27年前の手紙
サロンをお片づけしてたら、見慣れない名前からの手紙が出てきた。読んでみたら、すぐにわかった。カウンセラーになる前も、前、専業主婦時代の終わりころに参加した市が主催の心理学系のセミナーでご一緒だった方だ。「二人三脚のようなステイルで片方の足を相手の足とつなぎ、一切の言葉を交わしてはいけない。終始無言がルール。会場を出て、近くの公園で何かを持ち帰る。」というワークだった。
私はまだ28歳か、29歳になったころだろうか。託児ありのセミナーで、末息子を初めて預けて参加した。この後に、私は法律関係の仕事に就くのだけれど、やっぱり心は心理学に向いていたんだと思い出させてくれたお手紙。私も同じように彼女に手紙を書いたと思うのだけど、あの時の私はどんな手紙を綴ったのだろう。この手紙には、嬉しいことがたくさん書かれていて、手放せなかったのだと思う。まだカウンセラーになるなんて夢に描くことはあっても、全く現実的ではない頃のこと。強引ではないリーダーシップ、何かに立ち向かうたくましさ、温かい心。私が何も語らずして伝わったものがそれだったなんて。肩書きのない「わたし」。きっとそれが「わたし」なんだと、時を超えて教えてくれたような瞬間だった。一期一会を大切にしてきたつもりで、これからもそうありたいと思っているが、また会いたくなった。あれから、どんな人生を歩んでこられたのだろう。今頃、何をしているのだろう。出会いは人生の醍醐味であり、奇跡だと思う。それをしみじみ感じさせてくれた手紙だった。
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