【読書記録】2024年4月28日〜5月4日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
ゴールデンウィークも後半戦。
みなさまいかがお過ごしですか?
私はといえば、もちろん相変わらずの読書三昧。
ちょうどブッ◯オフでも20%引きセールやってるし、気になる本をまとめ買いして、朝となく夜となく読み耽っております。
そうそう私、安月給のサラリーマンなもんで、推し作家の文庫新刊以外は、古書店のオンラインストアを利用することが多いんですね。
…で購入するときに気になるのが商品の質。
とは言っても読めればいいんで、カバーがあって書き込みがなければ大体買っちゃうんですけど、商品ページのコンディション欄に掲載されない情報があるんですよ。
それは、「匂い」
匂いと言っても古本の香りなら全然問題ないんですよ。
私が特に気になるのが「タバコ臭」
本を捲るたびに漂ってくるタバコ臭さだけは、どうにも我慢なりません。
どなたか、本に付いたタバコ臭を消す方法をご存知の方、ぜひご一報ください。
ということで、早速今週出会った本たちをご紹介します。
【2024年4月28日〜5月4日に出会った本たち】
⚪️キノの旅XIV the Beautiful World 14
【感想】
思い出したように、または大作の幕間のように(コレは失礼か)手に取るこのシリーズ。
第14巻目の本作も捻りの効いたブラックな国が目白押し。「差別をする国」「規制の国」「正しい国」などタイトルを見ただけでもなんとなくそんな雰囲気が漂ってきませんか?
特に「正しい国」なんてもう、自分勝手な正義感を振りかざし、自国の利益だけを追求しようとするあの国のよう。
「規制の国」も「子供に有害」とか「犯罪を助長する」とか言って、明確な根拠のないまま禁止にしたり、炎上を恐れるあまり自ら自分たちの手足をしばったりする業界とか、なんだか心当たりが…。
⚪️物語のおわり
【感想】
第一話の〝空の彼方〟を読み終えてラストの唐突さに思わず「おいおい、この後どーなんの?」と口に出してしまいました。
…で第二話はいきなり北海道に向かうフェリーの中。読み進めると第一話は誰かが書いた物語のようで、旅先でこの物語を読んだ人が、自分の境遇に思いを馳せながら、自分なりのラストを考え、そのことで一歩前に進み、物語はそれを必要とする次の誰かに手渡されるという連作短編集。
物語というときっちり伏線を回収して、最後は綺麗に着地してほしいと思っている私に、この本は物語の本当の面白さと楽しみ方を教えてくれました。
あっ、そうそう。この物語はイヤミスではありません。
念のため。
⚪️ブラックぺアン1988(上・下)
【感想】
今年の初めに立てた読書目標10個の中に「シリーズ作品を読む」というのがあって、その筆頭に挙げたのが「チーム・バチスタ」シリーズ。
あれこれ調べているうちにどうせ読むなら一番最初の話からと手に取ったこの作品。医療モノだということはわかっていたけれど、手術の術式や器具の名前がさっぱりわからず珍紛漢紛。でも登場する医師がみんな個性的で、あっという間に物語に引き込まれました。
特に奇跡的な手術の腕を持つ渡海、そして最新技術を引っ提げて乗り込んできた高階。この二人の間で翻弄される新米医師の世良。世良の今後の成長が楽しみ。
タイトルにあるぺアンとは、日本語では止血鉗子といって、刃のないハサミのような形で物を挟んで掴むことができる医療器具のことらしい。
とにかく手術場面の臨場感、いや実際に手術場面に居合わせたことはないので緊迫感と言った方が正しいかもしれないけれど、あの場面はやはり医師だから書けるリアリティといったところだろうか。
物語の核となる佐伯教授が最終的には名誉より医師であることを選んだところがかっこいい。
それにしても「手術室の悪魔」とまで言われた渡海が新米医師の世良の心に火を灯しただけで退場してしまったのはなんだか勿体無い。それともどこかで…。
⚪️ブレイズメス1990
【感想】
〝プラックぺアン〟の2年後。新たなコンセプトの病院「スリジエ・ハートセンター」構想の土台作りをする物語。
主人公は前作に引き続き研修医の世良。そして心臓外科手術で唯一無二の腕を持つ聖なる守銭奴・天城。彼が突きつける医療とお金の問題は、令和のこの時代でも解決できていない難題。
…というか答えはとっくに出ているのだけれど、それを口に出すのが憚られる空気感。
何はともあれ、専門的な知識のない私でも楽しめるし、「バチスタ」という言葉が出てきたり、魅力的な人物が多数登場したりと、もうこのシリーズから目が離せません。
⚪️スリジエセンター1991
【感想】
シリーズ3作通して感じたのは実に魅力的な、そして気になるキャラが多いということ。特に権謀術数に長けた高階はいうまでもなく、渡海と天城に振り回されっぱなしで貧乏籤を引き続けた世良、研修医の身分ですでに頭角を表す速水、天城の力量に影響された小児心臓外科医志望の桐生、医学生の彦根、厚生省の坂田、そして看護師の藤原…。まさに綺羅星の如く輝く登場人物たちが今後どんな活躍を見せてくれるのかが楽しみ。
一つだけわかったことは、病院内で絶対権力を誇る医師といえども、看護師を敵に回してはやっていけないということ。
まさか天城が……。
⚪️チーム・バチスタの栄光(上・下)
【感想】
とうとう辿り着いた「田口・白鳥シリーズ」。
いわゆるバブル三部作を先に読んだので、天城さんが植えたスリジエの苗木が、桐生さんという形で花を咲かせたことがとても嬉しい。
あれから15年。高階さんは病院長になり、手術中に血を浴びて卒倒した田口さんが心療内科医として東城大学に勤務し、藤原看護師は定年後の再雇用で田口さんの下に。
物語はバチスタ手術で立て続けに起こった術中死は、事件なのか事故なのかを田口さんが調べることになり…。
前半は概ねチーム・バチスタのメンバー紹介のような感じ。
下巻に入って突然登場したロジカルモンスターこと白鳥のキャラには本当に驚きました。なにせ彼が出てくるだけで物語の雰囲気がガラッと変わっちゃうんだもの。
そしてこの白鳥の肩書きが「厚生労働省大臣官房秘書課付技官及び、医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長」って長すぎ!
事件の真犯人は予想外だったけれど、事件の根底には医療全体が抱える問題がある気がします。具体的に何が問題なのかはうまく言えないけれど。
そうそう一つだけ気になったのが白鳥さんの部下「氷姫」の愛称の持ち主姫宮さん。度々話には出てくるんだけれども実際の登場シーンはなし。一体どんな人なんだろう。
⚪️身近な野菜のなるほど観察録
【感想】
稲垣さんといえば「イネ」や「雑草」の研究者という印象ですが、この本で取り上げているのは私たちが普段口にする野菜。
その野菜を食材という視点ではなく植物という観点から見ているところがとても面白い。
確かに野菜も植物だから、なんらかの形で「花」を咲かせ「実」を結ぶわけで、今まで野菜をそんなふうに見たことがなかったのでとても新鮮。
私たちが普段何気なく口にする野菜にも生き物としてのドラマやロマンがあって、読んでいて胸が熱くなりました。
ちょっと気が早いけれど、小学生とその親御さん。毎年頭を悩ませる夏休みの自由研究や読書感想文の足がかりにしてみては。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
今週はいよいよというか、とうとうというか。
満を持しての「桜宮サーガ」。
感想にも何度も書きましたが、とにかく登場人物が魅力的。
要所要所で登場する手術シーンに関しては、私の貧困な想像力では限界があるので、この物語に関してはドラマや映画で見た方が臨場感があるかも。
…ただし、主人公の性別変更というのは、どーなんだろ。一応書いておきますけど、竹内結子下さんが悪いとかいうことではありません。
さぁ、これからしばらく海堂尊ワールドにトリップします。
最後に
読書っていいよね。6t