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波多野渉のTM NETWORKカバー曲、ラジオ番組・ShinnosukeのPop Life VOL.136にてオンエア

 12月3日に放送された、DARAZ FMの番組・Pop Lifeの第136回目を聴いた。まずはShinnosukeが近況を語る。墓参りのために約3年ぶりに京都を訪れると、観光客の姿も見られ、人出が戻ってきているのを感じたという。

 自分のインスト曲をかけた後に、最近のスタジオ・ワークについて触れた。声優・波多野渉のアルバム『TORUS』の制作が決まった。そこで、彼がライブで披露していたTM NETWORKのカバーを、スタジオ・レコーディング作品としてきちんと録りたいということで、Shinnosukeにオファーがきたそうだ。

 楽曲はシティーハンターのエンディング・テーマ『Get Wild』だ。ライブはオリジナルに沿ったアレンジで行われていた。だがShinnosukeも思案を巡らせた結果、ここではTM NETWORKの過去の数々のライブ・アレンジから、さまざまなエッセンスを1曲に詰め合わせてみることになった。
 波多野渉もTM NETWORK好きである。音源が届けられると、「この部分はあのアレンジですね?」といった反応が返ってきたりして、FANKS同士で盛り上がったという。
 Shinnosukeはこの作品の使用機材も挙げていた。まずはMemory Moog。間奏の大胆な音色で派手に動くパートのことだろう。それからENSONIQのブラス音。サビの後半部分から現れる、ピート・ハモンドによるリミックス『GET WILD'89』のリフを想起させるパートのことだろうか。
  Spotifyでは、公開から半月足らずで再生回数2000回を突破した。

羽多野渉『Get Wild』

 Shinnosukeはこの作品の参加ミュージシャンも紹介している。TM NETWORKの音源だと、ベース・パートはプログラミングされたものである場合も多い。だがこちらの作品はベーシストによる実演奏で、クラムボンのミトが担当している。
 ギターは木村健。globeのライブやレコーディングで名前がクレジットされている。通なファンなら、金髪にサングラス姿のギタリストが思い浮かぶのではないか。筆者には、赤いギターに黒い衣装のイメージがある。globeのTV出演の映像を見返してみると、映りこんでいるかもしれない。

 筆者もこちらを聴いてみた。アニメで使われたオリジナル版の間奏だと、サビまでで大きく打ちあがった波が一旦引く感じがするのに対し、こちらのカバーは間奏でも休まずたたみかけてくる感触だ。また、他にも多数あるカバーでは見かけないような、独自のコーラス・ワークも聴きどころ。いろいろなバージョンをさんざん聴き回っているファンにとっても、新たな驚きを持つ鑑賞ポイントがある。

 秋から年末に向けて、他のアーティストのライブを観覧する機会が多かったというShinnosuke。小室哲哉と木根尚登のソロ公演は観ることができたが、宇都宮隆だけはどうしてもスケジュールの都合がつかなかった。この秋は機会を逸して残念がっていた。見る側に回ると、勉強になることも多いという。
 FENCE OF DEFENCEのライブは、先の木村健と一緒に観たそうだ。年齢をまったく感じさせない先輩の凄さに、2人とも圧倒されたという。特に代表曲の『SARA』では涙腺にグッとくるものがあったと言っていた。『Get Wild』では泣かないけれど、この曲はまた別なようだ。西村麻聡と宇都宮隆、それぞれの歌声の持ち味の違いについても、所感を語っていた。

FENCE OF DEFENCE『SARA』

 もう一曲、アニメ『三国志』の主題歌もオンエア。曲の構成について語る。一般のポップソングでは、導入となるAメロから最も盛り上がるサビへ移るまでに「はい、いきますよ~」と言わんばかりの橋渡し的なパートがあるのが普通だ。だがこの楽曲では、その「はい、いきますよ~」をスッ飛ばした、急な展開をしている。Shinnosukeも意表を突かれた、注目ポイントだ。

FENCE OF DEFENCE『時の河』

 余談だが、Shinnosukeは母親が営んでいた飲食店で昼食をとっていたころ、そこに置いてあった『三国志』のコミックをよく読んでいたそうだ。この曲を聴くと当時が蘇るという。 
 今回の放送では、オンエアされた楽曲について、ミュージシャンならではの見解を聴くことができた。実際に音楽を制作する立場からの、一歩踏み込んだコメントが伺える。そんなShinnosukeのレギュラー番組・Pop Lifeを、一度聴いてみてはいかがだろうか。

 年末はShinnosukeが出演するイベントもある。こちらもチェックしておきたい。

TM NETWORK Respect Night Come On Let's FANKS!! :12月15日。場所:duo MUSIC EXCHANGE

松岡英明の音の世界:12月23日に東京、24日に名古屋、25日に大阪で開催。


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