【読書記録】2024年9月1日〜9月7日
みなさんこんにちは、こんばんは、そしておはようございます。
人生のB面に入ってから読書に目覚めたオヤジ、タルシル📖ヨムノスキーです。
前回の記事でAmazonの電子書籍Kindleを絶賛するようなことを書きましたが、今回はKindleの残念な点を挙げてみたいと思います。
まず当然なんですけど「貸し借り」ができません。著者さんには申し訳ないんですけど、紙の本だったら気軽に「コレ、面白いから読んでみて!」って貸すことができますが、Kindleに限ったことではなくて電子書籍ではそうはいきません。まぁリンクを送ってサンプルを読んでもらうことはできますが、それだとなんかイマイチ広がりに欠けるような。
二つ目は文庫化された時のお楽しみの一つ「解説」が未収録のものがあるということ。物語本編はもちろんですが、誰がどんな視点で解説を書いているのかというのも、本の楽しみの一つだと思うので、これがカットされてしまうのはちょっと残念。ただ誰がどういう基準で決めるのかはわかりませんが、解説は全てカットというわけでもないんですね。ちなみに私がよく手に取る作家さんでは、今村翔吾さんの本は解説がカットされているようです。そうそう、早見和真さんの〝イノセント・デイズ〟も、伝説の辻村深月さんの解説がカットされてましたね。
三つ目は全ての本がKindle化されているわけではないということ。これも当たり前といえば当たり前なんですけどね。例えば私の「ココロの師」重松清さんは著作(小説)が90冊前後ありますが、14冊ほどKindle化されていないタイトルがありました。ファンとしては残念な限り。お願いだから重松さんの〝日曜日の夕刊〟をKindle化してください。m(._.)m
いろいろ調べてみるとちょっと前まではAmazonの商品ページに「Kindle化リクエスト」ボタンがあったらしいんですが、残念ながら今はそのボタンはありません。ちなみに楽天ブックスにはありました。
好きな作家さんでは有川ひろ(有川浩)さんや、高野和明さんの小説は一冊もKindle化されていません。なんでだぁぁぁ!!
ということで、だいぶながくなってしまいましたが、今週出会った本たちの紹介に移ります。
【2024年9月1日〜9月7日に出会った本たち】
⚪️時ひらく
【感想】
老舗デパート三越がテーマのアンソロジー。
いつのまにかデパートはショッピングモールに取って代わられてしまったけれど、それでも昭和世代の人間にとって、デパートってのはやっぱり特別な場所。
まずは執筆陣が豪華。中身もファンタジー、SF、ヒューマンドラマ系と色とりどり。
一番意外だったのは伊坂さんの物語。まさか受験の悩みを解消するためにライオン像にまたがりにきた中学生が実は…!?
読みながら三越はイギリス王室と関係が深いとか、お子様ランチを最初に始めたお店だとか、やなせたかし氏が勤めていたなどのトリビアも満載で、ちょっと得した気分にもなれます。
⚪️無職転生~異世界行ったら本気だす~ 1
【感想】
久しぶりにラノベでもと思って手に取った本書。
34歳の引きこもりニートが交通事故で命を落とし、転生した先は剣と魔法のファンタジー世界。という最近ありがちな導入部。よくある話と違うと言えば転生した先でいきなりチートキャラとして活躍するわけではなく、赤ちゃんからスタートするというところ。
ただし頭の中は34歳の悶々と人生を送ってきた男なので、なんというか品がない。この品のなさが他の人にお勧めしにくい部分かも。
ただ世界観とか魔法の捉え方についてはしっかり練られているし、主人公がありがちなバリバリの剣士ではなく魔術師というのも面白い。
⚪️無職転生~異世界行ったら本気だす~ 2
【感想】
魔法学校の学費を稼ぐために近隣で一番大きなフイットア領の大貴族の娘・エリスの家庭教師をすることになったルーデウス(7歳)。
このエリスお嬢様が超おてんば娘。ルーデウスは転生前に感じていた後悔、葛藤、甘え、失敗を教訓にエリスと信頼関係を築こうと奮闘します。ここが読者を惹きつける大きな魅力だと思いますが、やはり下ネタ満載でちょっと疲れる部分も。こういうムダにムフフな部分も、ラノベのウリのひとつなのかな?知らんけど。
紆余曲折あったもののエリスの心を掴んだルーデウスでしたが終盤にきて魔力災害によって領地は壊滅、家族は離散、自分もどこかに飛ばされて…。
⚪️無職転生~異世界行ったら本気だす~ 3
【感想】
魔力災害で魔大陸に飛ばされたルーデウスとエリスは、デッドエンドという名で世界から恐れられるスペルド族のルイジェルドと出会い、共に旅をすることになります。
初めての実戦と冒険に戸惑うルーデウス。とりあえず目的は二つ。ひとつ目は祖国に帰ること。そしてもう一つはスペルド族の汚名を晴らすこと。
あれこれ思案しながら効率よく楽に問題を解決しお金を稼ごうとして大失敗。この時の頭の中の葛藤が実に詳しく描かれています。いじいじくよくよ思考を巡らせている部分がとにかく長い。
そしてやっぱり思います。下ネタを入れなくても充分面白いのではないかと。
⚪️無職転生~異世界行ったら本気だす~ 4
【感想】
故郷に帰る旅をするルーデウス、エリス、そして護衛のルイジェルド。
魔大陸から中央大陸へ渡るため港町に辿り着いた一行。ルーデウスはそこで魔界大帝と名乗る女の子キシリカに出会い、数秒先の未来を見ることができる「魔眼」を手に入れます。
魔眼はともかくこの魔界大帝の造形というか設定がいかにもラノベ。中盤以降は奴隷として売り払われるところだった獣族の子供たちを助けて云々。
もはや下ネタについては言及しません。
この巻で一番成長を感じられたのは傍若無人なおてんば娘だったエリス。それ以上に気になるのが、前巻に引き続き巻末の番外編。
⚪️無職転生~異世界行ったら本気だす~ 5
【感想】
第5巻の読みどころはなんといってもルーデウスと父親のパウロが再会するところ。もちろんいわゆる感動の再会とはいかず、お互いすれ違った気持ちをぶつけ合い、殴り合い、散々に傷つけあった挙句の和解という感じ。
右も左もわからない場所でエリスを守りながら必死で生きてきたルーデウス。一方同胞や家族の捜索を最優先に考えてきたパウロ。この歳になるとどっちの気持ちもよくわかります。
物語の中で語られるある人物の「自分の子供に期待しすぎなんじゃねーの?」という言葉がとても身に染みます。確かに自分もそうでした。自分の事は棚に上げてね。
⚪️無職転生~異世界行ったら本気だす~ 6
【感想】
前半でまず家族のリーリャとアイシャ親子を救出。そして魔力災害で転移してから3年ぶりの帰郷。しかしそこには難民キャンプ以外何もなく…。
ここで二人を故郷へ送り届けるという目的を果たしたルイジェルドが離脱。そしてルーデウスには更なる試練が待ち受けていました。
気になるのは絶対的な力の持ち主、龍神オルステッドと彼に従うナナホシという女性、そして度々登場する人を食ったような性格のヒトガミの存在。
このシリーズは全26巻なのでまだまだ物語の1/4弱。母親やシルフィとの再会も果たせていないし、ルーデウスは今後どこまで成長するのかが楽しみ。
⚪️面白南極料理人
【感想】
自分が見たことも聞いたことも、想像もつかない現実を知ることができるっていうのはやっぱり面白い!
海上保安官で第30次と38次の南極越冬隊に参加した著者による、知られざる南極越冬隊の毎日を綴ったノンフィクション。
-70℃の極寒の地で、ほんの数人の隊員たちが一年以上顔を突き合わせて生活する世界。
読んでみるとガンガン酒は飲むし、けっこういい物を食べていて楽しそうだけれど、多分実際にはかなり過酷。天然の冷凍庫のような環境で食材の鮮度を保ち、水は節約、できるだけゴミを出さないように工夫しながら、バランスよくバラエティに富んだ食事を提供しなくてはならない。
世代的に南極越冬隊というと、映画「南極物語」の印象が強いので、涙腺崩壊の感動秘話みたいなものを想像してしまいますが、読んでいて悲痛さや切迫感を微塵も感じさせないのは西村さんのキャラクターのなせる技か。
【まとまらないまとめ】
いかがでしたか。
今週は珍しくライトノベルを集中して読みました(まだ途中だけど)。どうやらこの〝無職転生〟シリーズは、いわゆる「転生モノ」の草分け的作品だとか。アニメ化もされているので観てみたら、映像的にも物語的にも(もちろん下ネタ部分も)かなり丁寧に作られていて驚きました。
本編の感想でも触れましたが「どうも下ネタがねぇ」とこの本を勧めてくれた息子くんに言ったら「もっと深い部分をちゃんと読め!」と一喝されてしまいましたとさ。(汗)
最後に
読書っていいよね。
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