TABIPPOでマネージャーをやるということ
今年の4月にTABIPPOに入社してから早くも8ヶ月が経とうとしています。
今は、マーケティング・プロモーションの機能を担うチーム(メディアマーケティングチーム)でリーダーを担当させてもらっているのですが、そこで感じたことをマネージャーという視点から、備忘録的に記していきたいと思います。
もう今のポジションについてから半年以上経ってしまっていて、少し遅い気もしていますが、改めてマネージャーとは何かを学び直しています。
新卒でマネジメントをガッツリやらせてもらえる経験はとても貴重だと思うのですが、プレーヤー経験なしでやるのはリスキーであるということも自覚しています。ということでアカデミックにインプットすることで、少しでも実務経験の不足分のカバーができたらなと。
今回は、この本を読んでみて、学んだこととそれに対しての実体験を話す感じでシェアさせてください。
マネージャーとは
そもそもマネージャーってなんなのだろう?という定義のところですが、「Getting things done through others」。つまり、周りを通じて物事を成し遂げることという説明がこれまでの経験から考えてもしっくりきています。
マネージャーになるためのプロセス
マネージャーになるためには移行期間がある程度必要。そのスパイラルとしては、
の4つがあり、そのフローを一通り通ったら、あとは①②を定期的に行いつつ、③④のサイクルを回す。
僕の場合は、入社してすぐにマネージャーとしての動きが求められていたので、①②のボリュームがかなり大きかったです。というか今もまだ、PreviewもAcceptもしている最中。
自分にまつわる外部環境の把握。チームメンバー(ここでは、正社員も業務委託もどちらも指します)がどんな人で、会社はどんなことをやっていて強みはどこにあるのか。このチームの存在意義はどこにあり、何を会社から求められているのか。それを知覚し、受け入れること。
そして、もちろん足元ではメンバーに対して個人ミッションの策定を行い、業務を振るという作業もあるので、③④も同時並行で進めていかなければなりません。
上記の①〜④のプロセスは理想ではあるが、実際はそうはいかない。ついでにこれらもかなりボリューミー。
つまり総じてアホみたいにチャレンジングなこと。新卒なんだから当たり前なんですけどね。
今思えば、(あ、今Reflectionしてるな)メンバーに対してわけわからないAction Takingをしてしまい、迷惑をかけた場面もたくさん思い付くし、思い付くたびにやるせない気持ちになります。
それでもそんな自分を大空のように広い心で受け入れ続けてくれているメンバーには頭が本当に上がりません。
ちなみにこのスパイラルを大きく逸脱してしまう経験を繰り返すと、「脱線」という事態を引き起こしてしまいます。アメリカでは80〜90年代に「マネージャーの脱線」に関する研究が盛んだったみたいで、「米国企業ではシニアマネージャーの40%が、最初の18ヶ月以内に失敗する」という結果が出ているそうです。
自分は、シニアマネージャーという幅のある言葉と対峙しても、経験も実力も足りないと認識しているので、さらに短い期間に高い確率で失敗に直面することは容易に予想できてします(悲しきかな)。なので、失敗に対して向き合う準備をすることが大事だなと思っています。戦略的に成長痛を乗り切る必要があるなと。
マネージャーになる上での社会的な変化
一般的に、現代社会ではマネージャーになる上での困難な要素が増えてきていると言われています。
①突然化
ある日いきなりマネージャーになる。うう、心当たりあるな。僕はTABIPPOでは1年半ほどインターンとして働いていたので、まっさらなゼロベースでの関わり方ではなかったですが、社員にならないとわからない会社の面はかなり多いなと感じています。マネージャーになる前に必要な知識・経験が十分に習熟しないまま就任するという事例は増えてきています。要因としては、組織のフラット化や意思決定の迅速化、上層部との距離の近さなど、組織の階層構造の変化が挙げられます。
②二重化
マネージャーとしても、プレイヤーとしても役割を果たす必要がある。ある研究では、純粋にマネージャー業務だけに専念している人は、n=517人のうち、14人(2.7%)しかいなかったそうです。プレマネバランスがしっかり取れずにプレーヤーとしての業務時間が長くなってしまうと、チームとしてのパワーは最大化にはつながらず、短い成果をマネージャーが追い求めることでよりプレーヤー時間を増やしてしまう。そんな悪循環が生まれてしまいます。僕もなるべくマネージャーとしての時間を増やすことを心がけているし、とても気にかけてくれている経営陣の一人からはよくアドバイスをもらいますが、ふと気づいたら手を動かしてしまっているということは頻繁にあります。新卒として自分がやらないとなという負い目みたいなものも感じてしまうし。
③多様化
ダイバーシティの広がりにより、メンバーの雇用形態や社会的属性も多様化しています。現に、今のチームは社員4名・業務委託6名と、メンバー構成が自分の親世代では考えられないようなものになっています。TABIPPOはリモートワークが可能なので、住んでいる場所もみんなバラバラだし、能力やキャリアの描き方、モチベーションやコミット量もそれぞれです。まあ僕からしたらこれがスタンダードになってしまっているのですが、両親と仕事の話とかするときは結構驚かれます。
④煩雑化
煩雑化に関しては二重化とも重なる部分があるかと思いますが、リスクヘッジの方向が多岐にわたってきたことにより、予防線を貼る仕事が増えてきているそうです。自分がボールを持たずに周りを頼ることがより重要になってきています。個人的に自分は周りに助けてもらったりヘルプを出すことが得意なので、幸運なことに、ここに関してはあまり課題感は感じていないです。
⑤若年化
グローバル化や成果主義志向、人件費の削減などが要因とされています。チーム最年少でマネージャーを担っている身としては、「育成」「精神的な安定」が個人的には大変。育成は、自分がまず育つことで手一杯になりがちなのと、メンバーの属性の多様化により、個人が目指したい方向と求めたい方向が揃わないケースが多いので、よーく悩みます。そして、情けないことですが自分に対しての自信の無さが故に、「育成するなんて烏滸がましい」という感情すらあります。精神的な安定に関しては、社会にちゃんと出て間もないから、マイスタンダードが確立しておらず、外部環境によく振り回されてしまいます。これは自分の性質としても強くある部分なのですが、何もかも受け入れちゃう傾向があります。ただ、ポジティブ・フラット志向でなのもあり、どうにか精神の均衡は保たれています。最初の3ヶ月とかは危うかったけど。
上記以外でも、チームの舵を切るようなビジョニング・目標設定や、それと短期的なアクションの連結、もう少しレイヤーを下げていうと、予算管理や社内政治、説明責任の全うなど、たくさんの学びがこれまでありましたが、かなり具体的になってくるので、これらはまた別の機会にお預けにしようかなと思います。
こんな風に背景を認識して、内省と実行を繰り返しながらマネージャーとして成長していく。結局のところは、そんな未来が割と明るく見えるので、前向きに楽しく業務と向き合うことができています。
繰り返しますが、会社とチームメンバーには本当に恵まれているのも自分の中では大きい。「新卒なのに何言ってんの?」みたいに、肩書きで足元見てくる人がメンバーに一人でもいたら相当やばかったなと自信を持って言えます!笑
今日からこのチームで九州は阿蘇・高千穂で合宿へ行くのですが、熊本に向かう飛行機の中で珍しく仕事に関して、書いてみました。みんなで旅するのがとっても楽しみ!