涼しげ女子はどこの製造ラインで作られますか?
夏。麦わら帽子。白いワンピース。風に靡くウエーブのかかった長い髪。
オプションは編み上げた籠のついた自転車か、毛の長い大きい犬。
私の中の夏のお嬢さんのイメージだ。
今日は通院の日だった為、お昼休みの時間を使い病院へ。
テレワークになってから、地元の病院に変更をしたので自転車で向かう。
近い距離といえど、日焼け止めは欠かせない。
社会人になってからというもの免疫力が下がったのか、日差しに弱い。陽に晒された肌は、すぐ赤くなり痒くなってしまう。ツバの広い帽子も忘れてはいけない。
強い日差しが降り注ぐ中、ペダルを漕ぐ。
風を切って走っているはずなのに、体を包む空気は重苦しい。
身体の輪郭を知らせるかのように、汗が伝う。
この時期、袖がある服は着られない。
そうなのだ。この時期の私の悩みは袖がある服を着られないこと。
髪の毛の内側からふつふつと、気付けば背中を滑り台がわりに、静かにけれど確実に私の肌が汗を生み出していく。
脇に触れる布が色変わりしていないか気が気でない。
そんな不安から、袖のある服はつい避けてしまう。
袖のある服を着る場合は、暑いのを承知でその上にもう1枚重ね着をする。そうすれば、万が一色が変わってしまってもバレることはない。
白いワンピースと陽に透けた髪を揺らす風は、麦わら帽子を攫っていく。青が高い、雲の白との境界がはっきりとした空へ。
舞い上がる麦わら帽子を見上げる為、視界を遮る髪を耳にかけるのは細い指。
太陽の下に連れ出された瞳は黒く、夏の暑さで頬はほんのり桃色に染まっている。
ある?
これ、ある?
現実に起こり得る?
もう、髪の毛とか風にそよそよ靡くほど乾いてないから。
帽子の下は大洪水で、頭やら顔にやら簡単に払いのけれないほど纏わりつくばかりだ。きっとこの髪の毛は、風に靡くことを忘れてしまった髪に違いない。
あの涼しげ女子にはどうしたらなれますか?
病院に行って帰宅しただけで、池から這い上がってきたかのような姿に仕上がるんですが・・・?これいかに?
どんなにきちんとメイクをしても、夕立ちに遭遇したかのような化粧の落ち具合だ。眉毛なんてもはやない。マロ眉だ。アイラインは滲んでしまっている。
あっ、という間に砂隠れの里の我愛羅さんの完成だ。
涼しげ女子の製造ラインにどうやら今年も乗れなかったようだ。
人生に一度で良いから、そのラインに乗って、夏を優雅に満喫してみたい。
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