広島商船高等専門学校と共同研究を開始します。の話
エイトノット 横山です。
本日リリースされましたとおり、広島商船高等専門学校と小型船舶向け自律航行技術開発に関する共同研究研究を開始しました。それに合わせて、横山の母校でもある広島商船高等専門学校のことを簡単に紹介します。高専に馴染みがない方も多いと思いますので、まずは高専の説明からはじめます。
高専とは
高専とは高等専門学校のことで、高校3年間+短大2年間をあわせた形で5年間(商船学科は5年半)の教育期間で、専門性が高い教育と能力の育成することを目的とした学校です。また、さらに+2年間通うことで、大学卒相当の教育が受けることができる専攻科もほとんどの高専に設置されています。
主に中学卒業時に自分の将来の職について決めて、目的の学科に入学する学生が多いため、先生も学生も普通の高校とはひと味違います。
5年卒業時に大学への編入も可能(引用元)
高専の卒業生は職業能力が非常に高い学生が多いため、進学者を除く就職率は脅威の(ほぼ)100%です。親が自分の子供を入れたくなる気持ちも頷けます。(単位取得がちょっと厳しく勉強してないと普通に留年するので、ふるいにかけられた結果かもしれませんがw)
そんな高専は全国で57校あり、その中の一校が今回紹介する広島商船高等専門学校です。
商船高専
商船高専はその名と通り商船学科を設置する高専で、全国に山口県大島、愛媛県弓削、三重県鳥羽、富山、広島の5箇所のみで、そのうち3校が瀬戸内海に集中しています。
母校、広島商船高専は大崎上島にあります。
大崎上島は完全離島(本土などと橋が繋がってない)で、学生の半数は遠方からの入学なので島内で寮生活をし、残りの半数は島内から通うか、毎日フェリーで通学します。私は広島県内出身ですが、実家は中国山地の山の中の出身なので5年間寮生活でした。
商船学科
航海士をめざす航海コースと機関士を目指す機関コースがあります。
広島丸という高性能な実習船で、年に数回航海実習をおこないながら船乗りを育てている、日本の船舶業界においては重要な教育機関だと思います。
練習船広島丸(引用元)
電子制御工学科
ロボティクスとかメカトロニクスとか行ってもいいような学科で、電気・電子、機械・機構、制御・ソフトウェアなどをバランスよく学ぶ学科です。私はこの学科出身で、結局ロボットの開発を10年以上やっていました。本業は電気?メカ?ソフトウェア?って聞かれることが多いですが、ロボットなので全部広く浅く必要になります。
流通情報工学科
ソフトウェアに関連する情報分野と経済・物流などに関する流通分野を学ぶ学科。在学当時は情報工学を学びたくてきてる学生が多い印象でしたが、ロジスティクスや経済を学べる学科は高専内でも珍しいと思います!
共同研究について
弊社のメンバーは主にロボティクスのメンバーで構成されています。家庭用ロボットとか玉乗りするやつとかゲーム機とか作ってたメンバーなので、自律化ソフトウェアや製品化の知見は十分に持っています。
しかし、船舶などの海洋工学の知見はまだまだ不足しています。
そんなとき、広島県職の方のご紹介で、今回共同研究を行うこととになった岸先生を紹介いただきました!
商船学科 講師
岸 拓真 博士(工学)
専門分野は船舶海洋工学・海洋空間利用工学。耐津波用のシェルターに関する研究・災害時の船舶からの陸上への給電の研究を実施。
共同研究を通じて自律航行船舶が融和できる海洋空間利用について株式会社エイトノットと協働しながら社会実装を目指して取り組んでいただきます。
岸先生は、はじめてのMTGから弊社のビジネスに共感いただき、また弊社も岸先生の船への熱意、高専教育のあり方に共感したため、今回共同研究という形でいっしょに自律航行船の開発を行っていくこととなりました。
今後は2021年夏の大崎上島近海の海域での実証実験をはじめ、様々な点でご協力いただきながら開発を進めたいと思います。
大崎上島での開発の様子も近々記事にしますのでご期待下さい!