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希望の地球(ほし)
2021年 第77回現展出品作『希望の地球(ほし)』について
2020年の秋 秋田県の八幡平にある後生掛自然研究路、玉川温泉自然研究路に出かけて地球の息吹に触れてきた。
2020年のはじめからコロナ禍になって取材にいけなくなってからずっと、
「泥火山がみたい…」という欲求はどんどんたかまっていて、もうどうしても見ないと次の制作にかかれないほどになっていた。泥火山を初めて知ったのはNHKテレビの番組「グレートネイチャー」だったと思う。
ドキュメンタリー番組をよく見る私は、いつも行ける場所を探している。
行ける場所とは、危険を伴わずにということである。手すりのないところや足場の悪いところは介助者もろとも転落とか大けががつきものの取材になってしまうので、それは避けなければいけない。それで事前に良く調べる。もちろん手すりの確認だけでなくトイレが近くにあるか。人がいるところまでの距離はどのくらいか、途中で歩けなくなったときに休むところがあるかなんかも調べておく。「自然研究路」として入れるところが整備されているなんて私にとってはうってつけなのだ。
まずは後生掛自然研究路
はたして・・・・
思いっきり大地の息吹を感じることができる場所だった!!!
ぼこぼこと噴き上げる泥、尽きることのない熱。時々「ぼっ」と言って泥の塊が飛ぶ。
「94℃ 柵の中には足を踏み入れないでください」と注意書きがある。
『地球の手紙(泥火山)』2021年 S3 個人蔵
少し緊張感を持ちながら、こんなところが日本にあった。出会えたことに感動した。
次は玉川温泉自然研究路
入口でござを買って中に入る。硫黄のにおいと湯気。黄色い結晶はとげのようにキラキラ輝きまるで宝石のようである。
『地球の手紙Yellow Jewel』2021年 F6 個人蔵
1畳ほどに区切ってある地熱の湯治場で服のまま横になってみる。10分も横になっていると熱くなってくるようなエネルギー。さすが地球だわ!!!
たくさんの人が何日も泊りがけで体を癒しに来る。自然のエネルギーを享受するのだ。
黄色いところが硫黄の噴出孔
昨年10月に取材に行ってから、大小さまざまな作品を描いたが今回の第77回現展出品作は一番大きなものとなった。P120 号を4枚つなぎ合わせて一つの作品とする。美術館で展示できる最大限の高さ。388×194㎝
もちろん制作途中でアトリエの中で立ててみることはできない。キャンバスはり~白亜地を施して描けるようになるまでにおよそ1か月を要する。他の作品を制作しながら、展覧会をやりながら徐々に進める。
これは紅茶インクでのドローイング…(全体の4分の1)
それから油彩に入る。
聖火ランナーに決まったころはもりもり絵の具を使って描いていたころ。
下に置いて描いて
立てかけて描いて
2枚ずつ繋いで描いて
横向きに並べて写真を撮って・・・・。
眺めて・・・。描いて・・・。
そしてできたのが今回の作品。たくさんの人に見てほしいなあ。
アトリエにて完成時の様子
タイトルは玉川温泉自然研究路の湯治場にみんなが希望をもって出かけてきていることと、地球のこれからを思って付けた。
”希望の地球(ほし)”
いいタイトルでしょ。
今日、第77回現展の東京での開催が6月2日~6月7日の短縮開催と決まった知らせが届いた。今年は東京までいけないけど作品から私の思いが伝わりますように。みんなに希望が届きますように
皆さんから届いた写真や会場動画などを”オンライン展覧会”としてホームページでも紹介していきますね