kouzaih

落語好きのアラ環親父です。

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最近の記事

演芸界の今に思う事 その7

私は数年前まで露の新治師匠を存じませんでした。 師匠を知ったのは、毎年お盆時期の上野鈴本演芸場特別公演の仲入り出番で必ず顔付けされていてその公演を聴きに行ったからです。 米朝師匠を思い出させる上品な上方言葉、指先にまで神経が行き届いた綺麗な所作にすっかり魅せられ、その特別公演以外にも関東での出番があれば追いかけていました。 この夏に定年退職を迎え生まれ育った関西に戻ってきて、新治師匠の高座を聞ける機会が増える事は本当に嬉しく思っています。 先に書いた通り、上方本寸法と言える噺

    • 演芸界の今に思う事 その6

      今月に入り耳にし目にした事から、改めて落語界の将来について門外漢の一ファンが書き綴ってみたいと思います。 TVで耳にした事。 落語ファンの中にはご覧になられた方も多いかと思いますが、6/16(日)朝フジテレビで放映された春風亭小朝、林家正蔵、春風亭一之輔出演の鼎談番組『僕らの時代』から その中で落語協会の副会長である正蔵師匠が「落語協会は現在完全な逆ピラミッド構造で、多数いる真打から順に数が減っていき前座が20名程度、その下の見習いが数人程度である」と口にしておられました。

      • 演芸界の今に思う事 その5

        今回は上方落語協会での動きに触れ、思う事を書いてみます。 今回の銀瓶さんの動きはとても大きい意味があると思います。 私は一サラリーマンで単なる演芸ファンです。 だから個人事業主である噺家と所属団体或いは業界との関係性について不案内です。 それでも自分自身の社会人経験に照らし合わせ、また演芸ファンとしてこの演芸が長く続く事を願って拙いnoteを書いています。 演芸ファンもそれぞれに色んな意見があります。 中堅や若手は芸を磨く事に精進し、業界全体の事を云々するのはもっと客を

        • 演芸界の今に思う事 その4

          これまでは、比較的苦言を呈したい想いが強かったのですが、今回は素直に良かったと思える内容です。 落語協会パワハラ事案に端を発し、その周辺から思う事を書いてきました。 その一連を伝えて来たYouTubeチャンネルの新しい番組です。 告発側のチャンネルなので違うスタンスの意見をお持ちの方は、見ていていい心持ちはしないかもしれませんので、下に内容を書きます。 今回一般社団法人落語協会が二つの改革案を出しました。 今年6月に行われる協会理事改選から ①従来は理事候補者一同を会員の

        演芸界の今に思う事 その7

          演芸界の今に思う事その3

          令和6年2月25日に落語協会100周年記念式典が行われた事を受け、懲りずにその3を書かせて頂きます。 100年前のこの日に同じ上野精養軒で落語協会の発足式があったことが、当時の都新聞でも報じられています。 今回リニューアルされた協会のHPにも発足の経緯が載っています。 記事内容とHPから推測すると、離合集散を繰り返していた東京落語界であったが、関東大震災を契機に席亭も巻き込み諸派の対立を乗り越え団結したのがその流れの様です。 今回100年前の同日に合わせ大々的な式典を行い、

          演芸界の今に思う事その3

          演芸界の今に思う事その2

          2月6日に一般社団法人落語協会が「ハラスメントをめぐる協会員間の民事訴訟について」というコメントを公式HPサイトで発信しました。 この発表についても演芸ファン(主に落語愛好家だと思います)から様々なコメントが寄せられています。 前回初めてnoteに投稿した内容に補足したく書いてみます。 落語界に一番求める事は、この芸能の継承です。 一言に継承と言っても様々な意見はあると思います。 私は大衆と共に歩んできた落語は時代に合わせてアップデートしてきたからこそ、今に至っていると思

          演芸界の今に思う事その2

          演芸界の今に思う事

          2024年1月の同日に演芸界に関する二つの報道がありました。 その二つの出来事を通して考えた事を書いてみました。 一つ目は、寄席の至宝とも言われた林家正楽師匠の急死報道です。 お亡くなりになる二日前まで寄席に出ておられただけに、突然の訃報に驚き喪失感に襲われました。 この訃報は、改めて当たり前の事を思い出させてくれました。 芸人が亡くなるとその芸は霧散してしまう。 もちろん正楽師匠の紙切り作品は残りますが、高座の上で見せて頂いたあのライブこそが芸でした。 これまでも贔屓の芸

          演芸界の今に思う事