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今もし大学の広報職員になったら何をしようかな

先日友達から大学の広報に関しての相談を受けた。
私は企業で広報の仕事は小さくしかやっていないけど、学生時代に学生広報として大学広報をした経験があったので少しお話をしたりした。

そんときに自分はやっぱり大学が大好きで、人生を広げてもらった場所だからそんな面白い大学を多くの人に知ってもらいたいなと思って、もし自分がやるんだったら…とお気楽な感じで考えたので妄想程度にメモしておこうと思う。

そもそも学生広報で何をしていたのか

私は「人に伝えて行動が変わる」という現象に興味があった。だから”人間科学”的な分野に興味があるのか?と思って探していたけど、センター試験の結果もあり、高校の先生に「経済学部では行動心理学ということも勉強できてな…」と聞いて、なんか学問のガの字も知らなかったけど、イメージするものと興味が一致したので決断してなんとか後期で合格することができた。

高校当時は自身のHPを作ったり、リュックをカスタマイズしたり「自身を伝える行動」をずっとしていたし、「人に伝えて行動が変わる」ことに興味があったから、大学入学当初「広告を作ってみたいな」ってぼやっと考えたりしてみていた。

そんな話をしていたら先輩が部活やサークルの広告代理店的なサークルを立ち上げないか?と話を持ってきてくれたけど、私はそういうビジネススキーム的なものには全く興味を持てなくて、ん〜と思ってて、そしたら「学生広報っていうのを募集してるからまずこれに入らないか?」と誘われ、それなら面白いかもと思って参加した。

大学は自分にとっては目標であった国立大学であったけど、偏差値で並べると下から数えた方が圧倒的に早く、周りの入学者はこぞって”不本意入学”と言っていた。でも大学で学べるのならここで頑張ればいいじゃないか?と思うのに、だんだん怠けていいスキルを覚えていく”学生”に私は違和感を感じ始めた。

高校の時の大学像と現実の大学像が違いすぎるし、”不本意入学”と言っている学生の先輩がたくさんいる大学に、高校生は入りたがらないだろうと思った。だから私はまず大学内の学生が自身の大学を好きになるきっかけを作ろうと、毎週大学に行くのが楽しみになるようにほぼウィークリーで学内限定のフリーペーパーを発行させてもらうことにした。

また、「学生」は大学にとって大切で、高校生が自分を投影できる存在だと思ったので、自分自身が広報コンテンツだと思って学生ブログで自分の生活や大学生になってからの考えの変化について記載したりした。さらに、後輩のアイデアでやった大学の教授や職員を紹介する連載コーナーでは学長を取材し記事にもさせていただいた。その前にも学部を紹介するブログを書いた。

大学の学びの楽しさは卒論を書き終えてやっと気づいた。だからその楽しさは最後地域版の毎日新聞に掲載してもらったのみで積極的に発信することはできなかった。そんな思いを残しているからこそ、今から自分が学生広報職員になったら?と妄想してみたいと思う。

広報の下準備をしたい

大学業界が今どのような状況に置かれているのか…理想はどうありたいのか、問題はどこなのか知りたい。今も個人の趣味のように五神真著「大学の未来地図」、現代思想2020年10月号「コロナ時代の大学」、内田樹著「街場の教育論」、松村圭一郎著「これからの大学」、舞田敏彦著「データで読む 教育の論点」、鷲田清一著「岐路の前にいる君たちに」を読んだりはしてきた。ただの自分の興味として読んできただけだったので、問題点としてまとめてある本や新聞記事などを読もうと思う。

それに自分の担当大学の専門学問界隈のことも知りたいし、それがどのようにメディアに取り上げられているのかもチェックしておきたい。もし地方大学の広報を担当するのなら担当地域のニュースもチェックして、大学と関われる部分がないか探したいし、記者が普段どのような目線で切り込んで書いているのかをインプットしておきたい。

ターゲットをどこにするか

私は広告代理店の人でもなんでもないので、ノウハウがあるわけではない。だけど、もしやるのならターゲットを絞って発信をしないとわけわかんなくなりそう。届けられる側もだし、自分自身も何を発信していいかわからなくなりそうだから。

考えられるターゲットはこんな感じかな?
・在学生
・受験生(志望校候補)
・受験生(まったく興味のない層、高校1年生など)
・OBOG
・大学や教育関係者
・地域の人

きっと、大学自体が広報に求めるものの優先順位もあるだろう。「受験生を増やしたい」とかが多いのかな?と思うが、そこに向かいつつ、短期的な目線と長期的な目線を持ってそれぞれのターゲットに対して何を伝えたいかを決めて、どの媒体で発信するのか(発信してもらうのか)戦略を立てていきたいと思う。大学の実情(現在の人気度、認知度、地域貢献度など)によっても発信する先への内容は変わってくるだろう。

リーチした先で深掘りできる仕組みを構築したい

とにかく広報で難しいのって、まず読んで欲しい人たちのところへちゃんと届けるってことだと思う。で、届けたときに意図したメッセージがちゃんと届けられるかっていう部分だと思う。

例えば、認知度を上げたいっていうのでも私立で潤沢な資金があれば、電車広告でもできるし、スポーツで有名選手が活躍することだって広報になるのだろう。まぁでもそれが本質的に、長期的に”大学”の広報になるのかは考え直した方がいいけど。

で、潤沢な資金で広告代理店に頼めるような大学じゃない場合がほとんどだろうし、そうなったら私はターゲットに対していろんな接触点を生み出しながら、最終的には学問沼に陥らせたい。よくあるのが受験生がHPを閲覧しにきたのにみたい情報がなかったとか、SNSをやってるのに全然更新していないとかだと思う。

それに、記事を書いてもらったり、ニュースとして取り上げてもうことが無料で、しかも第三者の目線だからまた違う書き方をしてもらえるからいいわけだけど、それだとプレスリリースを出したところで必ず取り上げてもらえるわけではないし、取り上げられ方もコントロールできるわけじゃない。

そうなったら、自らある程度の金額でできる範囲のことを地道に積み上げていくことがきっと大切になるんだと思う。学問沼(学んでみたい欲を掻き立てる)に落ちてもらうために、興味の割合で触れるメディアの変化に対応して、SNS運用、動画発信、そしてテキストというように展開したい。そしてラフな発信から「何この大学?」と思った時にちゃんと次につながるようにHPは充実していないといけないと思う。

読んでもらう記事にするためにどうやった切り口にするか

ではそのHPでどのようなことを記載していくか、だと思う。一般的な大学のHPは学部の紹介や学生の生活やキャンパスの様子、受験案内、地域との連携、教授紹介、学長メッセージ、みたいなところじゃないだろうか。

HPを見にくるような受験生はちょっとは興味のある志望校候補に入っているような人なはず。そうなったら「自分はこの大学で何ができるのかな?」「自分は何か楽しいことができそうかな?」とか思うんだと思う。それに対してYES!!と強く打ち出して背中を押してあげられるような情報になっていないと、「なんか一応偏差値的に入れそうな大学はここなんだけど自分の興味にはあってないかも」とか「なんかやりたいことはないかも」「学生生活は地味そうだからやだな」とか思わせちゃう。

そうなったときにどのような切り口で記事を展開しておくか…私がもし大学広報担当だったら…(すべては妄想なんですけど笑)
「十人十色学生日記」「私が今日も研究する理由」とかで記事を書きたいな。超ジャストアイデアだけど。「十人十色学生日記」の部分の十はおおよその学生の人数とかにしたい。まじで全員を載せるつもりでやりたい。しかも記事は大学HP上に載せるんじゃなくてnoteとかにアップしてせっかく多くの人が使っているプラットフォームがあるのだからその力を活用したい。

「十人十色学生日記」には、今興味のあることとなんでそれに興味をもっているのか、どんな社会を望んでいるのか、自分はそこでどんな人間になっていたいのかを深掘りして聞いてみたい。もしかしたらここまで考えてない学生ばっかりじゃないよ、っていう感じもするけど、なにかしらみんな将来の転換期。今まで引かれたレールを走ってきた”子ども”が”大人”になるために考えていく過程を残したい。そしてきっとそこにはその人の原体験があったり、実は…みたいな話があるはず。なんならその取材がその人が考えるきっかけになってもいいと思う。
記事を読んでもらうのが最終ゴールでその前にSNSで紹介するのをセットにする。

「私が今日も研究する理由」は教授を深掘りして記事にしたい。大学での”研究”自体が社会に知られていなかったり、”学問”自体が軽んじられている時代な気がするので、そんな中で何を使命感にしたり、危機感にして研究をし続けているのかは心が痺れるはず。なぜその研究に取り憑かれているのか、どんな目線で社会や事象を見ているのかを俯瞰的にだけど詳細に記載したらきっと面白い気がするんだよな〜。すっごいパワーのいる仕事だけど!
あとはその研究者が普段どのようなことを趣味にしていたり、どのような生活をしているのかも聞いておくだろうな。実際、私の母校の教授の中には厳しめの語り口調で授業をするのにモモノフ(ももクロのファンの名称)であるのが一発でわかるようなパーカーを毎日着てたし。そういう人間っぽさからもなんかその教授の観点や感性を垣間見れるような気がする。

動画を展開するのなら…?

動画は「私が今日も研究する理由」の記事まで誘導するための、もしくは簡易に紹介するためのものにしたい。なるべくYouTubeのトレンドに近づけて「○○してみた」とか「○○購入開封動画」とかをフィールドワークや実験道具とかに当てはめて紹介したい。よくわかんない理系の実験道具に興奮している教授やゼミ生とか、個人的にはわけわかんないけどなんか幸せそうで面白いと思う。文系の先生だったら「ニュースを切る」や「解説する」とかでもいいだろうし、10分程度の動画を展開して詳しくは記事を読んでみてね!みたいな流れにしたい。

SNSを展開するのなら?

SNSは今だったらFacebook、Instagram、TikTokを活用する。Facebookは正攻法でどちらかというとOBOG、地域の人向けになると思う。InstagramとTikTokは「十人十色学生日記」「私が今日も研究する理由」へ持っていくための入り口に位置づける。Instagramにアップする写真の1枚めは必ず同じ構図で紹介する人の笑顔の写真とかにしたらインパクトあるかも…。
TikTokはとにかく流行りに乗っかります笑。音楽に合わせて自己紹介する動画とかを教授にやってもらいたいな〜めっちゃ軽やかな音楽や振り付けなのに文字がバッキバキの専門用語っていうギャップが「は?」ってなりそう。それで興味をもってくれるような人がyoutubeとかにきてくれたら最高なのに…

すべては未来の人類のために

大袈裟だろうか?いいえ、きっと大学の教授は「未来の人類のために」研究している部分は絶対にあると思う。そのために「過去」をどう解釈するか。「今」をどう残すか。「未来」をどう想像し創造するか。きっと毎日事務作業に追われながらも研究に関して頭を悩ませ、思考をし続けているのだと思う。

きっと今回ここで書いた内容は妄想だから1人ではできないし、実際広報担当になったら大学案内をつくったり、ルーティン業務だってあるだろう。でも妄想だし、「十人十色学生日記」「私が今日も研究する理由」の記事やSNS活用、動画発信にチャレンジしてみたいって考えちゃう。

とにかく、私が大学広報になったら、もちろん志願者を増やすとかも大事な指標だけど、大学教授にリスペクトして”大学”という学びが社会に還元されていくように(直接的、教育を通しての間接的含めて)手伝いたい。


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