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【読書記録】2023年2月26日〜3月4日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
いよいよ3月。
あちこちで春の便りが聞かれるようになりましたが、この「春」という季節、特に今頃、春の始まりは嬉しい反面、なぜか落ち着かない気分にさせられます。
なんでしょう、この気持ち。
…ということで、早速今週読んだ本をざっくりご紹介します。
【2023年2月26日〜3月4日に読んだ本】
●シューカツ!
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【内容紹介】
大学3年生の水越千晴は学内の仲間と「シューカツプロジェクトチーム」を結成。目標は最難関マスコミ全員合格!クールなリーダー、美貌の準ミスキャンパス、理論派メガネ男子、体育会柔道部、テニスサークル副部長、ぽっちゃり型の女性誌編集志望と個性豊かなメンバーの、闘いと挫折と恋の行方。直球の青春小説。
【感想】
久しぶりのど直球爽やか熱血青春小説でした。
大学3年生の千晴を中心に個性的な男女7人で結成されたマスコミ就活プロジェクトチーム。
合宿でのエントリーシート作りとダメ出し、書類審査から筆記試験や面接と、実際に動き出してからの情報交換を兼ねた近況報告会。
以前勤めていた職場では面接する側だったこともあって、就活していた頃ではなく、面接官だった頃のことを思い出しながら読みました。試験を受ける側はもちろん大変ですが、する側もかなり大変なんですよ。
●ワタクシハ
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【内容紹介】
高校生でメジャーデビューを果たしたものの、バンド解散後は売れないギタリストとして燻っていた太郎。大学三年の秋、慌しく動き出す周囲の言動に違和感を覚えながらとりあえず始めたシューカツだったが…。「元有名人」枠などどこにもないというキビシイ現実の中、太郎は内定獲得に向けて走り出していく。
【感想】
石田衣良さんの〝シューカツ!〟がマスコミ一択の就職活動だったのに対して、こちらは主人公の太郎がありとあらゆる職種の試験を受けまくります。しかもこの太郎、高校時代にあるオーディション番組のギター部門で優勝。結成したバンドはCD30万枚を売り上げ、その年の紅白歌合戦にも出演したという。太郎は音楽業界以外で、新たな自分の居場所を見つけられるのか!?という物語。
私は技術職というか専門職だったので、就職する業界も就職する業種も絞られていましたが、そうでない一般の大学生には、たくさん選択肢がある自由というか不自由さを感じました。
●方舟
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【内容紹介】
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。生贄には、その犯人がなるべきだ。-犯人以外の全員が、そう思った。
【感想】
山奥にある古い地下施設。その施設を興味本位で探検する7人の男女。そこに偶然居合わせる3人家族。探検中に地震が起き、出入り口が閉ざされ、建物を出るためには誰か1人が犠牲にならなければならない。建物の最下層では徐々に地下水が浸水してきて完全水没まで1週間程度。そんな中起こる連続殺人事件!…とまぁ、ミステリー要素てんこ盛りの本作。
殺人を犯した人間と、一人を犠牲にして助かろうとする人間は、どちらが罪が重いのか。
…これは考えさせられます。
エピローグを読んで正直唖然としました。殺人の動機やトリックはともかく、やはり驚くのは最後の結末。
普段ミステリー小説をあまり読まない私にとっては、教科書というかお手本のような物語でした。
●光のとこにいてね
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【内容紹介】
第168回直木賞候補作&2023年本屋大賞ノミネート‼
刊行以来、続々重版。大反響、感動、感涙の声、続々!
令和で最も美しい、愛と運命の物語
素晴らしい。久しぶりに、ただ純粋に物語にのめりこむ愉悦を味わった。
さんざん引きずり回された心臓が、本を閉じてなお疼き続ける──そのまばゆい痛みの尊さよ。(村山由佳)
まぶたの裏で互いの残像と抱き合っていた二人のひたむきさが、私の胸に焼き付いて離れない(年森 瑛)
――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった――
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。
――二人が出会った、たった一つの運命
切なくも美しい、四半世紀の物語――
【感想】
なんだろうこの物語は。なんだろうこの気持ちは。なんだろうこの二人の関係は。
いわゆる毒親に育てられた境遇もタイプもまったく違う結珠と果遠、2人の関係は友達、親友、恋人、…いやそれ以上の何か。うーん、お互いがお互いの光と影?上手い言葉が見つかりませんが、とにかく素敵な、そして切ない物語でした。
世間がなんと言おうと、こんな相手に巡り会えた2人は幸せだったんだと思います。周りはちょっと、いやかなり切ないけれども。
「家族だからってすべてを知る必要はないし、聞き出さなくてもいい」という言葉には納得する反面、昭和生まれのオヤジにはどうもしっくりこないというか、尻の座りが悪いというか…。
◎心に残ったフレーズ
「逃げたって解決にならないなんて言う人は、想像力がない。逃げは立派な解決策なのに」
●みんなのなやみ
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【内容紹介】
付き合うって、どういうこと?親友がいじめられてる。うちの親は過保護なんです!障害を抱えた妹の将来は。リスカがやめられないー家族や学校のなかで誰もが感じる疑問から、人には言えない深刻な相談まで。絶対的な正解は出せないけど、少しでも楽になってほしいから、シゲマツさんが一緒に考え、真剣に回答します。おとなも必読、なやみとともに生きるコツを教えてくれる。
【感想】
理論社から刊行された十代の少年少女向けの「よりみちパン!セ」というシリーズの 〝みんなのなやみ〟と、〝みんなのなやみ2〟を再構成して文庫化した本。
親子関係、友達関係、恋愛、勉強、いじめ、etc.悩みは尽きることがない。たとえ一つの悩みが解決しても、すぐにまた次の悩みが襲ってきます。大人も、子供も。
「なぜ勉強するのか?」という質問に対して重松さんが語った答えに納得。
学歴は、「特別な才能を持たないひとの、最後の武器」みたいなもの
重松さん自身がこの本で書かれていましたが、正直この本を読んだからと言って、悩みが解決するわけではありません。でもこの本を読むことで、少し視点が変わったり、考え方の選択肢が増えることで、肩の力が抜けて、晩ご飯を美味しく食べ、夜はぐっすり眠れるようにはなるかもしれません。
●やらかした時にどうするか
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【内容紹介】
どんなに注意しても、どれほどたくさん知識を備えても、失敗を完全に防ぐことはできません。なぜ失敗したのか、その分析やそれを糧にする方法を身につけ、失敗を怖れることなく果敢にチャレンジできるようになろう!
【感想】
さすがは新書。まずはタイトルが秀逸です。
読み始め、もし失敗してしまったら「逃げろ」とか「他人の所為にしろ」と書かれていてトンデモ本の類かと思いましたが、それは大失敗してしまった時に、自分を責めて鬱にならない、死を選ばないためのとりあえずの緊急避難的な方法ということで一安心。
中身は、そもそも失敗とはなんぞや?というところから始まり、失敗の分類や、職場のリスク管理でよく語られる「ハインリッヒの法則」にも触れられているし、失敗を失敗のままで終わらせないための方法まで丁寧に解説されています。
この本は新社会人にもおすすめ!
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
今回もバラエティーに富んでいるといえば聞こえがいいですが、実に節操がないラインナップになりました。
そう、私の今のいちばんの悩みは、いつまで経っても読みたい本が減らないこと。noteを始めたことで余計に増えたこと。
この悩み、どう解決しましょうか?シゲマツさん。
今回は、この言葉で閉めたいと思います。
「日本中にたくさんいるはずの、だらしなくて、弱くて、ずるいお父さんやお母さん、学校の先生へ。適度なだらしなさや、適度な弱さや、適度なずるさは、あってOKじゃないですか。成長した子どもへ、いつかはそれを、ちゃんと伝えることができれば…。」
最後に
読書っていいよね。