その日は雪が降っていた。
2話
「連絡事項は以上だ!一時間目は女子はプールだぞ、男子はマラソンだから遅れるなよ〜」
「はあー?! 笹部センセ鬼かよ、この暑いのに?!」
「暑いのは俺も一緒だろー、ほら行った行った!」
笹部のやたらに腹に響く声と、クラスメイトの不満の声をBGMにしながらプールバッグを手に取る。
ホームルームが終わるなり、隣のアンティークドールガールはあっという間に人だかりに呑まれた。
意外にも人だかりの山はほぼ女子ばかりで、男子は遠巻きにして素知らぬ振りをしているが、聞き耳を立てている