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今夜は、体験者として詐欺にあってしまう心理メカニズムを探ってみました

さて、今日は詐欺のお話です。本当にいろんなところで詐欺は行われていますが、みなさんは詐欺にあったことはありますか?僕はありますね。3度ぐらい詐欺にあったことあります。

僕が騙された事例

そのうちの2回は詐欺とまでは言えないかもしれませんが、うまく騙されてしまった感じですね。

1回目は大学に受かって、名古屋から初めて東京に行ったときでした。新宿駅の南口で若いお姉さんに声をかけられて、映画館のチケットを売られたという経験です。英会話のテープもついていたかもしれません。

「この会員券を買うと、映画も何回か観られて英会話のテープがついてきて、すごくいいよ」と。

いくらだったか忘れましたけど、「毎月いくらいくらで、どうですか?」というもの。

おそらく相手はローンを組ませることが目的で、「大好きな映画が観られるからいいか」と思って、そのとき喜んでいたら、なんとその映画が指定されたもののみでした。この時間帯のこの映画と決まっていて、全然観たくないやつばっかりでした。「うわ〜、やられたな〜!」と思いましたね。

2回目は、少し恥ずかしい話なので、またリアルでお目にかかるときに、どんな詐欺にひっかかったか聞いてください。

出典:ACイラスト

3回目は結構最近、ここ5年ぐらいの話です。仕事上で出会った人がいて、その人と組んで3年ぐらい仕事をしていました。それもかなりがっつりと3年間仕事をしていました。多いときは週5で会う感じで。ずっと密に、かなり仲の濃かった人がいまして、少し大きなビジネスの話をもらったんですね。

「こういうような話があるけど、やってみないか?」

ということで、金額にすると投資額は300万円。「うわ〜、300万か。でかいな」と思いましたが、彼と一緒にやってきた仕事がもっと大きかったんですよ。取り分というわけではなくて、2人で成し遂げたのが3年〜4年かけて1000万をこえるぐらいの仕事でした。

その仕事が続いていたんですよね。その仕事もやりながら、「もうちょっと違うところでも、こんな仕事僕始めたんだけどどうですか?」と、出てきた仕事なんですよ。

僕は彼を信用していたので、「じゃあ…」と言って、300万円を投資しました。そうしたら1ヶ月、2ヶ月ぐらいですかね。連絡がつかなくなり、騙されたとわかりました。

ただ彼のことは僕よく知っていましたし、どこに住んでいるかや、何をやっているかも知っていました。そのうえ、契約書のようなものも交わしていましたからね。それで僕は「これはちょっとダメなんじゃないですか?お金返してくださいね」と弁護士をたてまして、お金を簡単に取り戻せることができました。

ただ、この話が少し複雑でして、「ドラマじゃないか?」みたいなオチがついているんですけど。そこからしばらくして、僕をだました人は死んだという話を弁護士から聞きました。
 

人間は騙されるいきもの

なので、何が言いたいかと言いますと、

「こういう風にして詐欺の人たちは心の隙間に入ってきますよ」
「あなたの心を掴んで、あなたをだましていきますよ」

という話をする側です。人の心理などをお伝えしているその僕が、きれいに騙されているんですね。

今考えても、当時の僕が騙されていなかったということはないだろうなと思っています。僕があのとき300万円の出資の話を断るということは、「僕は彼を信用していない」、「おまえなんか信用するに値する人間だ」と言っているのとイコールですからね。

そこまでに3年〜4年積んできた信用というものがある。それを信じられない自分が嫌だったというのがあるので、同じようなシチュエーションになっても、やっぱり僕は同じように騙されたのではないかなと思います。

ここからがちょっと大事な話です。もう誰も信用できない、ということになってくるわけじゃないですか、こうなると。その場合、もう道は2つに1つしかないと思います。
 

道は2つ

1つは契約でがんじがらめにする。何を始めるにしても、契約書を交わしましょう。アメリカ的に分厚い契約書をキチッと交わして、その上で仕事をしていくというのが1つのやり方だと思います。

もう1つは、「だまされてもしかたがない」と腹をくくっていく、というやり方です。それも1つだと思います。

どちらが良いか、僕は言いません。ただ、人は心底どれだけ気にしていても、どれだけ気をつけていても、騙されるときは騙されてしまうということです。それはもう究極な話になってきますが、もちろんその前に留まることもできますよ。

詐欺師に学ぶ!騙されない方法

どこで留まるのかというのは、詐欺師の話を参考にしてみましょう。イギリスで稀代の詐欺師と言われていた、オバーランドという人が捕まりまして。捕まったあとに1度だけマスコミのインタビューに答えています。

「オバーランドさん、あなたは『稀代の詐欺師』と言われていますが、一体どんなような心理スキル、心理メカニズムを使って詐欺を働いているんですか?」

とマスコミが質問をすると、

「いやいや、私が使っているのはたった1つだよ。それは人の『欲』というものに目をつけるんだ」

少し文脈は違うかもしれませんが、とにかく欲をくすぐる、刺激を与えていく。それをすることによって詐欺は成立するということ。まさにこれだと僕は思います。

1番最初に僕が詐欺にひっかかった話も、

「月これぐらいだけ投資すれば映画が何本観られるんだ」
「英会話のテープが手に入って、英語がベラベラしゃべれるようになるんだ」

という僕の中に「やりたいな」、「ラッキーだな」、「ほしいな」という欲がありました。

「得する」というのは欲ですよね。映画に関しては「これをすれば得する」。英語に関しては「英語がしゃべれたらモテるだろうな」という欲があり、そこをうまく転がされたと僕自身でも思っています。

なので、詐欺にひっかからないようにするために心がけておくことは、ただ1つです。自分の心が動いたとき。「これは何だかあやしいな」と思いながらでも動いたとき、自分の欲がどれぐらい大きくなっているかを客観視するということですね。

すごい欲が大きくなっていて、その欲によって突き動かされているのであれば、「ちょっと待て!」と言って、やらない選択肢を考える方が良いことが多いですね。僕の経験から言って、欲まみれになっているときはです。

ただ、3回目の信用を積んできて最後にだまされた件は、僕はもちろん欲がなかったとは言いませんけど、欲ではなくやはり信用の上に成り立っていたので、これはまた話が別です。そこまで3年〜4年かけて300万円という詐欺であれば、もうやられてもしかたがないなと僕は自分では思ってしまいました。

綺麗事に聞こえるかもしれませんが、そんなようなところも含めてただ1つ。欲にやられたら詐欺にやられる。これを大前提としておさえておいてみてください。
 


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