スクールカウンセラー(SC)の学校文化の理解


前回の記事から


学校や先生に必要としてもらえるSCになるためには
①学校文化の理解
②先生の負担軽減に貢献する

と述べました

今回はこの「学校文化の理解」について
詳しくまとめたいと思います


結論からお話しすると
①勤務時間に柔軟性をもたせる
②学校からの要望について柔軟に対応する
③学校は教育の専門なので心理や福祉の知識は求められない
④教育の良さを理解する


①勤務時間に柔軟性をもたせる


これは簡潔にお伝えすると「勤務時間ぴったりに退勤することを主張しない」ということです

ただ
ボランティアワークをしてくださいとか
自分を犠牲にしてくださいといっているのではなく
勤務時間ピッタリに退勤するSCであると学校に認識されてしまうと活用してもらえなくなってしまう可能性が高くなりやすいんです

非常勤雇用がほとんどだと思うので時給ですし
社会保険もない自治体もあると思います
そんな中時間外の仕事を断る権利もあると思います
身体を壊す働き方はしなくていいと思います

でも
学校・先生は激務の中、毎日仕事をしています
休日返上して仕事をしたり、仕事を持ち帰ることも少なくないはずです
時給に換算すると最低賃金を下回っているのではないかなと思うことも

私の教員時代を思い出すと
「健康を維持しながら働くのは大変だったな・・・」と思い出します
私が教員としての能力が低かっただけかもしれませんが・・・

働き方改革が急務な学校なので
定時退勤の主張が強いSCだと
仕事を頼むことに気が引けてしまう可能性が高いことが予想されます

②学校からの要望について柔軟に対応する


これも簡潔にお伝えすると「心理士としての仕事の枠に固執しない」ということです

心理士としての働き方や振る舞い方などしっかりあると思います
面接は基本的にはクライエントの1対1がほとんどだと思いますし
面接での情報は秘密厳守ということもあると思います

しかし学校ではSCが関われる時間はとっても限られていて
多くても1週間1日の1時間程度だと思います(私の自治体はこれです)
逆にその他の時間は教員が生徒に関わっています
SCが記録した内容や提案(助言とは書きづらかったので)を日々、先生が生徒に対応しています

だからこそ
教育・学校に適した心理士としての働き方、振る舞い方、提案の仕方が重要で
理想は、先生と「話し合い」ができることです

教育・学校に適した仕事の仕方といっても
心理士から外れてしまうことは決してはいけません
心理の専門性を保つことでSCの良さが発揮でき、学校というチームで子どもの問題に対応できるからです

固執するなって言ったり専門性を保てと言ったり何が言いたいのか・・・
自分で書いておきながらすみません・・・

とにかく(説明が下手で申し訳ありません)
心理の専門性を保ちながらできるだけ学校の要望に合わせて仕事を進めることが重要なんです

もう他のSCさんもされていると思いますが

情報共有は
先生が生徒指導を進めるために必要な情報は出すようにしたり
SSR(スペシャルサポートルーム)がある学校では
SSR担当の先生とSCが一緒に保護者と面談をしたり
などしています

③学校は教育の専門なので心理や福祉の知識は求められない


SCをしていると
「〇〇先生から〇〇と言われて・・・」
と、子どもや保護者から言われることが少なくないです

目の前にいる子どもや保護者などから辛い様子で言われてしまうと
複雑な気持ちになります
辛くなる言葉をかけられたら辛い様子になるのは当然です
不登校になるのも当然です

もちろん傾聴します

それと同時に
何でそのような言葉をかけてしまったのかな
目の前の仕事をこなすことで先生方もいっぱいいっぱいだろうな
先生も子どもや保護者の気持ちを聞きたいだろうけど忙しすぎて聞く時間もないだろうな
そもそも心理や福祉の知識がなくて当然だから具体的な言葉かけは分からないだろうな
と思います

忙しすぎる学校の現状では先生を責めても解決にはならない
ただこういうことはできるだけ起こってほしくない

だからSCとして
記録であったり先生と直接お話しできる際には
「心理や福祉の知識を先生に伝える」ようにしています
子どもや保護者の辛さを代弁するように
心理や福祉の知識を織り交ぜながら柔らかく伝えています

そうすると
ほとんどの先生が子どもや保護者の辛さを理解してくれます
そして
少しずつ心理や福祉について知識をつけてくれます(と思っています)

心理や福祉の知識をつけてくれると
学校・先生の「良かれと思ってしたことが仇となってしまう」ことが防げるのではと思います
ショックを与えるつもりではなかったのに与えてしまう結果になってしまった
学校・先生が一生懸命対応したつもりが罰せられることになってしまった

毎日激務をこなしている先生と一緒に働いていると
こんなことが起こらないようにしたい
そのために何かできないかな
とよく思うので
SCとしてできることを少しずつですがSCなりにしています

④教育の良さを理解する


③では学校・先生に心理や福祉の知識をつけてほしいと
傲慢な気持ちを述べてしまいましたが
実はSCも教育の良さを理解する必要があるのかなと感じています

私自身、教員経験があるので
その頃を思い出してみても

教育の良さはなんと言っても
「子どもを信じて背中を押すことで子どもがより良い成長をしていく」
ことです

学校・教育が子どもの背中を押すパワーって
子どもがいろんなことにチャレンジできるエネルギーになるんですよね
子どもが自分の知らない自分に出会える素晴らしい経験ができるんですよね

学校の子どもたちを見てると
本当に背中を押してくれる先生がいるからこそ
大きく成長していくんだなと痛感しています

これはSSRの先生と一緒に保護者をサポートさせていただいても思います

不登校の子どもに対応していて
SCだけで関わっている子どもと
学校・先生と一緒に関わっている子どもとでは
子どもが学校に復帰する期間が全く違います

もちろん子どもの心身の状態で復帰する期間が異なってきますが
学校・先生が上手く関わると子どもの良い成長が感じられます

ただ
どのように学校・先生が関わっていくのか
いつ関わっていくのかなど
具体的な時期や方法は慎重に考慮することが重要です

最後に


今回
盛りだくさんの内容になってしまって上手く言いたいことが伝わったのか不安ですが
SCが「チーム学校」の一員になって学校・先生と協働して仕事を進められると
SCの専門性が素晴らしく発揮できるんだなと実感しています


次回は「先生の負担軽減に貢献する」についてアップします

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