知的財産及び情報マネジメント法務。経営資源「チエ」の調達・活用に関する個別法務課題>知的財産法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>営業秘密の管理>使用、開示、取得_知財法務百科>企業法務大百科
現在では、営業秘密を
「使用し、又は開示」
する行為のみならず、
「取得」
する行為も処罰されます(不正競争防止法21条1項)。
この点、2009年4月に成立した不正競争防止法の一部を改正する法律(2009年法律第30号)が2010年7月1日から施行され処罰範囲が拡大されています。
これは、従来、産業スパイのような
「不正競争」
を目的とするものなど違法性の程度が高い類型に限られていましたが、情報流出の類型が増えたことに対応して処罰範囲を拡大したものです。
具体的には、恨みを持つ会社に復讐する目的での情報流出も刑事罰の対象になりました。
また、どのような
「取得」
行為を罰するのかという点についても、従来は、CD-ROM等の記録媒体の取得や複製に限って罰せられていましたが、秘密を知る人をだまして情報を聞き出したりという情報媒体を介さない行為も罰せられることとなりました。
加えて、これまでは実際に第三者に情報を漏らしたり開示したりするまでは罰せられませんでしたが、
「消すようにと命じられたにもかかわらず保有し続けた上で偽る」
など、機密情報を不正に持ち出す等の行為も刑罰の対象となり、刑罰の要件が時間的に前倒しされた点にも留意が必要です。
なお、2011年改正により、刑事手続において営業秘密の秘匿について配慮する手続が法定されましたので、当該措置を求めることで、秘密を保ちながら告訴等を行うことが可能となっています。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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