山形ビエンナーレ 高野寛ソロライブ『観天望希』/ トークライブ


2020年09月16日(水)
テーマ:LIVE / Music

久々の高野さんのLIVE。

素敵でした。またぜひ生で拝見したい。

ライブはこちら


今、ライブは色んな形で開催されていますが、今回はライブ配信ということで、どんな風になるんだろう?とドキドキしながら聴かせていただきました。

画面の中で静かに唄われる高野さん。

途中で電話の音が入ってきて、普通そういった物って排除すると思うんですが、敢えて流しているんだろうな、っていうのが高野さんの表情から分かって、何だかそこに妙にドキドキしたんです。

そうしたら、高野さん自身も敢えて残したと言われていました。配信の中で感じられる「LIVE」感。とても印象的でした。

★今回の催しについて書かれた 高野さんのnote

ライブタイトルが『観天望希』というだけあって、天気や自然を感じられる曲が多かったですね。

高野さんの曲ってどれも自然がいつもそこにあるように感じていたので、ご本人が更にポイントを絞った選曲、タイトル、収録方法でよりそれを感じることができました。

実はお風呂で聴いていたという。。。それも、この時代ならではなんでしょうかね。湯船に浸かって聴く高野さんの音楽は、心にも体にも染み入りました。


ライブ後のトークも興味深かったです。

トークはこちら

自粛が始まってから殆ど出かけていません。仕事はテレワークがメインですし、人の多いところへの移動はやっぱり抵抗があったのかもしれません。

4月にはいろんなアーティストが試行錯誤で配信してくれていたライブを観ていました。(パワーをもらっていました。ありがたい!)

でも、それに触れることも緩やかに避けるようになってしまいました。あまりにも身動きの取れない状況や、世の中の動きに打ちひしがれたり。。。段々と自分の中で何かが失速していった感じはありましたが、それが何なのかよく分かっていません。ただ、それとは別の所で自分を見つめ直したり育て直したりするには絶好の機会だよね、とも思っていました。

私たちは多くの情報に踊らされて、惑わされていた為にあまりにも多くの不要なものに囲まれていました。

『私に本当に必要なものは何だろう』

そう問いかけることが多くなりました。

コロナはそれに気づかせてくれ、自浄作用を促したのだと思います。私ももれなく断捨離をした。断捨離であったり、不要不急であったり。

色んな言葉がありますが、意味合いは人によって違う気もします。しかし、私にとって音楽は不要ではありません。むしろ必要なものです。

音楽を通して自分を見つめ直したり、作り変えていったり。気分を音楽によって変えることができたのは、この自粛期間中、本当にありがたく、音楽と自分の距離を改めて考えさせられた気がします。


トークの中で人間は創造することで自分を癒す。というお話しがありました。

芸術、文化が人にもたらす影響、心が怪我した時は音楽や絵を観たりして自分で癒してく。私も幼い頃は体が強い方ではなかったので、病院で時間を費やす事が多かった。そんな時に、絵を描いたり、音楽を聴いたり、頭の中で多くの物語を作ってみたり。それを自然にやっていたように思う。

なぜ、その活動が自分を癒すことになるのか、自分ではよく分からないけど、そうすることで心の中の何かが救われた気持ちになったのかな。言葉にはならない何かを形にすることで解消できるものがあったのだ。きっと。

いつも違和感を感じることがある。それはインターネット。

配信という形で参加が出来ることがありがたいと思うと同時に、どうも閉じられた空間のように感じてしまう。世界中に配信されているから、大きな広がりがあるはずなのに、画面を通して観るものはより個人的なものになっている気がして、そこのギャップにいつも物凄く違和感を感じる。だから、今回のお話はとても不思議な感覚で聴いていた。

自分を癒すというお話し、あれはとても個人的な話だと思う。でも、そこに秘められた人間が持つ可能性に触れた時、とてつもなく大きな世界を感じました。

何もない処から何かが生まれる。持っているものを変えることができる。多くの可能性が広がっていて、生命と宇宙は繋がっているんだな、って。

目に見えるものでいうと、インターネットの方が大きな世界のように思うけど、癒すという個人的な活動の方が広がりや可能性を感じたのです。

今回のトークを聴いていて、自分の中で大切なものが分かった気がしました。はっきりと「何」とは言えないけど、やっぱり、アートをはじめとするものつくりや表現することが自分の中で大きな比重を占めているんだな。と。

そこに触れないようにしてここ数カ月過ごしてきました。どれも違う気がしていたし。失速した感じは、トーク中で言われたいた『エコモード』だったのかしら?何となくハッとする瞬間があって、少し動いてみようかな…と思えました。

そうやって少しずつ自分を癒していって、本当にやりたい事を再構築していけそうな気持ちになったトークライブでした。

感謝

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