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吉田新 インタビュー 『 漆と昆虫の輝き 〜玉虫厨子に憧れて〜 』 2024.11.2 sat - 11.10 sun
吉田新 YOSHIDA ARATA
プロフィール、アートの経歴
武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科4年(在学中)
アートを始めたきっかけ
幼少期より生き物とものづくりが好きでした。毎日のように生き物を取ってきてはその生き物が知りたくて図鑑を読み、スケッチをしていました。今思うと、その興味関心がアートへの導入だったのかもしれません。
本個展の漆と昆虫を掛け合せた作品を作るようになったきっかけは、大学の授業で漆について学んだこと、その際に中高生の時に歴史で学んだ玉虫厨子が頭の中にふと浮かんできて、玉虫厨子って飛鳥時代の当時はどんな姿だったのだろうと思ったことが制作を始めるきっかけでした。
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影響を受けた好きな作家
好きな作家は木工作家さんの福田亨さんです。木の特性を活かした繊細な昆虫の彫刻作品を作られている作家さんです。私は本物の昆虫を素材として使用していますが、福田さんは木のみを素材として使用されていて木の可能性を追求されている凄い方で憧れています。
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本展示会の見どころ、注目ポイント、メッセージなどありましたらお願いします
本展示会の見どころは、他では見られない昆虫と漆の融合を楽しんでいただけることだと思います。実は甲虫の羽って本来、漆には張り付かないという特性を持っていて、なかなかつけるまでが難しくて作品に使われることがほとんどないんですよ。なので唯一無二だと思います。
また、素材に使用している昆虫にも実はこだわっていまして、私が作品制作の核にした玉虫厨子って、その名の通りヤマトタマムシという昆虫を使用して作られたものなのですが、現代でヤマトタマムシを素材として使うのはなにか違う気がしたんです。玉虫厨子にヤマトタマムシが使えたのは当時(飛鳥時代)が自然豊かで個体数も相当多かったからだと思うんです。ただ、現在は彼らの住める環境も減ってしまっていて素材として使うには環境への負荷がかかってしまうのではないかと思ったんです。
そこで代用として、日本の環境を変えてしまいかねない駆除の対象となっている外来種を利用すること。外来種を素材として利用することで駆除された先の使い道として示せると思ったんです。また、彼らも在来種と同じかそれ以上に美しく魅力的です。ただ駆除して、処分されてしまうのも勿体ないと思いました。私は彼ら外来種を素材として用いることによって、作品を知ってくれた方にまず、外来種について知って貰えたらいいなと思っています。
外来種問題と向き合うにはまず「知ること」「知ってもらう」が大切だと思うから。そんな願いを込めつつ制作をしています。今後も昆虫に限らず色々な外来種を素材として用いた作品作りをしていきたいと考えています。
X : @EpZigamagaeru
Instagram : @ara.121411
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