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鬼ヶ島 桃子
2018年8月6日 00:01
好きな文章、というものが誰しもにあると思う。読みやすい文章、うまい文章という類のものではなく、文体や行間を含んだ、存在感を放つ言葉のまとまりのことだ。私は読後なにか書きたくなる文章が好きである。考えさられる文章とは少し違う。それは心に直接作用し、新鮮なのに圧倒的に懐かしい説明しがたい感覚、を呼び起こしてくれる文章であり、胸元にじんわりと拡がる不確かななにかを、確かめずにはいられなくなるよう