言もできない。

とは言え、いくら組織が変わっても一個人がかつての私のように遊びの延長で入ると部活というものを理解せずに温度差(≒真剣さ)の違いで周囲との軋轢を生む、という可能性はやはりあると思う。部活動は遊びとは違う、小学校のクラブ活動とも違う、という事を念頭に置いていただきたい。勿論部活を銘打っていても同好会やサークルのようにお遊び感覚な場所もあるだろう(少なくとも私がいた学校には存在した)が、少ないとはいえ他校との交流機会もあり、文化祭という公の場で目玉になるジオラマを展示するぐらいだから鉄研はそうでないハズだ。

それでも鉄研に入っていて良かった事もいくつかある。

まず、ジオラマ制作や撮影会・合宿の打ち合わせでプレゼンテーションをする機会が結構ある。これは将来的にも役立つだろう。

それから(自分の所では二番煎じ的な立ち位置だったが)個人研究やルポを執筆して機関誌を発行するが、それを制作するためにWordの使い方を中学生ながら一通り覚えた。他にも名簿表等を作るためにExcelも使うことがある。将来的に必要になるであろうパソコンの基本的な操作を早いうちに覚えれるのはメリットだろう。

撮影会や合宿で様々な場所に出かけるので必然的に地理に詳しくなる。この事は新しく出会った人たちとの話題のタネになりうる。

そして、(自分は達成できなかったが)ジオラマ制作のメリットとして、何年も続けて上達していく中で手先が器用になる他、忍耐力なんかが身に付くというメリットがある。

以上、中高の鉄研の実態あれこれを自分の経験を介してつらつら述べてきたが、私が一番伝えたいのは「鉄道を趣味にすることは鉄研に入っていなくたってできる」という事。だからこそ鉄研に入る以上は「入ってるからこそできる事」を追求するべしきだし、もし鉄研という場所が期待外れであったり合わないと思ったなら部を辞めたっていい。でも鉄道趣味を辞める事はないのだ。鉄研含めて学校生活が最高なら尚よいが、折角受験して入ったのなら学校生活が充実している事が一番大事だと思う。

もしこの文章が鉄道研究部に入ろうとしている受験生に僅かでも役に立ったら幸いである。

※保護者の方へ もしお子さんが鉄研に入られた場合、部活以外に友達がいるかどうか気を配っていただけるとよいと思います。途中で鉄研を辞めた私にとって部外の交友関係は非常に救いになりました。このような関係は様々な面で非常に大事だと思います。


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