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小さな庭の物語~お手紙~

ママ

寒いねえ。お月様が出てるよ!お星様も!あれ?
三日月さん!「こんばんは!💞」

あら
ほんと。きれいなお月さまねえ。お星様も 随分
おおきいのがあるねえ。ぼうや 今日は よく遊んだね。
もう おねむ?

ううん まだ寝ないよ。ママ まだいいでしょ?

いいよ。なにお話ししようかねえ。。

うーんとね。いつか ねこさんが話してた、遠い町の
こと。ここのおばちゃんちのお兄ちゃんが ずっと
子どもだった時のことは?

そうね。たくさん あって ママも憶えているかどうか
分かんないのだけど 。。じゃあね。始めは 「ごねちゃん」
のお話し しようか?

うんうん。

ここん家のおじちゃん
居るでしよ?
お仕事がね。お引越しばかりしなくちゃならなくてね
二番目に住んだところ 丘の上だったの。
帰るときは 坂を登らなくてはならない。
社宅っていうんだけどね
そこに 住んでたねこさんのお話し。

名まえが 「ごねちゃん」っていうの。
なんか 嫌な予感しない?
キジトラだったかな。もちろん mixだよ。
人懐っこくてね 人を見ては すりすり。
おじちゃん 天下御免のいぬねこ嫌い。
それなのに ごねちゃん 構わず すりすり。
おじちゃん
階段の踊り場で 青くなってたよ。だって 年上の
ひとのねこだもん。隣の課のね。
しかも わざわざ波風立てるようなことちゃうし。
でね
怖いものなしのごねちゃん 
春 うららなある午後。
お隣りの赤いポルシェのボンネットにいるじゃん!・・・
えええええええええええええええええええええええ!
知らんよ、早く 飛び降りなさい。
って 目を開けたら ・・・
でしよう?怖いでしょう?

それで それで。。。?

それでね よくある話らしいけど
よせばいいのに 後ろ足から ズズーって・・。
そう!
こわすぎて!その後 どうなったか よう聞かん。

ママ!こわいよお!
マクレガーさんみたいに 鍬でぶたれない?

それは大丈夫、きっと。。
だって 直属ではないにしても
年上だし、上司でなくてもね。
いやいや。。。💦


それからね 坂を下りたら 公園があって よく遊んだよ。
そうなの。
おにいちゃんたち そこで大きくなったんだよ。
おばあちゃんちやいとこのおうちが遠かったから
みんなで 車に 乗ってね、長いこと。
途中 ダムで休んだりクワガタ採ったり
とかげくんと遊んだり。

ちいさいお兄ちゃんが 中学生の時
時々 ねこを拾って来てたけど
お父さんが 許してくれないから お友達に
引き取られた。
「ほら、お父さんが東京から帰ってくる前に
頼みにいこう」って 近所に。
貰い手が あってよかった。
おばちゃん 寂しがってた。。
一匹は 近所のおばあちゃんちへ。
一匹は 遠いお兄ちゃんの友達んちへ。
ちびねこは ほんとに可愛くて おばちゃんに
懐いてた。
悲しくて 悲しくてなみだが ぽろり。
可愛がってたからね、3週間。
でも おじちゃんのねこ嫌いは 治らなかったよ。
田舎のおばあちゃんちはねこも飼ってたし 
いきものは大事にしてた。
いなかではね 蜘蛛のこも大事にするの。

そう。。ママ・・・。

ん?

寒くなったねえ。パパは お空だね。お月様見てるね。

ねえ。そうだねえ。
あ、そうそう 今日 お手紙きてたよ
郵便屋さんが 持ってきたよ
見ようね。


おばちゃんへ
今度 お茶会に 行ってもいいですか?
ぼくたち お利口にしてるから。。。
かあさんと 行ってもいいですか?
    by小太郎&鈴子より
コタとリン|小太郎|note


お土産です
大丈夫だよ きっと。だからさ

小太郎くんへ

いいですよ。いらっしゃい。みんな喜びます。かあさんと
来てください。メジロおばさんも よんでおきます。
お構いもできませんが。。。お利口にしてなくてもいいですよ。
               おばちゃんより

今日は もうお休みです。色水遊びも 今日もできませんでした。
お友達が お熱を出して来られなくなったからです。
でも 一人遊びをして 過ごしました。
今度は きっと 小太郎くんが美形の鈴子ちやんを連れて
遊びに来ます。
また今日も なんてことないお話で ごめんなさい。
お友達が あまりいないから 喧嘩も仲良しも ほんとは
どんなものか どんな気持ちになるか 分からないままの
ぼうやです。
これから いろいろ 知って行くんですね。
やさしく 見守ってください。


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