<おでかけクリエイティブナイト> 第11回「地方とデザイン」
第一線で活躍しているクリエイターをゲストに迎え、クリエイティブのヒントを探るトークセミナーシリーズ「CREATORS FILE」。
全県同じルールで出版する
47都道府県のデザイントラベルガイド
西澤:社会的に「地方創生」が大きなテーマになっていますが、ナガオカケンメイさんは先駆けて地方の課題に取り組まれてきたと僕は感じています。本題に入る前に、ナガオカさんと僕との接点について少しお話しさせてください。「47都道府県のデザイン物産」全235点を紹介する展覧会の<埼玉セレクト>として、僕が最初にブランディングデザインをお手伝いさせていただいたクラフトビールの「COEDO」を取り上げていただきました。この展覧会は、2008年ですよね?
ナガオカ:そうです。松屋銀座での展覧会です。
西澤:駆け出しの頃に大尊敬しているナガオカケンメイさんに取り上げていただいたことがめちゃくちゃ嬉しくて、以来本などを通じて活動を追いかけてきました。今日は初のトークセッションということで、よろしくお願いします。
ナガオカ:よろしくお願いします。松屋銀座で開催した『デザイン物産展ニッポン』の図録では、日本の物産がどれだけデザインされているか検証する展覧会をそのまま一冊にする際に、1都道府県ごとのトラベル情報を追加することになりました。付録のようなモノクロページに、どこで観光して、買い物をして、どこに泊まってというような「1泊2日 ○○県のデザイントラベル」の情報を載せることになり、それがデザイントラベルガイド『d design travel(ディ・デザイン・トラベル)』を創刊するきっかけになりました。
今30都道府県完成して、あと17県。こちらが「福島号」です。
西澤:『d design travel』の出版ペースは、年一冊くらいですか?
ナガオカ:年二冊ペースです。『d design travel』と渋谷ヒカリエ8Fにある47都道府県をテーマにしたデザインミュージアム「d47 MUSEUM(ディ・ヨンナナ・ミュージアム)」が、D&DPARTMENTの中で最も辛く、一番意義のあるデザイン活動です。
西澤:一番時間がかかるところですね。
ナガオカ:『d design travel』では、どの県も同じルールで制作しています。一般的なトラベルガイドは、だいたい人気がある県しか出さない。人気ある・ないに関わらず、同じルールで出版するトラベルガイドは初めてだと思います。
西澤:僕の故郷の「滋賀号」は既に出版いただいています。ありがとうございます!
ナガオカ:47都道府県を県単位で一冊ずつ出版する中、最近では「市町村」単位で『d design travel』を発行したいというリクエストを多くいただきます。その場合、『d design travel』と基本同じ編集方針で、ワークショップ形式でタブロイド型の[d design travelワークショップ号]を作ります。僕ら編集部が全て取材を行う『d design travel』に対して、[d design travelワークショップ号]では、編集長は僕で、市民のみなさんが編集部員となって情報を集め、制作に関わってもらって作っていきます。
下のスライドの写真は、自分たちの市町村でキーマンは誰か?と話し合っているワークショップの様子です。自分の町に当たり前にあるものが“自分の町らしいか”を、改めて考える機会になっていると思います。
西澤:面白いですね。有志の方々が集まられるんですか?
ナガオカ:市町村の役場から呼びかける場合もありさまざまです。制作が決定したら、3〜4回のワークショップを開きます。公開編集会議や原稿の書き方や写真の撮り方をレクチャーします。
西澤:本当に自分たちで作るんですね。
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