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②
郊外の一軒家に
父、母、弟、母方の祖父、祖母
そして私の6人家族
婿養子だった父
祖父、祖母との折合いは悪く
ひとつ屋根の下に住んでいながら
会話を交わすところを見たことはほとんどない
母は3人兄弟で兄と姉がいたが
兄は幼少期に亡くなっており
姉は気難しい性格の祖母が嫌で
早くに遠方に嫁いでしまっていた
元禄時代から続く本家の血筋が絶えることを
常日頃から祖父は嘆いており
その意向を汲んだ母の希望で次男の父は婿養子になった
父は寡黙で普段から口数の少ない人だった
記憶にある父はお酒とギャンブルが好きで
父が連れて行ってくれる場所は競馬場かパチンコ屋
酔っ払って夜中に帰宅することが多かった
祖母は躾に厳しく
挨拶の仕方から立ち居振る舞い
口の利き方や食事のマナー
鼻をかむ時のティッシュの折り方まで
とにかく細かかった
自分をおばあちゃんとは決して呼ばせず
そして全てにおいて自分が最優先でないと
気が済まない人だった
幼い頃の私から見る母の印象は
そんな祖母と父の間に挟まれて
いつも損な役回りをしている可哀想な人に見えた
祖母同様に躾には厳しかったが
母は明るい性格だったし
特別暗い家庭でもなかったと思う