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おすすめのMIDIキーボード(DTM用)とステージ用キーボード

DTMで作曲・編曲を行う際に「MIDIキーボード」を使用するメリットは大きいため、DTMerは自分と相性の良いMIDIキーボードを持っている人が多いです。

最初にMIDIキーボードを使うメリット(とデメリット)を説明した上で、「MIDIキーボードの選び方」と「おすすめのMIDIキーボード」について説明をしたいと思います。



◆MIDIキーボードを使うメリット(役割と重要性)

◇メロディーやコード進行の入力に便利


MIDIキーボードを使う最大のメリットはメロディやコード進行を素速く入力できるという点です。

DAWではMIDIという形式で「いつ、どんな音を、どのくらいの強さ、長さで発音させるか」というデータを入力することで、各楽器の音を演奏できるようになります。

MIDIはマウスやキーボードを使ってDAWに入力をすることもできますが、マウスなどでポチポチと入力する場合1音1音を入力する作業は面倒で時間もかかります。

そんな時にMIDIキーボードがあると、鍵盤を弾きながらリアルタイムでメロディやコード進行を入力することができるので、マウスなどでポチポチ入力するよりも効率が良く早く入力をすることができます。

◇微妙な強さ・タイミングの違いなど細かいニュアンスを入力できる

リアルなサウンドを作るためには、楽器で発音させる際の「強さ」や「タイミング」をMIDIデータとして入力することが大事です。

DAW上では「強さ」はベロシティという項目で調整することができ、タイミングはピアノロールエディタなどで発音調整をしたりすることもできますが、これもマウスでポチポチと調整をする作業は面倒です。

そんな時にMIDIキーボードを使って自分で演奏をすれば、鍵盤を使って
演奏した際の「強さ」や「タイミング」をMIDIデータにリアルタイムで入力することができますし、グルーブ感やダイナミクスをそのままデータに反映させることができます。

(なお、MIDIキーボードによっては、鍵盤を叩く「強さ」が一定になってしまうものや、「強さ」の段階が少ないもの、極端(ピーキー)な反映をされてしまうものなどもあるため注意が必要です。)

◇ショートカットキー、ノブ、パッドなどの活用

MIDIキーボードには、「ノブ」(つまみ)や「パッド」(ボタンみたいなもの)が付いている機種も多いです。

「ノブ」にはDAW上の特定のパラーメータを割り当てることで、MIDIキーボード上でパラメーターの値を調整したり、プラグインのエフェクトやモジュレーションを簡単にコントロールすることができたりします。

DJの人がツマミを回しながらリアルタイムで音色を変化させたりしているのを見たことがある人もいると思いますが、あんなことができたりします。

「パッド」にはドラムセットの音色(スネアやキック)を割り当てて指でドラムキッドを演奏したりMIDIデータを入力できたりしますし、和音(コード)を割り当てることで指一本でコードを鳴らせる機種もあったりします。

パッドは専用機もありますが、MIDIキーボードにパッドやノブがセットになった機種を買ったほうがコスパが良く場所もとらないため便利なことが多いです。

◇音源の音色・コードの確認

「鍵盤を弾くのは苦手だ」という人でも、音源の音色を選ぶ際や、コードの構成音を確認する時にMIDIキーボードを使っている人も多いです。

最近のプラグインの音源では音色を選んだ時にサンプル音が鳴るように設定できるものも増えてきていますが、鍵盤を押さないと音色が確認できないプラグインも多いです。

音色を選ぶ時に手元にMIDIキーボードがあると、

音色を選ぶ → MIDIキーボードの鍵盤を叩く → これじゃない→
音色を選ぶ → MIDIキーボードの鍵盤を叩く → これじゃない→
音色を選ぶ → MIDIキーボードの鍵盤を叩く → これだ!

みたいな感じで音色を確認しながら決めることができます。

また作曲や編曲をしていて「次のコードをどうしようかな」と考える時にも手元にキーボードがあると便利です。

最近のDAWにはコードパッドでコード構成音を鳴らせる機能が付いていたりしますが、画面上のコードパットをマウスでポチポチするよりも、手元にあるMIDIキーボードでコードを弾いたほうが素速くコードを確認できます。


◆鍵盤数MIDIキーボード選びのポイント


次にMIDIキーボードを選ぶ際のポイントについて説明したいと思います。


◇鍵盤の数・大きさ

MIDIキーボードはピアノと同じ「88鍵」のものもありますが、コンパクトなものだと25鍵くらいの小さなサイズのものもあります。

MIDIキーボードの購入で「失敗」するケースが多いのが「大きさ」です。

キーボードを単体で購入する場合にはあまり問題はないのですが、DTMでキーボードを使う場合には、机の上に「(文字を打つ)キーボード」「マウス」「ディスプレイ・モニター」「スピーカー」などが置いてあることも多いと思います。

そのように机の上が渋滞しがちなDTM環境で大き目のMIDIキーボードを買うと「置き場所に困った」となるケースがあります。

他方でコンパクトなキーボードは「左手でコードを弾きながら右手でメロディを弾く」ことが出来なかったり、鍵盤自体のサイズが小さ過ぎて弾きづらいということもあります。

私自身もDTMを始めた頃から大き目のMIDIキーボードを買って後悔して、小さめのMIDIキーボードを買って後悔して、また大き目のMIDIキーボードを買って、また小さめのMIDIキーボードを買って・・・というように「何回MIDIキーボードを買ってるんだ」と自分でも思うくらい迷子を続けてきました。

この「鍵盤の数と大きさ」問題の解決策はいくつかあります。


① キーボードを収納するための引き出しの付いた机を使う

おそらく多くのDTMerが採用している方法が「キーボードを収納するための引き出しの付いた机を使う」という方法です。

DTMやゲーミング用のデスクとして、机の下にキーボードを置けるような引き出しが付いてるものがあります。

この引き出しにMIDIキーボード、又は(文字を打つ)キーボードを置き、もいう一方を机の上に置くことで、机の上の限られたスペースを有効活用することができます。

この方法は理にかなっているような感じもしますが・・・実際に使ってみるとストレスを感じる人もいると思います。

「MIDIキーボード」を丁度良い高さに設置すると「(文字を打つ)キーボード」が打ちにくくなり、「(文字を打つ)キーボード」を丁度良い高さに設置すると「MIDIキーボード」が弾きにくい、というジレンマを抱えることも多いです。

DTMでも「(文字を打つ)キーボード」はショートカットキーを押したり、トラックやファイルの前を変更したり・・・と、意外に使う場面が多いんですよね。

そのため「MIDIキーボード」と「(文字を打つ)キーボード」の両方をどうやって最適な高さ・位置にセッティングするかという点に頭を悩ませてしまうケースがあります。

② L字型のデスクを使う

次の方法がL字型のデスクを使って、正面にはモニターと「(文字を打つ)キーボード」を設置し、横にMIDIキーボードを設置する、という方法があります。

この場合、MIDIキーボードを使う場合には身体を90度回転させるか、身体は正面を向いたまま片手でMIDIキーボードを操作する、ということになります。

この方法のメリットは、「MIDIキーボード」と「(文字を打つ)キーボード」の両方を最適な高さに設置できる点にありますが、MIDIキーボードを弾くたびに身体を90度回転させるのは疲れますし、正面を向いたまま片手でMIDIキーボードを操作するとなるとコードとメロディを一緒に弾くことができなくなってしまうというデメリットがあります。

ただ小室哲哉さんのように複数のシンセサイザーを併用する場合には、この方法を使うと「コの字」型にデスクを配置することで2台のキーボードやシンセサイザーを設置出来たり、上下の設置することで3台以上のキーボードを設置できるというメリットがあります。

③ 小さいMIDIキーボードを使う

①と②の方法が合わない人は、最終的には机の上に置けるサイズのコンパクトなサイズのMIDIキーボードを使う、というケースが多いと思います。

私も現在はこの方法で作業しています。

Bluetoothに対応した小さ目のMIDIキーボードであれば邪魔だと感じたら脇に避けておくこともできますし、自分の膝の上に置いて弾いたりもできます。

またDAWを開いていない時でもスマホなどと組み合わせることで、寝っ転がったりダラダラしながら気軽にキーボードを弾いて作曲のアイデアを組みたてたり出来るのも便利です。

コンパクトなサイズのMIDIキーボードは鍵盤数が少ないですが「トランスポーズ」という機能によって88鍵と同じ音域を弾けるようになっている機種も多いです。

ただ「トランスポーズ」機能があっても本来あるべき場所に鍵盤がないことにストレスを感じたり、左手でコードを弾きながら右手でメロディを弾くことが出来ないくらい鍵盤が狭い機種もあるので、自分にとって丁度良い鍵盤数・サイズ感のキーボードを探すということが大事かなと思います。


◇鍵盤の質感・タッチレスポンス

MIDIキーボードは安いものから高いものまで様々なものがありますが、傾向として「安い機種」は鍵盤の弾き心地もイマイチなものが多い印象です。

「入力できればそれで良い」という場合には鍵盤の質感にこだわらなくても良かったりしますが、長年ピアノを弾きてきたような人だと安めのMIDIキーボードを弾いた時にストレスを感じることもあると思います。

また鍵盤を「強く」弾いた時と「弱く」弾いた時の差(タッチレスポンス)も機種によって様々です。

機種によっては「強く弾いても弱く弾いても入力されるデータの強さはほとんど変わらない」というものもありますが、タッチレスポンスの性能が低い機種の中にはコンパクトで軽い機種も多いので「大きさ」とタッチレスポンスの精度はトレードオフの関係になりやすい傾向があります。


◇鍵盤以外の機能

前記のとおり、MIDIキーボードには、「ノブ」(つまみ)、「パッド」(ボタンみたいなもの)などが付いている機種もあり、DAW上のパラメーターの値を調整したり、プラグインのエフェクトやモジュレーションを簡単にコントロールすることができたり、指でドラムキッドを演奏したり、指一本でコードを鳴らせる機種もあったりします。

また「ホイール」とよばれる部品が付いているMIDIキーボードでは、ホイールを上下させることでピッチベンド(音程を変化)させたり、ビブラートやギターのチョーキングのような演奏を再現することができたりもします。


◇フットスイッチの接続端子の有無

ピアニスト・キーボーディストの方は「フットスイッチを接続する端子がない」ということに不満を感じることも多いようです。

機種によっては鍵盤の近くにある「サスティン」ボタンを押すことでペダルを踏んだ時と似たような演奏をできるものもありますが、足でコントロールしたいという人も多いと思います。

◇パソコン等との接続方法・Bluetooth接続の可否

昔のMIDIキーボードは「MIDI端子」という特殊な端子で接続する機種もありましたが、最近のMIDIキーボードのUSBケーブルで接続できるものがほとんどなので「パソコンと接続できなくて困った」というケースはあまり無いと思います。

最近ではBluetoothでの接続が可能かどうかのほうがポイントだと思います。

コンパクトサイズのMIDIキーボードの場合、Bluetooth機能が付いていると好きな場所に設置できたり、邪魔な時に避けておくことができたり、パソコンだけでなくスマホに接続して演奏できたりするので便利です。

一方で88鍵などの大きなキーボードは置き場所を頻繁に変えることはないと思いますので、Bluetooth機能が無くても困ることはあまりないと思います。


◇キーボード単体で音が出るか

MIDIキーボードは基本的に「単体では音が出ない」というデメリットがあります。

MIDIキーボードはパソコンやMacなどに接続して使うことが前提となっているので、音を出すためには

パソコンを立ち上げて、DAWを開いて、音源を立ち上げて・・・という手順が必要になります。

頭の中で「ぱっ」と音楽が閃いたのにパソコンを立ち上げている最中にせっかく思いついた素晴らしいメロディを忘れてしまった・・・という悲しい事故が起きることもあります。

そんな時に便利なのが「単体でも音が出せるMIDIキーボード」です。

「単体でも音が出せるMIDIキーボード」としてはYAMAHAの「PSS-A50」やAkai Professionalの「MPK Mini Play MK3」などが人気です。

Akai Professionalからは商品名に「Play」という文字が入っていない機種も販売されていますが、「Play」という文字が入っていない機種は単体では音が出ないので注意が必要です。

なお「MIDIキーボード」と「気軽に単体で音が出せるキーボード」を別々に購入するという選択肢もあります。

昔から人気があるのがCASIOのキーボードの「SA」シリーズです。

「SA」シリーズにはMIDI機能はなく、元々は子供用のキーボードという立ち位置だと思いますが電池で駆動し、軽くて小さく、様々な音が出せるので、頭の中で曲が思いついたり鍵盤を弾きながらメロディを作りたいという時に、部屋の隅にでも置いておくとすぐに電源を入れて演奏できるので便利です。

またチューニングを1Hz単位で設定できるので合唱や吹奏楽の音程を合わせるために音楽の先生が持ち歩いていることもあったりします。


◇電池で駆動するか

MIDIキーボードは基本的にパソコンの近くに据え置く状態で使うことが多いため電池で駆動しなくても(電源アダプターやUSBケーブルからの電源供給でも)問題はないことが多いです。

ただBluetoothでの無線接続に対応した機種や、単体で音が出る機種の場合には電池で駆動する機種のほうが、自分の好きな場所に持ち運んで演奏したり、ソファーに座りながら膝の上に置いてまったりと音を出せたりするので便利だったりします。

◇ライブでも使うか(ステージピアノ等との兼用)

ステージピアノ・シンセサイザーなど、ライブやスタジオで使うような本格的な鍵盤も実はMIDIキーボードとして使うことができる機種が多いです。

ライブなどでピアニスト・キーボードディストとして演奏する予定がある場合には、敢えて「MIDIキーボード」という名前の鍵盤を購入しなくても、ステージピアノやシンセサイザーなどライブでも使う鍵盤楽器をMIDIキーボードとして兼用することでコストの無駄を省くことができます。

また普段から弾き慣れている鍵盤楽器をDTM用に使うことで、違和感なく打込み作業ができるというメリットもあります。

ただライブでも使うようなステージピアノ・シンセサイザーは巨大で重いものが多いのでDTMの打込み用として使う場合には前記のような設置場所の問題が出てくることがあるので、ライブ用のステージピアノ・シンセサイザーと、MIDIキーボードを別々に購入して使い分けている人もいます。

◇その他の便利機能(スケールガイド、移調機能など)

MIDIキーボードの中には、鍵盤に不慣れな人に超絶に便利な機能が搭載されれている機種があります。

たとえばKORG(コルグ) の「nanoKEY Studio」というMIDIキーボードでは、作曲中の曲のキー(調)に合わせて黒鍵を出来るだけ使わないように演奏できたり、設定したスケールで使われる鍵盤をバックライトを光らせることで表示する機能が付いていたりします。


作曲家の方の中には、曲を作る時に最初にハ長調(Cメジャー)かイ短調(Aマイナー)で設定しておいて、曲がある程度完成したところで移調させるという方もいますが、これは鍵盤の黒鍵を出来るだけ使わないようにすることで作業効率を上げるためのテクニックだったりします。

しかし「nanoKEY Studio」の移調機能を使うと、現在作曲中の曲の調(キー)に合わせて半音単位で入力音を変更できるので、例えばE メジャースケールの曲を移調せずに「nanoKEY Studio」の白鍵だけで入力、演奏するということが可能になります。

(なお、nanoKEY Studioの白鍵は黒色で黒鍵が灰色なので紛らわしいのですが、ここで言っている白鍵・黒鍵はピアノの白鍵・黒鍵と同じ意味です)



◆おすすめのMIDIキーボード


◇YAMAHA 「PSS-A50」

鍵盤数:37鍵
大きさ:幅506mm、高さ54、奥行き501
重さ:1.2kg(電池含まず)
Bluetooth:無し
トランスポーズ:-12~+12
電池駆動:単3乾電池×4で駆動 
単体で音が出るか:出る

小型のMIDIキーボードで最近人気が高いのがYAMAHAの 「PSS-A50」です。

単体で音を出すことができるためPC・Macを立ち上げていない状態でもすぐに音を出すことができます。

電源スイッチを入れて秒速で音が出るので「頭の中で思いついたアイデアをすぐに形にしたい」という場合にも便利です。

価格も1万円前後とコスパが良いのも魅力的です。

後述のAKAIからも単体で音が出せるMIDIキーボードが販売されていますが、AKAIは2オクターブ分の鍵盤しかないのに対し、こちらの「PSS-A50」は3オクターブ分の鍵盤があるのも便利なポイントです。

鍵盤が少し小さいので、ピアノの鍵盤に慣れている人だと少し弾きにくいと感じるかも知れませんが、個人的には鍵盤を叩いた時の感触は良いと感じます。

少しレトロな雰囲気のある見た目も好みが分かれるところで、人によっては「古くさい」「おじさんっぽい」と感じる人もいると思います。


◇AKAI Professional「MPK」シリーズ

(MPK mini Play MK3の場合)
鍵盤数:25鍵
大きさ:幅317mm、高さ58、奥行き178
重さ:約0.9kg
Bluetooth:無し
トランスポーズ:無し
電池駆動:単3乾電池×4で駆動 
単体で音が出るか:出る(※ Playのみ)

コスパが良く以前から人気が高い機種がAKAI Professional「MPK」シリーズです。

商品名に「Play」と付いている機種は単体で音を出すことができますが、色のバリエーションが1種類のみのようです。

商品名に「Play」と付いて「いない」機種は単体で音を出すことができませんが、色のバリエーションが豊富で価格も安いです。

前記のヤマハの「PSS-A50」に比べると鍵盤数も少なく価格もAKAIのほうが高く販売されていることが多いですが、個人的に見た目はヤマハの「PSS-A50」よりもAKAIの「MPK」シリーズのほうが好きです。

また「MPK」シリーズにはパッドが付いてるため、指でドラムを演奏するパフォーマンスができるのも便利です。

ヤマハの「PSS-A50」は自宅で作曲をしたりアイデアを形にするのに便利で、AKAIの「MPK」シリーズはライブなどでも使えるような華がある、というようなイメージかなと思います。


◇KORG ( コルグ )「microKEY」シリーズ

【microKEY-25】
鍵盤数:25鍵
大きさ:幅395mm、高さ52、奥行き131
重さ:650g ※「microKEY Air」は670g
Bluetooth:無し ※「microKEY Air」なら可能
トランスポーズ:無し
電池駆動:無し ※「microKEY Air」は単3乾電池×2で駆動 
単体で音が出るか:出ない

【microKEY-61】
鍵盤数:61鍵
大きさ:幅850mm、高さ54、奥行き139
重さ:1.7kg 
Bluetooth:無し ※「microKEY Air」なら可能
トランスポーズ:無し
電池駆動:無し ※「microKEY Air」は単3乾電池×2で駆動 
単体で音が出るか:出ない

コスパの良さとコンパクトさで以前から人気が高い機種がKORG ( コルグ )「microKEY」です。

25鍵のモデルだと置き場所に困るということはあまり無いと思います。

鍵盤の幅が狭くなっているため全体としてのサイズがコンパクトで軽いです。

鍵盤のタッチ感は軽めですが、価格を考えると感触は良いと思います。

タッチレスポンスも良く「強く弾けば強い音が鳴り、弱く弾けば弱い音がなる」という細かいニュアンスが出しやすいです。

尖った特徴も無いけれどもシンプルでクセが無い「普通で無難」なMIDIキーボードという印象で、初心者から上級者まで扱いやすい機種だと思います。

デメリットを上げるとすれば鍵盤の幅が狭いため、ピアノの幅に慣れている人だと慣れるまで違和感があると思います。

気持ち良く演奏するための鍵盤というよりも、あまり場所をとらずに入力できる便利なツールと割り切ったほうが良いかも知れません。

「microKEY Air」という機種を買うとBluetoothで無線接続できますがDTM用途で同じ場所に置いて使う場合にはBluetooth機能のない機種でも十分というケースが多いかなと思います。

私は37鍵の「microKEY」を1年くらい使っていて特に大きな不満はありませんでした。


◇KORG(コルグ) 「nanoKEY Studio」

鍵盤数:25鍵
大きさ:幅278mm、高さ33、奥行き160
重さ:471kg(電池含まず)
Bluetooth:有り
トランスポーズ:有り
電池駆動:単4乾電池×2で駆動 
単体で音が出るか:出ない

鍵盤の演奏が得意ではない人のおすすめしたいMIDIキーボードがKORG の「nanoKEY Studio」です。

「nanoKEY Studio」には「黒鍵のある曲が苦手」「スケールがよく分からない」という人にも便利な機能があります。

トランスポーズ機能

キーボードを半音単位で移調させることで、黒鍵をあまり使わない指使いで演奏することができます。

例えばCメジャー(ハ長調)の曲の場合、白鍵だけを押して演奏することができますが、Dメジャーの曲では白鍵の中にスケールとズレる音が出来くるため、黒鍵も押さないと演奏することができなくなります。

そんな時には(CとDは半音2個分の差なので)半音2個分上にトランスポーズさせることで、Cメジャー(ハ長調)と同様に白鍵だけで演奏・入力をすることができるようになります。

しかもトランスボースさせた時にDメジャーであればD(レ)の鍵盤が一瞬光るので、どの調(キー)に移調させたのかが見た目で分かるのも便利です。

スケールガイド機能・イージースケール機能

「スケールガイド」機能をオンにすると、設定したスケールで使われる鍵盤のバックライトが光るので、どの鍵盤を弾けばスケールからズレずに弾けるのかが視覚的に分かるようになっています。

また「イージー・スケール」機能をオンにした上で白鍵を弾くとスケールに沿ったメロディだけを弾くことができるようになり、黒鍵を弾くとスケールに沿ったコードを演奏できるようになります。

タッチ・パッド

「nanoKEY Studio」にはノートパソコンのあるようなタッチパッドが付いていますが、タッチ・パッドを適当になぞるだけで設定したキーとスケールに沿ってメロディを生成してくれるので、詳しい音楽知識がなかったり鍵盤演奏が得意でなくても気軽にフレーズを生成することができます。

軽い・小さい

便利機能とは別の話になりますが「nanoKEY Studio」は小さくて薄いです。

MIDIキーボードの中では最小クラスです。

そのため普段から机の上に置いていても邪魔になりません。

私は(文字を打つ)キーボードの奥にティッシュ箱を置いて、その箱の上に「nanoKEY Studio」をちょこんと置いています。

こうすることで普段は(文字を打つ)キーボードでDAWを操作し、MIDIキーボードで演奏・入力したい時は少し手を伸ばして「nanoKEY Studio」を演奏することがでくるので便利です。


「nanoKEY Studio」のデメリット

上記のとおり「nanoKEY Studio」は初心者におすすめできるMIDIキーボードですが、いくつかデメリットもあります。

「nanoKEY Studio」の鍵盤はノートパソコンのキーボードのように浅く、ピアノの鍵盤のような感触とは全く違います。

一応タッチレスポンス機能(強弱を再現する木の言う)も付いているようですが、鍵盤が浅いため演奏しながら強弱まで表現するのはかなり難しいです。

そのため、あくまでも音程とタイミングを入力・確認するためのMIDIキーボードと割り切ったほうが良いと思います。

あと、「nanoKEY Studio」は筐体が「黒」なのに、白鍵も「黒」なので、視認性があまり良くありません。

もう少し、筐体と鍵盤の色にコントラストを付けてもら得れば弾きやすかったかも知れない、と感じることがあります。


◇Arturia「KeyLab」シリーズなど

日本国内での知名度は少なめですが「KeyLab」シリーズなどに代表されるArturiaのMIDIキーボードは特に海外で人気です。

有名メーカーだけあって鍵盤の作りもしっかりしているだけでなく、デザインも洗練されているため、ライブなど観客の前で使う場合や、配信などでオシャレ感を出したいという人にとっても選択肢に入れやすい機材だと思います。

ArturiaのMIDIキーボードのデメリットを挙げるとすればラインナップが複雑で分かりにくいのと、日本での情報が少な目であるという点だと思います。

ArturiaのMIDIキーボードは「MICROLAB 」「 MiniLab」「KEYSTEP」「KEYSTEP PRO」「KEYLAB Essential」「KEYLAB」など様々なラインナップがあり色違いなどもあるため、自分の予算や環境に合わせてマッチするものを選べるというメリットがあります。

他方で各ラインナップの違いが複雑で分かりにくいため、初心者の方にとってはとっつきにくい、という印象を持ちやすいと思います。

また海外ではかなり売れているMIDIキーボードですが日本国内だと持っている人が少ないためYoutubeなどでの情報は得にくい傾向があります。

ただ、特に機材を白系で統一したいような場合にはArturiaのMIDIキーボードは有力な選択肢になると思います。


◇Native Instruments「Komplete Kontrol」シリーズ

付属するソフトウェアが豪華でコストパフォーマンスが良いMIDIキーボードがNative Instruments「Komplete Kontrol」シリーズです。

「Komplete Kontrol」は「M」「A」「S」の3種類に分かれていて、主に以下のような違いがあります。

「M」
・鍵盤は「ミニ」キー
・鍵盤の数は32鍵のみ
・ピッチベンド、モジュレーションホイールはない
・Komplete「Select」は基本的に付属しない
 ※過去にキャンペーンでKomplete「Select」を入手できることがあった

「A」
・鍵盤は「フル」キー
・鍵盤の数は25,49,61鍵から選べる
・ピッチベンド、モジュレーションホイールがある
・Komplete「Select」は基本的に付属しない
 ※過去にキャンペーンでKomplete「Select」を入手できることがあった

「S」
・鍵盤は「フル」キー
・鍵盤の数は49,61,88から選べる
・ピッチベンド、モジュレーションホイールがある
・Komplete「Select」が付属する
・ライトガイド(鍵盤が光る)機能、

KOMPLETE KONTROLの比較表】(native-instrumentsの公式サイト)

特にKomplete「Select」が付属するかどうかは大きなポイントだったりします。

Native Instrumentsは「Komplete」という、音源やエフェクトのプラグインの詰め合わせパックのようなものを販売しているメーカーです。

この「Komplete」はプロのアーティストでも使っている人が多く、歴史もあって品質も良いです。

音源のクオリティも高いですが、エフェクト類も品質が良くて扱いやすいものが多いので、私も「Komplete」に入っているプラグインを良く使っています。

「Komplete」は

「Select」→「Standard」→「Ultimate」→「Collector's Edition」

という順番で、バンドルされているプラグインの数が増えていきます。

Native Instrumentsのハードウェアを購入した際にKomplete「Select」を入手しておうと、Komplete「Standard」や「Ultimate」などの上位バージョンに比較的安い価格でアップグレードできるので、「Kompleteのプラグインが欲しいけど、機材も欲しい」という場合には、Native Instrumentsのハードウェアを買うことで予算を節約できることがあります。

上記のとおり「M」シリーズと「A」シリーズには基本的に「Select」付属しないのですが、Native Instrumentsの品質の良いプラグインがいくつか付属するだけでなく、キャンペーンの時には「Select」にアップグレードできる権利をもらえることもあります。

その他、Native InstrumentsのMIDIキーボードには、鍵盤楽器が苦手な人でもコード、スケール、アルペジオなどを簡単に演奏できる「Smart Play」など、豊富な機能が搭載されています。

Native Instrumentsの「Komplete Kontrol」のデメリットを挙げるとすれば、機能が豊富な分、初心者には難しいという点です。

付属する説明書も量が多く全てを理解するのには時間がかかると思いますし、Native Instrumentsのプラグインがないと十分な性能を発揮しづらい機能もあったりします。



◇M-Audio「Keystation」シリーズ

「とにかく安くて普通に使えるMIDIキーボードが良い」という人におすすめなのがM-Audioの「Keystation」シリーズです。

時期によって価格は変動しますが、32鍵のモデルが6000円前後で販売されており、鍵盤の個数で比較すると非常にコストパフォーマンスに優れています。(昔は5000円の時もありました)

M-Audioの「Keystation」シリーズは安いだけでなく、余計な機能がないシンプルな製品なので、初心者でも迷うポイントが少なく扱いやすいと思います。

ちなみに、M-AudioはMIDIキーボードだけでなく、オーディオインターフェイスやエクスプレッションペダルなども低価格で販売しています。

エクスプレッションペダルは軽くてギター用マルチエフェクターなどのフットスイッチなどとしても使えたりするので便利です。


◆ステージ用キーボード


ステージ用(ライブ用)の本格的な鍵盤楽器をMIDIキーボードに使いたいという人のために、DTM用途でも使えるハイエンドな機材についてもいくつか紹介しておきたいと思います。

ステージ用(ライブ用)の本格的な鍵盤楽器は単体で音が出るので、MIDIキーボードとして使用できるだけでなく、オーディオインターフェイスなどを通じてクオリティの高いキーボードのサウンドをそのまま録音できたり、逆にDAWからキーボードにMIDI信号を送ってキーボードを演奏させて、その音をDAWに送って録音するということも出来たりします。

昔はプラグインタイプの音源があまり音質が良くなかったこともあり、多くのDTMerがステージ用キーボード(又はキーボードの音源部分だけを抜き出した音源モジュールという機材)を使って自宅で音楽を制作している時代もありました。

ステージ用キーボードをDTM用として使うためには置き場所の確保などの問題もありますが、ソフトウェアタイプのプラグイン音源が主流になっている現在において、ハードウェアタイプの音源を上手く組み合わせることで、他の人と違った独自性のあるサウンドをアピールできる可能性があると思います。

ステージ用キーボードの「見た目」や「音」の好みは人によって分かれるところで、ご自身の気に入ったものを選ぶのが一番だと思いますが、参考までにいくつかおすすめのキーボードを挙げておきたいと思います。

◇NORD ( ノード ) 「ELECTRO」

個人的にステージ上にあると「華」があって好きなのがNORD ( ノード ) 「ELECTRO」です。

特徴のある赤い筐体が印象的で、前面にある「nord」の文字を見るとテンションが上がるというキーボーディストも多いと思います。

最近だと「ガールズバンドクライ」というアニメで「海老塚智」という女の子が「NORD ELECTRO 6 HP」を弾いているので目にしたことがある人もいるかも知れません。


少し前だと「サカモト教授」が NORD STAGEでゲーム音楽を演奏しているのも印象的でした。

NORDのキーボードは機能が豊富で音質が良いだけでなく、「ELECTRO」シリーズは比較的軽量なので持ち運びをする時の苦痛が少ないと思います。

キーボードは場合によってはスタンドを持ち歩かなければいけないこともあるので、キーボード本体が重いと十字架を背負っているような体制になってしまい、持ち運びに苦労するんですよね・・・。

なので「音が良い」と「持ち運びやすい」を両立したNORDのキーボードは便利です。

NORDのキーボードのデメリットは価格が高めな点です・・・。

多くのプロミュージシャンが使っていることもあり品質は間違いないと思いますが、その分ブランド力もあって、キーボード一本で頑張る覚悟がある人でないと、なかなか手が出しづらい価格だと思います。


◇KORG ( コルグ )「NAUTILUS」シリーズ

シンセサイザー・キーボードと言えば、以前はKORGの「TRITON」シリーズが圧倒的な強さを誇っていた時代がありました。

宇多田ヒカルさんや小室哲哉さんなど、蒼々たるアーティストがKORGのシンセサイザーを導入し、街を歩けばKORGのシンセサイザーの音色を使った音楽で溢れている、ということもあったくらい昔からKORGのシンセサイザーはアマ・プロ問わず多くのミュージシャンに愛されています。

「けいおん!」というアニメの中でもキーボード担当の琴吹紬が「TRITON Extreme」というKORGのキーボードを使っていました。

現在はKORGからは「NAUTILUS」という名前のシンセサイザーが販売されていますが、流石KORGといった表現力豊かなサウンドが再現されています。

音色をリアルに再現するため、ピアノ、エレピ、オルガンなど、それぞれの9つの専用エンジンを搭載されているのも特徴的で、音楽制作・ライブのいずれの用途でも扱いやすい鍵盤楽器だと思います。


◇YAMAHA「MODX」シリーズ

昔からKORGのライバル的な立場にあるのが巨大楽器メーカーのYAMAHAのシンセサイザーです。

KORGの「TRITON」シリーズが溢れていた時代から、YAMAHAは比較的安価な「MOTIF」というシンセサイザーを販売していて人気がありました。

現在は、YAMAHAは「MONTAGE」というハイエンド機種も販売していますがMONTAGEは高額なので、ミドルクラスの「MODX」シリーズのほうがコストパフォーマンスが良くバランスが取れた機種だと思います。


◇ROLAND ( ローランド ) / 「FANTOM」シリーズ

YAMAHAの「MODX」シリーズと同様にコストパフォーマンスが高く定評があるのがROLANDのシンセサイザーです。

「MODX」とほぼ同等のモデルがROLANDの「FANTOM」シリーズで、比較的軽量ながら音質も良く、ライブ演奏、楽曲制作など幅広い場面で使うことができます。

ちなみにROLANDには「JUNO-DS」という、より安価で軽い機種もあり、キーボード初心者の方がライブなどで良く使っているのを見かけます。

「とりあえずライブで使える、安くて軽いキーボードが欲しい」という人は「JUNO-DS」から初めてみるのも良いかも知れません。


◆キーボードが弾けるようにする方法


小さい頃からピアノやキーボードを習っていた人であれば問題ないですが、鍵盤楽器を習った人がない人が大人になってから弾けるようになるのは結構大変です。


◇教本を使う

やる気がある人であれば、基本的な練習方法が書いてある本を一冊買ってきて、コツコツと練習すれば作曲では困らないくらいには弾けるようになります。

しかし、大人になると練習を強制してくれる人が周りにいないので、なかなか続かなかったりするんですよね。

私自身もピアノの練習本やら楽譜やらを何度も買ったものの、三日坊主どころか数分練習しただけで部屋のオブジェになってしまう・・・ということがありました。


◇ピアノの先生に習う

時間と予算に余裕がある人であれば、ピアノの先生に習いに行ったほうが練習は続きやすいと思います。

周りの人を見ていても「練習しないとピアノの先生に怒られる」「ピアノのお姉さんに会いに行くのが楽しみ過ぎるから練習してる」「練習しないと月謝がもったいない」という感じで、ピアノ教室に通っている人のほうが上達が早い印象です。


◇アプリ(Simply Pianoなど)を使う

時間・予算に余裕がない人は「Simply Piano」などの練習用アプリを使ってみるのもおすすめです。

サブスク型の有料アプリなので年間7800円(時期によって違うみたいです)くらいかかりますが、ピアノ教室に行くよりは全然安いですし、家から出るのが面倒なタイプの人は教室よりも自宅でアプリを使いながら練習したほうが楽だと思います。

「Simply Piano」は公式サイトを見ても細かい仕様や料金体系が良く分からないのですが、実際に使ってみたところ以下のような感じです。

時期によっても仕様や料金が変わるようなので実際にアプリをダウンロードしてご自身で確かめてもらったほうが確実だと思います。

・年間プランは1週間無料で使うことができ1週間以内にサブスクを解除すればお金はかからない。
(iPhone・iPadの場合は、「設定」→「自分の名前」→「サブスクリプション」から解除できる)

・年間プラン以外は「1週間無料」の表示がないので1日目から料金が発生するものと思われる。

・iPhone・iPadからアクセスすると1年で7800円となっているが、Androidのアプリからアクセスすると1年で1万円以上となっている。
iPhone・iPadから(Appleのアカウントではなく)メールアドレスで登録するとAndroidでも同じメールアドレスでログインして使うことができるためiPhone・iPadを持っている人はそちらからサブスクをしたほうが安くなるかも知れない。

・ファミリープランは5人分のプロフィール登録でき、普通のプランは1人分のプロフィールしか登録できないと表示されているが、普通のプランでも3人分のプロフィールを登録できた・・・?

・MIDI出力に対応していない「音が出るだけのキーボード」でもスマホやiPadのマイクで音を拾う形で動作してくれる。ただし音量を大きくしないと反応が悪いので集合住宅だと夜は気を使うかも。

・MIDIキーボードをスマホ・iPadに繋げばヘッドホンで練習ができるので夜も気を使う必要はない。(USB端子とヘッドホン端子が共通のスマホだと困るかも)
AndroidとMIDIキーボードの接続はMIDIキーボード付属のケーブルに「OTG対応アダプター」を付けたらいけた。








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