いま風に言うと、音楽脳を育てて
子供の頃、コンクールやコンサート会場やなどで、楽器を弾きこなす技術面と、フレーズの表現や音色の良さを感じとる音楽性どちらが大事か?というような音楽の雑談をしているお母さん達の話によく聞き耳を立てていました。
「当然最後まで完璧に弾けないといけないから、技術が大事でしょ。特に若い頃は…」
「完璧に弾けても音が汚いのは何とかならないのかしら」
今日でも、楽器を習わせている親御さんの関心を引く話題だと思います。
音楽を習うのか?楽しむのか?
楽しむことの先に必要な音楽の基礎・ソルフェージュや作曲者の歴史、楽曲の背景などを探して、自分の知識としても理解を広げていくことが原点なのでは?と教えるようになって感じて考えが変わったと思います。
演奏時間が3、4分より長い曲になってきますと、単に音やリズムを譜面の通りに並べられるだけでは演奏することが難しくなってきます。
体力的に大変ということではなく、音色を作ったり、集中を保ったり、必要な表現の変化をつけるなど、どこの場所でどういう表現をするのか?楽譜の指示内容と共に脳で理解していることも求められます。
曲をどういう仕組みで作ったか?作曲者の意図や音の並び方の独自性などを理解することで、結果的に演奏する時にはその意図を再現するという段階だけで、集中して出来るという一連のつながりを体験から理解していくのはぜひ小さい年齢から重ねていきたいと思います。