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詩を書くよ、と彼は言った

タバコを吸いすぎているわけじゃないんだ
彼はいつもそう言う
灰皿の掃除が滞ってるだけで、
ほら、この灰皿なんか一週間分だよ、多分
彼の身体の機能の どこか は、きっとおかしいと思う

ぼくは彼の どこかに惹かれていて どこかに
それが具体的に どこ なのか、は、
まだよく分かっていない

そんな彼が命に関わる病気に罹ったと聞いて
ぼくは 反射的に 本能的に 根本的に
ああ、タバコを吸いすぎたせいだ
そう 思ったのだけど、
実際におかしかったのは、彼の身体 内臓 というより
脳の方だった 腫瘍がどうとか 意識がどうとか
混濁

(混濁しているのは僕の方なんじゃないか?)

ぼくは彼の どこかに惹かれていて どこかに
それは具体的に きっと彼の脳
が造り出した 彼の人格 性格 パーソナリティ 云々

呼吸器を付けて 眼を閉じて 点滴や パイプに 
繋がれていて
もはや指先二ミリをも動かすことができない彼は 彼を
それでもぼくは 彼をまだ 彼にまだ
惹かれていると 断言できるだろうか

「詩を書こうと思う
 こんな状態になったけど タバコも吸えないけど
 こうやって 言葉を ゆっくりと 慎重に
 選んで
 取捨選択して
 なるべく正確に情報を伝えられるように なったからには
 これから俺は 詩を書くよ」

大きなサボテンを 大きな器に入った立派なサボテンを

探しに探して

なるべく彼が

あの病室に留まれるように

上の世界にいったりしないように

花屋に向かったのだ

   *

ご拝読ありがとうございます。
八壁ゆかりによる詩、処女作ではないのですが、つらつらと書いてみた次第で。
まあ、詩は本当に門外漢で、数年前に友人に誘われて書いてみて、一緒に某賞に送ったら友人よりもいい結果を出してしまって気まずいことになったのですが、それ以来ノータッチ、読んだこともあまりない、本当に素人、で、ございます。

なんで自分のブログでやんねーんだボケ的なつっこみはさておき、いや、ある程度まとまったら拙ブログ「ザムザと呼ばれた人間機械」にも載せようと思うんですが、何だろう、気分の問題です。

さて、肝心の内容ですが、ストーリー性がないものを書きたかったのに、なんか話になってしまいましたね。どうしてでしょうね。
あえて解説的なことを添えるとすれば、このノートの画像、thee michelle gun elephantの「バードメン」のMVに出てきそう、と友人に言われたことがあって、ん? 本編と関係ないぞ?

素人なりに、先達の詩を読みつつ学び、書いていけたらいいなぁ、と思っています。もちろん小説も頑張りますっていうか頑張ってます。
今後とも、どうぞよろしく。

励みになります! 否、率直に言うと米になります! 何卒!!