見出し画像

裁量労働を使えばサービス残業OK?_残業トラブル対策法務事典>労働法務百科>企業法務大百科

相談者プロフィール:
株式会社楽大・システムズ 伊集院 輝(いじゅういん てる、45歳)

相談内容: 
先生、ちょっと困ったことがありましてね。
最近退職したウチのシステムエンジニア(SE)が、未払いの残業代1千万円を払えっていってきたんですよ。
でも、ウチの会社では、そのSEが入社する前から、SEについては裁量労働制を採っていているので、残業代は払わなくていいはずじゃないですか。
法律でそのとおりに定められているんですよね?
入社時にもその旨ちゃんと伝えていましたし、
「IT企業は残業代が出ない」
なんて業界の常識ですよ。
裁量労働制を導入すれば人件費を節約できるって聞いたのに、残業代を払わなければいけないなんて、話が違うじゃないですか!
まぁ、社内ではSEとプログラマーとの区別なく、そのSEにもシステム設計・分析とプログラミングの両方をさせていて、ついでに営業もやらせていたんですけどね。
でも、ウチみたいな小さい会社は、どこもそういう風にしてますよ。
それと、ウチは下請なので、システム設計も取引先からの指示に基づいて、納期までに仕上げるというようにしていて、こちらには裁量なんてほとんどないですけど。
でも、実態はともかく、ちゃんと労使協定や届出も済ませて裁量労働制を実施しているんですから、残業代払わなくていいはずですよね?

本相談を検討する際の考慮すべき法律上の問題点1:「裁量労働制」とは?
世の中には、決まった時間に出社して、上司の指揮命令下で働く一般の会社員と異なり、成果さえちゃんと出していれば良いとされ、時間の使い方・仕事の進め方等についてその労働者自身の自由度が高く、一般労働者と同様に労働時間を厳格に規制することには馴染まない業務もあります。
そして、そのような業務の性質上、労働基準法施行規則24条の2の2第2項に列挙された業務に関しては、労使協定を結び労基署に届出を行う等により、
「専門業務型裁量労働制」
を導入することができます。
対象業務には、研究者や弁護士等の士業といったいわゆる専門職が多いのは、その名のとおりです。
通常、賃金は実労働時間に応じて計算されるものですが、この制度の導入により、実労働時間に関係なく労使協定で定める時間数労働したものとみなされ、それに応じて賃金が支払われます。
したがって、みなし労働時間数を8時間とすれば、実際にはそれ以上働いていたとしても、残業代が発生しないということになります。
ただし、・・・(以下、略)

以下、ご興味のある方は、

をご高覧ください。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ

企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?