【読書記録】2024年2月4日〜2月10日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
いやはや今週の天気は…。
週の初めはまさかの雪+雷!!
…かと思えば週末は春の暖かさ。
花粉は飛び始めるし…。
冬から春って本来はドキドキワクワクするような、なんとなく待ち遠しい季節のはずだったのに、いつの間にか憂鬱な季節に変わってしまったという。
でも、これを乗り切れば桜の季節!!
穏やかな春がくるまで本でも読みながら待ちましょう。
…ということで、今週出会った本たちをご紹介。
【2024年2月4日〜2月10日に出会った本たち】
⚪️チームⅢ
著者 堂場瞬一
【感想】
〝チーム〟シリーズ、いわゆる「山城サーガ」(って私が勝手にいってるんだけれども)の第4弾。
当時の学連選抜の4人、浦、門脇、朝倉、そして山城+ライバルの広瀬。もうこの名前を見ただけでなんというか同窓会みたいな嬉しいような懐かしいような感覚。
主人公はスランプに陥った若きエースの日向。
浦や広瀬は日向のコーチを、5年前に現役を引退して家業を手伝う山城に依頼しようとあれこれ画策します。これが物語前半。
後半は実際に山城が日向を指導することになるのですが、日向はゆとり世代なのか、はたまた悟り世代なのか、目標ははっきりしないし、限界まで頑張らないし、おまけにメンタル弱々(そうなるにはそれなりの理由があったわけだけれども)。そんな日向に山城はイライラ。
選手としての日向と、コーチとしての山城の成長が読みどころです。
あとがきによればどうやらこの後っ完結編が刊行されるようなので、そちらも楽しみです。
…というか、早く読みたいです。
⚪️金色機械
著者 恒川光太郎
【感想】
ジャンルは時代小説+SF+ファンタジー。この意外な組み合わせからまさかこんな読後感を得るとは…。
時代は江戸時代。物語の中心となるのは自分に対する殺意が見える男・熊悟朗と、触れた生き物を絶命させることができる女性・遙香。そして月から来たというロボット(?)通称「金色様」。
緻密で濃密な物語世界が、善悪や損得といった単純な物差しでは測ることができない、人と人の繋がりの妙を感じさせてくれます。
金色様のこの言葉がじんわり心に沁みます。
⚪️キノの旅ⅩⅢ the Beautiful World
著者 時雨沢恵一
【感想】
今回もビターでブラックな時雨沢ワールド全開!
最も心に残ったのは、犯罪に結びつくような表現を用いた図書を規制するという〝違法な国〟。コレは一時期議論になったいわゆるメディア規制法に対する皮肉ではないかと。
最近の報道を見ると、炎上を恐れるあまり法律で規制する前に自主規制でガチガチになっているような気も…。
次に目についたのは〝必要な国〟。この「必要」とは、誰のため、何のために必要なのかが読みどころ。
おまけの〝いろいろな国〟は、話がポンポン飛ぶと思ったらまさかの夢オチ!?
…だがしかし第1巻のあのエピソードに繋がっているという、ファンには嬉しい展開。
⚪️言い換えるとちょっと得する言葉
著者 川上徹也
【感想】
簡単にいうと、ネガティブな言葉をポジティブに言い換えるための指南書。
「お願いする時、された時」、「断りたい時、断られた時」、「感謝する時、された時」から「仕事とプライベート」まで全7章の章立てで、62のシーン別に具体的な言い換えの方法を解説しています。
2022年刊行なので最近の若者言葉も収録されています。
新社会人や、部下を率いる役職者さんにおすすめ。
ここで問題!
「次のカジュアル言葉をフォーマル言葉に言い換えてみましょう」
①ぶっちゃけ
②ウザい
③バズる。
…答えは本書で。
ところで「エモい」ってどういう意味なの?
⚪️10代のための読書地図
本の雑誌編集部 編
【感想】
「新しいジャンルや作家さんの本が読みたい、でも何を読んだらいいのかわからない」。そんな時に重宝するのがブックガイド。
特にたくさんの人が選者となったブックガイドは、いわゆる「定番」を知るのに重宝します。だって複数の人が勧めているんだから間違いはない!知らんけど。
それはともかく10代向けに作られたこのブックガイドは、おすすめ本を紹介するのに留まらず、本に携わる様々な仕事の紹介や、出版用語解説、本の探し方から読書感想文の書き方まで、実に多方面から本の魅力を紹介してくれています。
もし10代の頃にこの本に出会っていたら…。
⚪️夜ふかしの本棚
著者 朝井リョウ、円城塔、窪美澄、佐川光晴、中村文則、山崎ナオコーラ
【感想】
6人の作家さんによるお勧め本のブックガイド。
元は新聞の連載ということもあってか、一つ一つがコンパクトにまとまっていて読みやすい。
一番心に残ったのは中村文則さんや朝井リョウさんが書いていた「共感」についての話。二人は言います。「共感できる物語=いい物語ではない」と。共感できなかったからといって切り捨ててしまっては「心の幅」が広がらないと。そういう人もいて、そういう物語もあるのだと知ることが大切だし、それが「多様性」ということではないかと。今は作家も読者も、共感という言葉に縛られすぎているのではないかと。確かに。
⚪️高校生からのゲーム理論
著者 松井彰彦
【感想】
タイトルだけ見てテレビゲームなんかを作る人のための指南書かと思って手に取ってみたら…。お恥ずかしながら、こんなことを書いている時点で無教養っぷりを曝け出しているわけだけれども…。
簡単に言えば「勝ち負け」や「損得」について客観的に、そして理論的に考えるための入門書。
自分のことを物事をあまり深く考えず直感で行動してしまうタイプだと思っていた私ですが、もしかしたら無意識にこんな損得の計算をしていたりするのかも。なんて思ってみたり。
まさかゲーム理論でいじめ問題の解決法や恋愛と結婚の違い、新美南吉の「手ぶくろを買いに」について考えることになるとは。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか?
今週の一番は恒川光太郎さんの〝金色機械〟。
常川さんの作品は〝スタープレイヤー〟〝ヘブンメイカー〟に続く3冊目。
感想にも書きましたが、まさに「読書の醍醐味」を堪能した物語。読み始めからぐいぐい引き込まれ、途中時代が前後するので振り落とされないように必死になり、気がつけばあっという間の486ページ。
読み終えてしばし呆然。
だから読書はやめられません。
これからしばらく恒川作品を追いかけようかな。
…積読がたくさんあるのに…。
最後に
読書っていいよね。
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