ヘルパーになるということ
相変わらずルリ子は、数年前から常用しているマイチャリで仕事へ行く。
風が強い日には幾度となくマイチャリは、
風になぎ倒されてきた。
いい加減買い替えた方がいいかなあ…
やっぱり電動にしようかな…
ルリ子はグルグルと思い巡らせる。
近頃の若いママさん達はほぼ電動に乗って
いらっしゃる。
ルリ子の横をスッと通り過ぎていくのを、
何度みたことか。
その度ちらっと横目でいいなぁと、ルリ子は羨ましそうに見つめてしまう。
訪問先を日に何度も移動しないといけない
ルリ子にとって、電動自転車は憧れの存在なのである。
新しい年にもなったことだし、思い切って
電動に替えてしまおうか。
今のご時世中々の出費にはなるのだが。
自分の膝にこれ以上負担をかけられない。
それでなくても腰やら膝やら手やらルリ子のカラダは、悲鳴を上げているのだから。
やむを得ないなあ、とルリ子は考える。
訪問介護は移動時間分は給料には含まれないのが、ツラいところなのだ。
人が集まらない仕事って、それ相応の理由があるものなのである。
私もいつまで出来るかしら…
カラダを壊してまでさすがにしたくない。
かと言って生活もあるからそう簡単に仕事も辞められない。
なんかすごいジレンマだけど…
出口の見えない迷路に迷い込んでしまった
ように感じるルリ子であった。
まあ、なるようになるでしょ!
そう思うことにした。