「もういいかい」
ああ
どうしよう
もう・・・
嘘やろ
嘘と言ってよ
もし神様がいるなら
嘘だよ
心配いらない
そういって笑ってよ
試練だよなんて
もうたくさん
聞き飽きたから
一生懸命が笑いながら
後ずさる
もう 大丈夫
今のは みんな嘘だよ
心配いらない
大丈夫
前しか見えなくて
時が 零れるように
行き過ぎて
しゃがみ込むことも
泣き出すこともできなくて
かっこ悪
「もう いいよ」
なんとか なった
時間が来たよ
ほら
迎えにきたよ
薄黄色の空がいってる
迎えに来たんだよ
「帰ろう」
手を差し出して
そっと風が包む
反芻して振り返るのは
もう いい
誰にでもあることなんて
言わないけど
冷えていくこころを
あっためるくらいはできるよ
だから
「もう いいよ」
駆け足
前を向いて涙がこぼれないように
駆け足
なんの役にもたたない後悔の影なんて
風に飛んでけ
「もう いいかい」
「もう いいよ」
あなたたち変わらないね
いつか
旧い友が言って笑った
なにも変わらない
後になって気がつくんだ
あほやなあ
電車の扉が目の前で閉まって
行き場のない思いが
ふうわり
足元を見てたら泣きそうで
それでも 夕闇がほわんと包む
もう いいかい
もういいよ
家の明りが灯る街角で
鬼ごっこみたいに なにを追ってるんやろ
そして
朝は 約束通り
きっと笑いながら
手を振ってくるんだ
きっと
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