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You Never Walk Alone

無数ある言葉の中、好きな言葉は?
って聞かれると真っ先に思い浮かぶのがこの言葉。

WINGS外伝、2つ目のフルアルバムのタイトル。
BTSというグループのメンバーの人柄、語ってきた言葉、歩んでみた道のりがあってからか、それがなくてもか。

たった4つの単語だけど、この4つの単語でできた1文節から、無数の感情が湧き上がる。言葉の外部を纏う冷たくて薄暗い空気。そして言葉自体が持つほんのりとした温かい灯り。極寒の中で差し出されるカイロのような。
そんなものを感じて、言葉を聞くだけで泣きそうな気持ちになってしまう。

なんでなんだろうなと思って、あくまで私が感じたことを綴ってみた。


“I”ではなくて”You”
この時点で、もう1人じゃないんだよ。語りかける人と、語りかけられる人がいて。”You Never Walk Alone”と相手に伝える行為がある。気遣いや同情でもない、温かくて優しくて、そして強い。そんな想いと、二者がこれまで築いてきた関係があって、相手にかけられる言葉。



”Alone”を否定する”Never”
この二つの言葉がたまらない。
だって二つの言葉は、どちらも永遠だから。

人はいつだって孤独を感じる生き物。人と一緒にいたって、楽しくたって、幸せなときだって、どんな時でもふと、突然孤独感や虚無感に襲われ、その感情に苦しみ、闘わければならない。その感情の波がいつ襲ってくるかはわからないし、その都度どれほど長く続くかもわからないけど。死ぬ時まできっと続く、無条理な闘い。

それを全部ひっくるめて、一発で全てを否定する”Never”。
“Don’t” “Won’t” そんな言葉よりもはるかに強い。Neverが保証してくれるのは今だけの話じゃない。過去も現在も未来もずっと。どんな時だって1人じゃないと、言い切ってくれる。

信じたい人による、愛を含んだ信じたい言葉。
どれほど心が楽になるだろうか。

もう一つ、"Never"という言葉が素敵だと思う点。
”Never”は「力強い慰め」でもあり、「相手に教えてあげる」の要素がより濃く出るように感じる。

”You don’t walk alone”よりも”You never walk alone”

「1人じゃないよ」というより「もしかしたら気付かない時もあるかもしれないけど、あなたは1人じゃ絶対ないからね」と。今まで自分、今を生きる自分、そして将来の自分。その時その時で一緒にいる人が違うかもしれない、もしかしたら遠くにいたり見えづらくて気づかないときもあるかもしれない。それでも誰かは必ず隣を歩いて手を握ってくれているんだよと教えてくれているように思う。


時の流れを示す“Walk”
”Walk”という言葉に時間の進みを感じる。決して、今やある瞬間の話をしてるのではない。Walk、歩み。きっとこれは、人生そのものなんじゃないかな。目的地があってもなくても、前に向かって進んでいく、Walkという言葉から感じる「前進」「生きていくこと」。

”You Are Never Alone”ではなく
”You Never Walk Alone”だから。この歩んでいく人生そのものが、1人じゃないよと教えてくれている。

それも、”Walk"という言葉によって、一枚縄ではいかない、様々な障害が起こりうることを承知した上でかけた言葉のように感じるの。なぜなら歩くことは決して簡単なことではない。雨の日や風の日、疲れた日や怪我をした日。道がデコボコしたり坂だったり、二つに枝分かれをしたり。真っ暗で前が見えなかったり、寒さで震えが止まらなかったり。苦悩や戸惑い、迷い、数々の無数の壁にぶち当たる、人生という名の歩み。

簡単ではないことはきっとわかっている。そのうえで進んでいけるよと。1人じゃないから。

こんなメッセージを歌ってくれる防弾少年団。
これを考え、企画した方々の創造力は凄まじい。たった4文字だけど、無限の優しさ、無限の愛を感じ取ってしまう。そんな温かい言葉を、そのメッセージを背負えるのはこの7人だからじゃないのかなと思ってしまう。
その言葉の中で、永遠に進んでいきたいと思う。



最後に。”You”と語りかけ、自分以外の人、社会、外を見つめ相互関与を見つめたあと、”Love Myself” という”My”、自己と向き合うことにフォーカスする流れ。
やっぱり今世紀最大の芸術なのではないかなと感じる。これが世界を虜にしたBTSの軌跡なんだなと。




これの1:50大好き


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