うつわ 人器と天器 その2

 他には、易経の始めに、乾為天(けんいてん)龍に例えた教えがあります。この乾為天は、潜龍(水底に潜んでいる龍で、今は力を備える時期で、軽々しく用いてはならないとあります)⇨見龍(初めて地上に姿を見せ田圃に現れる龍で、大人(徳のある人)から習い学ぶ時です)⇨或いは踊りて淵に在る龍(習い学びが進み勢い良く進むが経験値が足りない、失敗から多くを学ぶ時期)⇨飛龍(潜龍が見龍となり時を得て飛龍となり恵沢を万物に遍く施せる様になるがそれは大人の輔があっての事、謙虚でなければならない)⇨そうして亢龍に至ります。飛龍でトップを極めますが、盈つれば必ず欠けて行くのが天地の定理、驕り亢りで周囲のものたちが離れて行き、やがて降龍となる事を自覚して、行動選択しなければなりません。
 龍は、雲を呼び雨を降らせ大地を潤す力を持っていると信じられている事により有り難がられますが、龍(トップ・リーダー・社長)は、雲(部下や周りの取り巻き)が無くては雨を降らす事はできません。龍と雲は相互依存とも言えそうです。陰陽相見えて初めて大業がなせ、地上の総ての物を潤す力となり得ます。それを受け大地はどんどん豊潤となります。我々も天から絶えず恵みを享受できている筈なのですが、しかし、『天地人』天の恵・地の恵に懐かれている人が恩恵を受けることができてない、受けようとしないのは勿体無い話です。皆さんは如何でしょうか? 享受できていますか?
                                  つづく

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