「本」と「思想」、明治期に関する記録と整理
ぼくは今、『恋愛制度、束縛の2500年史』という本を読んでいる。日本とヨーロッパの「恋愛」について古代ギリシャまで遡り、歴史を辿りながらその恋愛観の違いについて記述した本だ。
そこからふわっと思いついたことがあったから記録としてnoteに残しておく。
明治期について
明治は日本が欧米文化をひたすらに吸収しようと躍起になっていた時代だ。江戸幕府が倒れ、鎖国状態にあった日本が開国される。それと同時に世界と科学技術に大きな差があることを知り、必死になって追いつこうとする。そんな風潮から当時の多くの知識人たちは「欧米文化は優れており、日本文化は劣っているものが多い」と錯覚するようになる。無論、そんなことはないと思うし、劣っていたのは科学技術だけである。と筆者も言っている。
ぼくが気にかかったのはここらへん。
個人主義とは全く縁のなかった日本が、個人主義に根差した当時の欧米文化を受け入れ、現代に至るまで確実にそれを定着させていったことに素直に驚きを覚える。もちろん家族制度や根本的な思想について革命が起こったわけではないが、多少なりとも「変化」が起こったのは確かだろう。
明治時代、メディアが現代のように発達していない時代。思想を広めるためにはやはり「出版」が大きな役割を果たしたはずだ。政治に対する意見などは中央公論をはじめとする数多の出版によって支えられ、それらが当時の日本の思想ネットワークとして機能していただろう。
しかし大衆は本を読まない。これはヒトラーも言ってる。じゃあ出版が主要メディアだった時代ってどうやって思想を広めようとしたんだ?と思った。知識人→大衆のように当時の「流行りの思想」が伝播していったのだろうか?
事前に触れておくけど、ぼくは学者じゃないから細かいことはわからない。ちゃんとこのことについて考えようとすると間違いだらけだろうけど、まあ許して欲しい。
日本で個人主義が根付かなかった背景として「革命」が起こらなかったことが一つの要因に挙げられると思う。本にもそう書いてあった気がする。
江戸時代の封建的社会は大衆の革命によってではなく、トップダウン型の権力の入れ替わりによって崩壊していった。これが私たちが「権利」「自由」などの観念が薄いことの一つの要因だ。
それに封建社会が崩壊してからまだ200年経っていない。世代にしていえば4世代くらい?歴史が浅いんだろうな。
「恋愛」という単語は欧米文化の輸入によって生まれたものらしい。知らなかったでしょ?ぼくも知らなかった。元々は「色」とか「情」とかいう感覚が日本にはあったらしい。言葉だけじゃよくわかんないけど。
イデア論や神話に基づいた「Love」。これは未だに日本人の感覚では掴み切れていない。普段から「愛してる」だなんて言わないもんね。不思議だなー。
ロマン主義→現代の「恋愛」を解き明かす上で重要なキーワード。