【読書記録】2023年4月23日〜4月29日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
いよいよゴールデン・ウイーク!
みなさんはどんなふうに過ごしますか?
私は祝祭日関係ない仕事をしているので、ゴールデン・ウィークも通常運転。
なので、普通に仕事をして、空いている時間はいつも通り本を読みます。
大きな変化はないけれど、これがいちばんの幸せ。
ということで、今週出会った本たちを、ざっくり紹介します。
【2023年4月23日〜4月29日に出会った本たち】
●電子の星 池袋ウエストゲートパークⅣ
【収録作品】
東口ラーメンライン
ワルツ・フォー・ベビー
黒いフードの夜
電子の星
【感想】
これまで読んだIWGPシリーズの中で、この本のタイトルになった話が一番キツかったです。
これは人体損壊映像とそれを撮影した秘密クラブの話で、こんな残酷な趣味を持つ人が本当にいたらと思うと、やりきれません。
第2話の〝ワルツ・フォー・ベビー〟は息子をある事件で亡くしたジャズタクシーの運転手・南条が、その死の真相に辿り着く物語で、純粋な被害者だと思っていた息子が実は荒くれ者だと知った時の落胆と、それを知った上で口にした決断はかなり切ないです。
●反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークⅤ
【収録作品】
スカウトマンズ・ブルース
伝説の星
死に至る玩具
反自殺クラブ
【感想】
今まで読んだこのシリーズ5冊20話の中で、一番心に残った本作の第3話〝死に至る玩具〟。
元々は国内で行われていた仕事が、人件費を削減し利益を上げるために賃金の安い外国に持ち込まれる。この物語では中国ですが、最近はインドとか他の東南アジア各国にも広がっているとか。
第1話の〝スカウトマンズ・ブルース〟は、東大生がやらかしたあの事件がモチーフか。
第4話〝反自殺クラブ〟の中で語られる3つのカウンセリングマインド、共感、受容、自己一致。そして辛抱強く相手の話をただ聴くこと。これがなかなか難しい。
そういえばマコトがGボーイズの力を借りない話って珍しいかも。
●スローグッドバイ
【収録作品】
泣かない
十五分
You look good to me
フリフリ
真珠のコップ
夢のキャッチャー
ローマンホリデイ
ハートレス
線のよろこび
スローグッドバイ
【感想】
石田衣良さんの初期恋愛短編集。
どの話も主人公が都会的でオシャレ、そして登場する女性のほとんどがセックスに対して積極的。こんな女性達に会ってみたかった。いやもしかしたら実は身の回りにいて、自分に魅力がなかっただけとか。
表題作のように「さよならデート」なんて綺麗な別れ方ってできたらいいけれど、実際にはなかなか難しいと思うなぁ。
●夜を守る
【感想】
レンタルビデオ店のアルバイト店員アポロ、区役所で働くヤクショ、古着屋のサモハン、そして障害者施設で暮らすテンサイ。26歳の冴えない4人の男性が、アメ横の治安を守るためにガーディアンを結成!
主な仕事は夜のアメ横をパトロールしながら、乱雑に置かれた自転車を整理し、ゴミを拾い、酔っ払いを看病する。ただそれだけ。そこには石田さんお得意の派手なエピソードも濃厚な濡れ場もありません。だからかなんだか親近感が湧きます。
●40 翼ふたたび
【内容紹介】
人生の半分が終わってしまった。それも、いいほうの半分が。会社を辞めて、投げやりにプロデュース業を始めた喜一・40歳の元を訪れる、四十代の依頼人たち。凋落したIT企業社長、やりての銀行マン、引きこもり…。生きることの困難とその先にある希望を見つめて、著者が初めて同世代を描いた感動長編。
【収録作品】
真夜中のセーラー服
もどれないふたり
翼ふたたび
ふたつの恋が終わるとき
われら、地球防衛軍
はい、それまでよ
日比谷オールスターズ
【感想】
40歳のことを「不惑」といいます。でも実際はそんなことはなく、仕事でも家庭でも毎日戸惑うことばかり。
もしかしたら現役時代の中で、身も心もすり減らし一番元気がないのがこの世代なのではないか。
そんな40代に「ここからもう一丁頑張ろうぜ!」と背中を押してくれる連作短編集。
主人公は二度の転職に失敗してプロデュース会社を立ち上げた男。物語に入る前にそんな仕事で食っていけるのかと心配になった私。
特に心に残ったのは昔の仲間が再集結してあるイベントを成功させるという王道展開の最終話〝日比谷オールスターズ〟。これは長編で読んでみたい。
●MILK
【収録作品】
坂の途中
MILK
水の香り
蜩の鳴く夜に
いれない
アローン・トゥゲザー
病院の夜
サービスタイム
ひとつになるまでの時間
遠花火
【感想】
石田さんの官能小説集の第2弾。
前作の〝sex〟よりもだいぶソフトな印象。
登場人物の多くが10代や20代の姓に貪欲な世代ではなくて、そこから一歩引いた30代というのがなんだか心地いい。
どの話もいわゆる「合体!」に主眼を置いているわけではなくて、それに付属する物事、例えば香りだったり、会話だったり、シチュエーションに目を向けているのが大人の余裕を感じます。
日本はまだまだ「sexは秘め事」という風潮が強くて口の端に乗せるのも憚られる。まぁ開けっぴろげにするのがいいかというと、そうでもない気もするのだけれど。
●隣はシリアルキラー
【感想】
中山作品の警視庁捜査一課といえば、どうしてもエース犬飼が所属する麻生班が頭に浮かびますが、今回捜査にあたるのはライバルの桐島班。
この物語は隣の部屋から怪しい物音が聞こえることから始まります。
そう、マンションでもアパートでもハイツでもメゾンでもなんでもいいけど、集合住宅はやっぱり隣の音が気になりますよね。
今回の主人公はその隣の物音を「人のような何かを解体している」と思い込みます。結果的にはその思い込みは正しいのだけれど、普通は自分も同じ犯罪に手を染めていないかぎり、そういう想像には至らないのではないかと考えてみたり…。
●崖っぷち芸人、会社を救う
【感想】
ある総合スーパーが、スポーツではなく「お笑い」の実業団を立ち上げ、芸人の育成と商売繁盛を狙おうという話。
音楽、美術、そしてお笑い…。生きてく上で絶対必要というわけではないけれど、これらのない世界はやっぱり潤いがないというかつまらない。
ただ個人的には、リアクション芸とか誰かの何かををからかうようなネタはやめてほしい。あと下ネタね。あれは「笑わせてる」のではなくて「笑われてる」だけだから。私はいわゆる正統派の「話芸」が好き!
こんなスーパーがあったら行ってみたいし、地元密着の芸人さんなら応援したい。
●ことばの発達の謎を解く
【感想】
赤ちゃんがどうやって言葉をを自分のものにしていくかを様々な実験を通して解き明かしていく本です。
まずは単語をどうやって聞き分けるのか、そのあと名詞や動詞、色や形、方向の表現etc.これらの獲得法について、日本語だけではなく日本以外の国の言葉との比較まで検証しています。
子供たちのあのかわいい言い間違いがどこから来るのかというのも興味深い。
とにかく大切なのは、赤ちゃんがお腹の中にいる時からたくさん話しかけてあげること。そして生後言葉が出始めたら、寛容な気持ちで付き合ってあげること。言い間違いだって必要なプロセス。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
これで石田衣良さんの作品は34冊読了。
自分には縁がない小洒落た都会的な男女の心理描写と、濃厚な性描写が錆びついた心にグッときます。
このブームは今しばらく続きそう。
そしてお久しぶりの安藤祐介さん、中山七里さんも相変わらずのどんでん返し!
…ということで、よろしければこれからもお付き合いくださいね。
最期に
読書っていいよね。
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