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【読書記録】2023年12月10日〜12月16日

 みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
 人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。

 常々思っていたのですが、いわゆる普通の本棚って結構奥行きがあって、文庫本だと前後2列並べられるくらいのスペースがあって、そのスペースを有効に使おうと思うと後ろの列の本が隠れてしまって、何があるのかわからなくなってしまうじゃないですか?
 そんな問題を解決してくれるブックスタンドを発見!!。

 これはアマゾンの商品ページですが、同じものを近所の100均(今はバラエティ・ショップっていうらしい)で見つけたので即購入し、使ってみました。
 多少横幅が狭い気もしますが、当初の問題はズバッと解決!!
 さぁ、自室の大掃除に取り掛かろう。
 ところで全部の文庫本を収納するのにこのブックスタンド幾つ必要なんだろう(汗)。

 ということで、今週出会った本たちをご紹介。

【2023年12月10日〜12月16日に出会った本たち】

⚪️共震

著者 相場英雄

【内容紹介】
 大和新聞東京本社の遊軍記者である宮沢賢一郎は、東日本大震災後、志願して東北総局に復帰した。コラム「ここで生きる」を立ち上げ、沿岸被災地の取材を続ける宮沢のもとに、東松島市の仮設住宅で他殺死体が発見されたとの一報が入る。被害者の早坂順也は、宮城県庁震災復興企画部の特命課長。県の枠を飛び越えて復興に尽力してきた人物だった。早坂は亡くなる直前まで、各被災地の避難所の名簿を照合していたという。これは、本当にフィクションなのか?現代日本の黙示録『震える牛』『ガラパゴス』の著者が全霊を注いだ、鎮魂と慟哭の社会派ミステリー。

裏表紙より

【感想】
 「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎」シリーズ外伝。
 舞台は2013年。東日本大震災から2年が経過した宮城で、復興のために奔走する県庁職員が毒殺される事件が起こります。
 そこから浮かび上がるのは義捐金詐欺、汚職、見舞金の不正受給などの震災を食い物にする闇。
 宮沢は取材の、田名部は捜査の過程で、2年前の東日本大震災当時を振り返りますが、震災の2ヶ月後にボランティアに入らせていただいた自分は、あの時の光景を思い出して思わず読む手を止めてしまいました。
 最後に明かされる宮沢と亡くなった県庁職員の繋がりを読んだ時、思わずグッときてしまいました。

⚪️御用船帰還せず

著者 相場英雄

【内容紹介】
 江戸中期、勘定奉行の荻原重秀が財政立て直しに辣腕を振るった陰に、四人の猛者がいた。金の採掘量減少を受け、重秀が金の含有率を下げる御法度の貨幣改鋳を行うと、四人は十万両分の金を積む御用船を強奪。それは金の枯渇感を煽るための重秀公認の裏工作だったが…。日の目を見ることのない者が暗澹たる時代に光を灯す歴史エンタテインメント。

裏表紙より

【感想】
 相場英雄さん初の歴史時代小説。
 徳川五代将軍綱吉の時代。主人公は二十五歳という若さで勘定奉行組頭に抜擢された荻原重秀。
 荻原が異例の速さで出世した影には彼の手足となって働く四人の男女から成る隠密集団「微行組」の存在があった。
 物語の前半は荻原が、微行組を使って役人の不正を暴いていくいわゆる仕事人的な展開ですが、後半は幕府の財政を立て直すために貨幣改鋳を進めさらにハイパーインフレを起こすべく、佐渡から出港する金銀を積んだ御用船を奪取しようとするスケールの大きな話へと広がっていきます。
 これを読めば徳川綱吉、篠原重秀、そして新井白石のイメージが変わる!
…かも。
 適役も含め各キャラの個性が際立ったハラハラドキドキの物語でした。

⚪️カモナマイハウス

著者 重松清

【内容紹介】
 不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。両親の介護を終えた妻・美沙は、瀟洒な洋館で謎の婦人が執り行う「お茶会」に参加し、介護ロスを乗り越えつつあった。しかし、空き家になっている美沙の実家が、気鋭の空間リノベーターによって遺体安置所に改装されようとしていることを知り……。元戦隊ヒーローの息子・ケンゾー、ケンゾーを推す70代の3人娘「追っかけセブン」など、個性豊かな面々が空き家を舞台に繰り広げる涙と笑いのドラマ、ここに開幕!

出版書誌データベースより

【感想】
 久しぶりの重松清さん。
 先日妻から結婚して二番目に住んだアパートが取り壊された話を聞き、見に行ってみるとそこは駐車場に…。長女が生まれる少し前に引っ越して、長男が生まれる前まで数年住んだだけだけれど、それでもたくさんの思い出があって、自分の家ではないけれど、ちょっと寂しい気持ちになりました。
 この物語はユーモアを交え明るいタッチにはなっているけれど、親の介護、子供の巣立ち、老いを迎えての家族(夫婦)のあり方などテーマはかなり深刻でした。
 家族が壊れていく姿を描く第二章は、白石さんが真面目な人だっただけにとにかく切なく、胸が締め付けられるようでした。
 最後に語られる「夫婦関係は愛情→友情→人情→根性」というのがなんかとてもいい。

⚪️窓ぎわのトットちゃん

著者 黒柳徹子

【内容紹介】
 「きみは、本当は、いい子なんだよ!」小林宗作先生は、トットちゃんを見かけると、いつもそういった。「そうです、私は、いい子です!」-トモエ学園の個性を伸ばすユニークな教育と、そこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた感動の名作。字が大きくて読みやすく、絵も鮮明に美しくなった新組版が登場!

裏表紙より

【感想】
 子供の頃自分で読んだのか読み聞かされたのかはっきり覚えていないけれど、いくつかのエピソードは心の片隅に残っていて、読みながらとても懐かしい気持ちになりました。
 読了後改めて思うことは、トモエ学園の校長・小林宗作先生の自由でのびのびとした教育観の素晴らしさ。1980年代前半は特に詰め込み教育、管理教育真っ只中だったから、余計に小林先生のような個性重視の教育方針が注目されたのかもしれません。
 そしてもう一人いや二人。トットちゃんの両親のトットちゃんへの向き合い方も、今更だけれど親として学ぶところが多くて…。もし10年前に手に取っていたら…。
 教育に携わる方々、子育てに不安を感じている新米パパ・ママに是非手に取っていただきたい本です。
 ちなみに私が手に入れたのは、「講談社文庫」版ですが、今は少し縦長の「青い鳥文庫」から刊行されています。

⚪️おわかれはモーツァルト

著者 中山七里

【内容紹介】
 盲目ながらショパン・コンクールで2位に入賞したピアニストの榊場隆平は、クラシック界の話題を独占し人気を集めていた。しかし、「榊場の盲目は芝居ではないか」と絡んでいたフリーライターが銃殺され、榊場は一転犯人として疑われることに。そんな友の窮地を救うべく、榊場と同様、ショパン・コンクールのファイナルに名を連ねたあの男がやって来て……。

裏表紙より

【感想】
 岬洋介シリーズ7作目。
 今回の主人公は盲目の天才ピアニスト・榊場隆平。この人、どこかで聞いたことあるなぁと思っていたらシリーズ3作目の〝いつまでもショパン〟のショパンコンクール2位だった人なんですね。すっかり忘れてました。それにしても中山作品って本当に無駄がないなぁ。
 今回は榊場の障害は嘘ではないかと疑うライターが殺され、榊場本人が犯人と疑われ、それを岬洋介の名推理でズバッと解決!という展開。
 そういえばありましたねぇ、聴覚障害者だと偽っていた作曲家の事件。ああいう事件があると障害がありながら普通に生活している人たちが変に誤解されてしまうので、本当にやめてほしいですね。
 いいところで捜査一課の犬飼刑事も登場して物語を盛り上げます。
 この物語のもう一つのお楽しみ「目で読むクラシック音楽」の素晴らしさも健在。

⚪️世界史を大きく動かした植物

著者 稲垣栄洋

【内容紹介】
 一粒の麦から文明が生まれ、アヘン戦争は「茶」から始まり、大国アメリカはジャガイモが作った。植物という新視点から世界史を読む。

出版書誌データベースより

【感想】
 植物学者の稲垣栄洋さんによる歴史を植物という観点から解説した本。
 これはかなり面白いです!
 穀物、芋類、野菜、香辛料からいわゆる「花」までバラエティに富んだ14品目を取り上げています。
 特に面白かったのはトウモロコシ。食用だけではなくてバイオエタノールやダンボールの材料なんかにも使われているトウモロコシって、元になった植物が不明なんですって!?
 それともう一つは大豆。大豆は英語では「soya bean」というけれど、この「ソイ」って醤油のことなんだってね。知らんかった。
 もっといろいろ知りたいので続編熱望。

⚪️日本人の死に時
 そんなに長生きしたいですか

著者 久坂部羊

【内容紹介】
 何歳まで生きれば“ほどほどに”生きたことになるのか?長寿をもてはやし抗加齢に踊る一方で、日本人は平均で男6.1年、女7.6年間の寝たきり生活を送る。多くの人にとって長生きは苦しい。人の寿命は不公平である。だが「寿命を大切に生きる」ことは単なる長寿とはちがうはずだ。どうすれば満足な死を得られるか。元気なうちにさがしておく「死ぬのにうってつけの時」とは何か。数々の老人の死を看取ってきた現役医師による“死に時”のすすめ。

裏表紙より

【感想】
 高齢者本人やその家族、そして医療や介護で高齢者と携わっている人にはかなり衝撃的なタイトルと内容。
 簡単に言えば「年寄りはさっさと死ね」と言っているわけではなく、「物事には全てそれに相応しい『時』というものがあって、それを自覚して、ちゃんと向かい入れるだけの心の準備をしよう」ということでしょうか。
 企業もマスコミも、そしてそれに右往左往する我々消費者も、結局長生きの先までは考えていない。自分は、自分だけは健康のまま長生きして、ある日コロリと死ねると思っているのでは?
 しかしコレがなかなか…。
 そろそろそんなことを考えるお年頃です。

【まとまらないまとめ】

 いかがでしたか?
 今週はなんと言ってもこれ↓↓

このつぶやきがすべてなんですが、よくもまぁこんなに続いたなぁ。
 ちなみに調べてみたら、
  500冊め  :負けない/勢古浩爾
  1000冊目:クライマーズ・ハイ/横山秀夫
  1500冊目:めだか、太平洋を征け/重松清
でした。
 そうそう、500冊目の頃って「キリ番」のことなんて考えてなくて、ふと気がついたのが1000冊目前だったという。なんだか懐かしい気もするし、あっという間だった気もするし…。
 このペースでいくとすると通算2500冊目は2025年の夏くらいかな?
 途方もないような、楽しみなような。
 大切なのはたくさん読むことじゃなくて、一冊一冊大事に読んでいくこと。

最後に
 読書っていいよね。


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