白い春 十杯
仕事の合間に、お茶を飲むことを繰り返していた。
何度かお茶のお代わりを尋ねられ、一度お願いしていたのでお茶はあるし温かい。
それは、何度もお代わりするのも失礼かなと一度だけお願いしたものだった。
一息ついていると、再びピアノが響き出す。
18時。
歌とピアノの音色を聴きながら、お茶を啜る。
白い小さな器に白い苺が1番上に乗っていた。
私は視界がボヤけるのを感じながら見つめる。
少しして、後一口であろうミカギイチゴのスパークリングワインに白い苺をソッと落とす。
ポトン。
シュワッー。
其れを見つめながら想いを馳せる。
私は夢みがちなのかしら…。
再び視界が曇りそうになるも、仕事を再開する。
はたと気付くと何時の間にかピアノは終わっていた…。
彼からは未だ未だ未だ連絡はない。