いつから

いつから私は

ここにいるのだろう？

私はいつからこの家に

いるのだろう？

ふと思った。

私はこの部屋にいる

色々なものの事を知っている。

これは、先週来たよね！

あれは、1月前に来たよね！

でも、私は？私は？私は？

いったい？いつ、来たのだろう？

この部屋の窓側の

割と高い所が私の居場所だから、

他のものが来たのはわかる？

でも、私がいつからいるのか？

それは、思い出せない？

私よりももっと前に来ているものは？

私はこの部屋にずっといるサボテン

に尋ねた。

サボテンは私が来る前から

ずっといる。

私が尋ねると、サボテンはこう言った。

『ハタキさん！

ハタキっていうのも、

初めは使うけど、時間が経つと

使わなくなるもんだね。

あっしも、ハタキさんと同じく

主人にあっていないと、

いつから私はここにいたのだろう？

そう、ふと思う事があるんです。

まっ、幸いあっしは、一月に1度

水をいただくので、かろうじて

感覚はあるんですがね！

ハタキさん！あんたは1年前から

この部屋に住んでます。』

そうか、私は1年前からここに

住んでいて、1年もの間使われていない

から、分からなかったのか！

ハタキはそう思った。

そして、記憶を取り戻すとともに

自分のしている仕事が

ホコリを落とす仕事をしていた

事を思い出すのであった。