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とある夜の越え方

とりとめもないことを考えている。とりとめのないことなので、まとめることもできない。現実のことを考えているようで、はて、これは一体なんの話だったか。
こんなことを考えるということは、きっと自分はこんな状態なのだろう、あるいはあんな状態。良し悪しをなんとなくつけながら、なんとなく出来た人間であろうする。
誰にも見られていないものを誰にもばれないように、不正でない程度に湾曲する。もっと残酷でどうしようもない自分をそこに透かし見ながら。
とりとめもないことを、ただ徒然に考えることもままならないのか。
まぁなんたる飼い猫風情。
あちこち行っているようで、行き着く先は同じ場所である。だがしかし、行き着かぬように歩む道の細部をいちいち観察しては
「あらこれはなんて名前の花だったかしら」
「どこか懐かしいにおいがする」
あーだこうだと牛歩大作戦。
なんの答えも出したくない。ネットフリックスよどうもありがとう。
今、とかここからしか繋がっていなかない明日、とかまたその先の明日の積み重ね、とか。
398円のみかんのネット一袋を食べた腹はちゃぷちゃぷである。午前1時はまだ夜明けまで長すぎる。酒を飲むには明日の起床時間が気になる。
最近よく会うあの人に連絡しようかな、なんて送ろうかな、やっぱやめとこう。
なにも正しくない、そう、なにも正しくない。今から繋がっていく明日なんて、でも明日の起床時間は。
やっぱりネットフリックスよどうもありがとう。

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